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JP2000302888A - ポリエステルシート - Google Patents

ポリエステルシート

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Publication number
JP2000302888A
JP2000302888A JP11110176A JP11017699A JP2000302888A JP 2000302888 A JP2000302888 A JP 2000302888A JP 11110176 A JP11110176 A JP 11110176A JP 11017699 A JP11017699 A JP 11017699A JP 2000302888 A JP2000302888 A JP 2000302888A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycol
carboxylic acid
mol
monomer
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11110176A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tokumizu
眞 徳水
Jun Yoshida
純 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP11110176A priority Critical patent/JP2000302888A/ja
Publication of JP2000302888A publication Critical patent/JP2000302888A/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、機械特性、耐溶剤性に優れ、かつ柔
軟性を有するポリエステルシートを提供する。 【解決手段】 特定のカルボン酸単量体(A)単位と、
数平均分子量500〜3000のポリアルキレングリコ
ールを0.5〜15モル%含む特定のグリコール単量体
(B)単位とからなり、さらに上記カルボン酸単量体
(A)中および/または上記グリコール単量体(B)中
に、3価以上の多価カルボン酸化合物および/または3
価以上の多価アルコールが特定の割合で含まれ、極限粘
度ηが0.8〜1.2dl/gで、ガラス転移温度が2
0〜50℃であるポリエステル樹脂からなる、2mm厚
でのヘイズ値が2以下であることを特徴とするポリエス
テルシートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建材、内装部品等に
広く利用されるポリエステルシートに関し、詳しくは透
明性、機械特性、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性を有する
ポリエステルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂シート等の軟質材料用途に
は、柔軟剤等の添加剤を配合して容易に物性をコントロ
ールできる塩化ビニル樹脂が汎用されてきた。しかし、
塩化ビニル樹脂に可塑剤や金属系安定剤等の添加剤を配
合して使用すると、ブリードアウトが起こるという衛生
面での問題や、塩化ビニル樹脂を焼却すると有害ガスを
生成するという環境面での問題があり、添加剤を配合し
なくても柔軟性や機械特性に優れる他の樹脂材料の開発
が強く要望されている。
【0003】そこで最近では、添加剤を配合しなくても
耐寒性、耐熱性、耐油性、機械特性等の性質に優れ、成
形時の残留モノマーが少なく、衛生的で安全性に優れた
樹脂として、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールの
ポリエステルをハードセグメントとし、ポリアルキレン
グリコールをソフトセグメントとするポリエステル−ポ
リエーテル型のブロック共重合体が、シート、フィルム
などの産業資材に使用されている。また、高分子量ポリ
アルキレングリコールの共重合体等も使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
ステル−ポリエーテル型のブロック共重合体には、ブロ
ック共重合体と極めて相溶性の低いゴム材料を柔軟剤と
して添加する必要があり、相溶性を高めるためにゴム材
料の粒子径を制御するのが難しいという問題があった。
また、柔軟性を発現させるためには過剰のゴム材料を添
加する必要があるため、成形後にブリードアウトが起こ
るという問題もあった。また、高分子量ポリアルキレン
グリコールの共重合体は、短鎖エステルを50重量%以
上含有しているため柔軟性が低く、また、ポリアルキレ
ングリコールが結晶性を有するため、シートの白化が起
こり外観を損なうという問題もあり、透明性、柔軟性を
有するポリエステルシートの開発が望まれていた。本発
明者らは、特開平11−66959号公報で、柔軟性を
有するポリエステル樹脂に関して提案したが、成形性の
さらなる向上が望まれていた。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、透明性、機械特性、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性を
有するポリエステルシートを提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のポリ
エステルシートは、芳香族ジカルボン酸を80〜100
モル%含むカルボン酸単量体(A)単位と、数平均分子
量500〜3000のポリアルキレングリコールを0.
5〜15モル%含むグリコール単量体(B)単位とから
なり、上記カルボン酸単量体(A)中にさらに3価以上
の多価カルボン酸化合物が0.05〜2モル%含まれる
か、または、上記グリコール単量体(B)中にさらに3
価以上の多価アルコールが0.05〜2モル%含まれる
か、あるいは、上記カルボン酸単量体(A)中に3価以
上の多価カルボン酸化合物が含まれ、上記グリコール単
量体(B)中に3価以上の多価アルコールが含まれ、カ
ルボン酸単量体(A)中の3価以上の多価カルボン酸化
合物の含有量と上記グリコール単量体(B)中の3価以
上の多価アルコールの含有量の合計が0.05〜2モル
%であり、極限粘度ηが0.8〜1.2dl/gで、ガ
ラス転移温度が20〜50℃であるポリエステル樹脂か
らなる、2mm厚でのヘイズ値が2以下であることを特
徴とする。(ただし、極限粘度ηは25℃のフェノール
/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定された値で
あり、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)で
得られた値である。また、ヘイズ値の測定はJIS K
6714による。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明で使用されるポリエステル樹脂のカルボン酸単量
体(A)単位は、芳香族ジカルボン酸を80〜100モ
ル%含むカルボン酸からなる。芳香族ジカルボン酸は、
得られるポリエステル樹脂に耐熱性および機械的強度を
付与するものであり、カルボン酸単量体(A)中80モ
ル%未満では、得られるポリエステル樹脂の耐熱性およ
び機械的強度が十分でない場合がある。芳香族ジカルボ
ン酸はカルボン酸単量体(A)中、85モル%以上含ま
れることがさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸として
は特に制限はなく、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレン−1,4または2,6−ジカルボン酸、アントラ
センジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−
スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウ
ム等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸はそのエステル
として重合に供される場合もある。芳香族ジカルボン酸
エステルとしては特に制限はなく、上記の芳香族ジカル
ボン酸のエステルが好ましく、低級アルキルエステル、
アリールエステル、炭酸エステル、酸ハロゲン化物等が
挙げられる。
【0008】カルボン酸単量体(A)単位は、脂肪族ジ
カルボン酸を20モル%未満の範囲で含んでもよい。脂
肪族ジカルボン酸としては特に制限はなく、シュウ酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー
酸、1,3または1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4’−ジシクロ
ヘキシルジカルボン酸等が挙げられる。
【0009】本発明で使用されるポリエステル樹脂のグ
リコール単量体(B)単位は、数平均分子量が500〜
3000のポリアルキレングリコールを0.5〜15モ
ル%含むグリコールからなる。グリコール単量体(B)
に使用されるグリコールには特に制限はなく、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ダイマージオール、シクロヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジメタノール、1,1−ビス(4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル)シクロヘキサン、4,
4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等や、
下記化学式(1)〜(3)で表されるアルコールやこれ
らの誘導体であるエチレンオキサイド付加物等を使用で
きる。ここで、下記化学式(1)〜(3)中(m+n)
の値が4を超えると、得られるポリエステル樹脂の耐熱
性が低下する場合がある。これらは単独であるいは混合
して使用でき、ポリエステル樹脂に色調、透明性、耐熱
性、耐衝撃性等を適宜付与することができるが、好まし
くは、得られるポリエステル樹脂に成形時における耐熱
安定性を付与できることから、エチレングリコールが使
用される。グリコール単量体(B)中のエチレングリコ
ール含有量は好ましくは70〜99.5モル%、さらに
好ましくは80〜99.5モル%である。また、1,4
−シクロヘキサンジメタノールをエチレングリコールと
併用することによって、得られるポリエステル樹脂に耐
衝撃性を付与することができ、グリコール単量体(B)
中の1,4−シクロヘキサンジメタノール含有量は好ま
しくは0.1〜29.5モル%、さらに好ましくは0.
1〜19.5モル%である。さらに、下記一般式(3)
で表される構造を有するビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物をグリコール単量体(B)単位中0.1
〜29.5モル%の範囲で含有させることによって、得
られるポリエステル樹脂に耐熱性を付与できる。
【0010】
【化1】 化学式中、Xは、CH2、C(CH3)2、C(CF3)2
O、S、または、SO2を示し、mおよびnは、1≦m
+n≦4を満足する。
【0011】
【化2】 化学式中、mおよびnは、1≦m+n≦4を満足する。
【0012】
【化3】 化学式中、Xは、CH2、C(CH3)2、C(CF3)2
O、S、または、SO2を示し、RはC1〜C5のアル
キル基を示し、mおよびnは、1≦m+n≦4を満足す
る。
【0013】グリコール単量体(B)に使用される数平
均分子量が500〜3000のポリアルキレングリコー
ルは、得られるポリエステル樹脂に柔軟性を付与するも
のであり、グリコール単量体(B)中の含有量が0.5
モル%未満ではポリエステル樹脂の柔軟性が十分でない
場合がある。数平均分子量が500〜3000のポリア
ルキレングリコールはグリコール単量体(B)中1〜1
0モル%含まれることがさらに好ましい。ポリアルキレ
ングリコールの数平均分子量が500未満では得られる
ポリエステル樹脂に柔軟性を十分付与できない場合があ
り、3000を超えると他の成分やポリマーとの相溶性
が低下し、重合反応が停滞したり、得られたポリエステ
ル樹脂からなるポリエステルシートの機械物性が低下し
たりする場合がある。ポリアルキレングリコールの数平
均分子量はより好ましくは800〜2000である。こ
のようなポリアルキレングリコールとしては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共
重合体、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメ
チレングリコール等が挙げられ、これらは単独であるい
は混合して使用できる。
【0014】本発明のポリエステルシートは、芳香族ジ
カルボン酸を80〜100モル%含むカルボン酸単量体
(A)単位と、数平均分子量500〜3000のポリア
ルキレングリコールを0.5〜15モル%含むグリコー
ル単量体(B)単位とから構成されるポリエステル樹脂
からなるが、上記カルボン酸単量体(A)中にさらに3
価以上の多価カルボン酸化合物が0.05〜2モル%含
まれるか、または、上記グリコール単量体(B)中にさ
らに3価以上の多価アルコールが0.05〜2モル%含
まれるか、あるいは、上記カルボン酸単量体(A)中に
3価以上の多価カルボン酸化合物が含まれ、上記グリコ
ール単量体(B)単位中に3価以上の多価アルコールが
含まれ、カルボン酸単量体(A)中の3価以上の多価カ
ルボン酸化合物の含有量と上記グリコール単量体(B)
中の3価以上の多価アルコールの含有量の合計が0.0
5〜2モル%である。3価以上の多価カルボン酸化合物
および/または3価以上の多価アルコールは、得られる
ポリエステル樹脂に柔軟性を付与するものであり、これ
らを共重合させることによって、ポリエステル樹脂は透
明性、機械特性、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性を有する
ものとなる。
【0015】3価以上の多価カルボン酸化合物として
は、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無
水物等が挙げられ、3価以上の多価アルコールとして
は、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
グリセリン等が挙げられる。これらは単独であるいは混
合して使用できるが、多価カルボン酸化合物のみを使用
する場合、多価カルボン酸化合物の含有量は上記カルボ
ン酸単量体(A)中、通常、0.05〜2モル%、好ま
しくは0.1〜1モル%であり、多価アルコールのみを
使用する場合、多価アルコールの含有量は上記グリコー
ル単量体(B)中、通常、0.05〜2モル%、好まし
くは0.1〜1モル%である。多価カルボン酸化合物と
多価アルコールを併用する場合は、3価以上の多価カル
ボン酸化合物の上記カルボン酸単量体(A)中の含有量
と、3価以上の多価アルコールの上記グリコール単量体
(B)中の含有量の合計が、通常、0.05〜2モル
%、好ましくは0.1〜1モル%である。これら多価カ
ルボン酸化合物および/または多価アルコールの含有量
が、上記それぞれの場合において、0.05モル%未満
では、得られるポリエステルの柔軟性が十分でない場合
があり、2モル%を超えるとゲル化し、反応の制御が難
しくなる場合がある。
【0016】ポリエステル樹脂は、公知の直接重合法や
エステル交換法等により製造でき、必要に応じて、チタ
ンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグネシ
ウム、酢酸マンガン等のエステル化触媒、エステル交換
触媒や、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、
酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、
二酸化ゲルマンニウム等の重合触媒を使用することがで
きる。ポリエステル樹脂は、25℃のフェノール/テト
ラクロロエタン等量混合溶媒中で測定された極限粘度η
が0.8〜1.2dl/gとなるような重合度で製造さ
れる。極限粘度ηが0.8dl/g未満では、得られる
ポリエステル樹脂の成形時のロスが大きくなり、生産性
が低くなる場合がある。また、1.2dl/gを超える
と、押出時の負荷が大きくなり十分な吐出量が得られ
ず、成形品の外観を損なう可能性がある。さらに、本発
明で使用されるポリエステル樹脂は、示差走査熱量測定
(DSC)で求めたガラス転移温度が20〜50℃であ
る。ガラス転移温度が20℃未満ではブロッキングによ
り取り扱いが困難となる場合があり、50℃を超えると
柔軟性が不足し、室温での寸法安定性が悪化する場合が
ある。
【0017】ポリエステル樹脂には、特定の性能を付与
するために各種添加剤もしくは充填剤を配合することも
できる。添加剤および充填剤の例としては、ガラス繊
維、炭素繊維等の強化用繊維、シリカ、タルク、カオリ
ン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボ
ンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤等
が挙げられ、これらが必要に応じて添加された後、溶融
流延法、Tダイ法、インフレーション法等の溶融押し出
し法、カレンダー法等の一般的な方法で通常0.1〜5
mmの厚さのポリエステルシートに成形される。また、
成形時にポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、
ポリメチルメタクリレート等の樹脂を適宜配合してもよ
い。
【0018】得られたポリエステルシートは、2mm厚
でのヘイズ値が2以下であることが必要である。ヘイズ
値は、JIS K 6714により測定された値であ
り、次式で表される。 (Td/Tt)×100 (式中、Tdは散乱光線透過率、Ttは全光線透過率で
ある。) ヘイズ値が2を超えるとポリエステルシートが白濁し、
外観を損なう可能性がある。また、ポリエステルシート
にさらに特定の性能を付与するために、公知の各種加工
処理を施すことができる。加工処理の例としては、紫外
線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ
処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理や、塩化ビ
ニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオ
レフィン等の樹脂の塗布、ラミネート加工、あるいは金
属の蒸着等が挙げられる。このようにして得られたポリ
エステルシートは、透明性、機械特性、耐溶剤性に優
れ、かつ柔軟性を有し、その用途に制限はなく、例え
ば、建材、内装部品、軟質透明シート、表面保護材等に
使用できる。
【0019】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説
明する。なお、ポリエステル樹脂およびポリエステルシ
ートの物性評価は以下のように行った。 1)ポリエステル樹脂の極限粘度ηの測定 25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒
中で測定した。 2)ポリエステル樹脂の柔軟性評価 ASTM−K7215に準じてショアD表面硬度を測定
し、柔軟性として評価した。ショアD硬度に単位はな
い。 3)ポリエステルシートの透明性測定 40mmφ単軸押出機を使用して得た厚さ2mmのポリ
エステルシートのヘイズ値を測定し評価した。ヘイズ値
は、日本電色 ヘイズメーターで測定した。なお測定法
はJIS K 6714 に準じた。 4)ポリエステル樹脂の引張強度測定 ASTM−D638に準じて測定した。 5)ポリエステル樹脂の成形性評価 東洋精機製作所 キャピログラフを使用して、270
℃、せん断速度60/sec、L/D=10で押出された
ストランドが、400mmに到達する時間を測定し、成
形性を評価した。 6)ガラス転移温度の測定 示差走査熱量測定(DSC)により求めた。
【0020】[実施例1]テレフタル酸4.00kg、
イソフタル酸0.21kg、エチレングリコール2.2
5kg、トリメチロールプロパン10.22g、数平均
分子量1000のポリテトラメチレングリコール0.7
5kgを反応容器に入れ、190〜225℃で3時間加
熱撹拌してエステル化反応を行った。ついで260℃に
昇温し、重合触媒として三酸化アンチモン1.61gを
添加して重合反応を進行させた。これらの組成をモル分
率で表1に示した。得られたポリエステル樹脂は極限粘
度η=1.12であった。また、この樹脂を80℃で8
時間乾燥したペレットを用いて、200℃でASTM−
D638試験片を射出成形したものを用いたポリエステ
ル樹脂の物性評価結果とポリエステルシートの透明性
(ヘイズ値)を表2に示した。
【0021】[実施例2]テレフタル酸3.58kg、
イソフタル酸0.47kg、アジピン酸0.19kg、
エチレングリコール2.28kg、式3に示したビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物0.43
kg、トリメチロールプロパン34.45g、数平均分
子量1000のポリテトラメチレングリコール0.40
kg、三酸化アンチモン1.56gを用い実施例1と同
様にして重合反応を進行させた。これらの組成をモル分
率で表1に示した。得られたポリエステル樹脂は極限粘
度η=1.01であった。また、実施例1と同様にポリ
エステル樹脂の物性評価結果とポリエステルシートの透
明性(ヘイズ値)を表2に示した。
【0022】[実施例3]テレフタル酸ジメチル3.8
8kg、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル0.
26kg、エチレングリコール2.87kg、1,4−
シクロヘキサンジメタノール0.15kg、トリメチロ
ールプロパン2.82g、数平均分子量2000のポリ
テトラメチレングリコール0.75kg、エステル交換
触媒として酢酸マンガン2.00gを反応容器に入れエ
ステル交換反応を行った。ついでリン酸0.15g、二
酸化ゲルマニウム1.50gを添加し重合反応を進行さ
せた。これらの組成をモル分率で表1に示した。得られ
たポリエステル樹脂は極限粘度η=0.93であった。
また、実施例1と同様にポリエステル樹脂の物性評価結
果とポリエステルシートの透明性(ヘイズ値)を表2に
示した。
【0023】[実施例4]テレフタル酸4.14kg、
エチレングリコール2.22kg、無水トリメリット酸
14.42g、数平均分子量1000のポリテトラメチ
レングリコール0.40kg、平均分子量2000のポ
リテトラメチレングリコール0.40kg、二酸化ゲル
マニウム1.15gを用い実施例1と同様にして重合反
応を進行させた。これらの組成をモル分率で表1に示し
た。得られたポリエステル樹脂は極限粘度η=1.00
であった。また、実施例1と同様にポリエステル樹脂の
物性評価結果とポリエステルシートの透明性(ヘイズ
値)を表2に示した。
【0024】[比較例1]テレフタル酸2.63kg、
イソフタル酸0.44kg、アジピン酸1.16kg、
エチレングリコール2.34kg、トリメチロールプロ
パン3.54g、平均分子量1000のポリテトラメチ
レングリコール0.75kg、三酸化アンチモン1.5
6gを用い実施例1と同様にして重合反応を進行させ
た。これらの組成をモル分率で表1に示した。得られた
ポリエステル樹脂は極限粘度η=1.40であった。ま
た、実施例1と同様にポリエステル樹脂の物性評価結果
とポリエステルシートの透明性(ヘイズ値)を表2に示
した。
【0025】[比較例2]テレフタル酸3.50kg、
イソフタル酸71.43g、エチレングリコール1.7
7kg、式3に示したビスフェノールAのエチレンオキ
サイド2モル付加物0.71kg、トリメチロールプロ
パン86.57g、平均分子量1000のポリテトラメ
チレングリコール0.75kg、三酸化アンチモン1.
38gを用い実施例1と同様にして重合反応を進行させ
た。これらの組成をモル分率で表1に示した。得られた
ポリエステル樹脂はゲル状であり極限粘度は測定不可で
あった。またこの樹脂を実施例1と同様に評価した結果
を表2に示すが、射出成形、40mmφ押出成形はとも
に成形不可であった。
【0026】[比較例3]テレフタル酸4.03kg、
エチレングリコール2.00kg、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール0.35kg、平均分子量2000の
ポリテトラメチレングリコール0.75kg、二酸化ゲ
ルマニウム1.50gを用い実施例1と同様にして重合
反応を進行させた。これらの組成をモル分率で表1に示
した。得られたポリエステル樹脂は極限粘度η=1.0
6であった。この樹脂を実施例1と同様に評価したが、
40mmφ押出成形は流動性が良すぎ2mm厚のシート
が成形不可であった。その他の評価結果を表2に示し
た。
【0027】[比較例4]テレフタル酸0.77kg、
イソフタル酸0.14kg、エチレングリコール0.4
7kg、トリメチロールプロパン0.73g、平均分子
量1000のポリテトラメチレングリコール3.95k
g、三酸化アンチモン0.36gを用い実施例1と同様
にして重合反応を進行させた。これらの組成をモル分率
で表1に示した。得られたポリエステル樹脂は極限粘度
η=1.12であった。また、実施例1と同様にポリエ
ステル樹脂の物性評価結果とポリエステルシートの透明
性(ヘイズ値)を表2に示した。
【0028】[比較例5]テレフタル酸4.80kg、
イソフタル酸0.25kg、エチレングリコール2.7
0kg、無水トリメリット酸5.84g、三酸化アンチ
モン1.61gを用い実施例1と同様にして重合反応を
進行させた。これらの組成をモル分率で表1に示した。
得られたポリエステル樹脂は極限粘度η=1.12であ
った。また、実施例1と同様にポリエステル樹脂の物性
評価結果とポリエステルシートの透明性(ヘイズ値)を
表2に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2に示したように、カルボン酸単量体
(A)として、芳香族カルボン酸および/または芳香族
カルボン酸エステルを80〜100モル%含むカルボン
酸を使用し、グリコール単量体(B)として、数平均分
子量500〜3000のポリアルキレングリコールを
0.05〜15モル%含むグリコールを使用し、さらに
特定の割合で3価以上のカルボン酸化合物である無水ト
リメリット酸および/または3価以上の多価アルコール
であるトリメチロールプロパンを共重合させて得られ
た、極限粘度ηが0.8〜1.2dl/gで、ガラス転
移温度が20〜50℃であるポリエステル樹脂からな
る、2mm厚でのヘイズ値が2以下のポリエステルシー
トは透明性、機械特性、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性を
有していた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリエス
テルシートは、特定のカルボン酸単量体(A)単位と、
数平均分子量500〜3000のポリアルキレングリコ
ールを0.5〜15モル%含む特定のグリコール単量体
(B)単位とからなり、さらに上記カルボン酸単量体
(A)および/または上記グリコール単量体(B)中
に、3価以上の多価カルボン酸化合物および/または3
価以上の多価アルコールが特定の割合で含まれ、極限粘
度ηが0.8〜1.2dl/gで、ガラス転移温度が2
0〜50℃であるポリエステル樹脂からなる、2mm厚
でのヘイズ値が2以下のものなので、透明性、機械特
性、耐溶剤性に優れ、かつ柔軟性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AA81 AA86 AF15 AF25 AF30 AF30Y AH03 BB05 BB06 BC01 4J002 CF031 GL00 4J029 AA03 AB01 AC02 AD01 AD07 AD10 AE03 BA01 BA02 BA03 BA05 BA08 BA09 BD03A BD07A BF03 BF04 BF09 BF18 BF23 BF25 BF28 BG08Y BH02 CA01 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB05B CB06A CB10A CC05A CC06A CC09 CD03 CD07 CF06 CH02 DB02 DB07 DB12 FC02 FC03 FC05 FC07 FC08 FC35 FC36 HB03A HB04A HB05 HB07 JE182 JF032

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を80〜100モル
    %含むカルボン酸単量体(A)単位と、数平均分子量5
    00〜3000のポリアルキレングリコールを0.5〜
    15モル%含むグリコール単量体(B)単位とからな
    り、 上記カルボン酸単量体(A)中にさらに3価以上の多価
    カルボン酸化合物が0.05〜2モル%含まれるか、 または、上記グリコール単量体(B)中にさらに3価以
    上の多価アルコールが0.05〜2モル%含まれるか、 あるいは、上記カルボン酸単量体(A)中に3価以上の
    多価カルボン酸化合物が含まれ、上記グリコール単量体
    (B)中に3価以上の多価アルコールが含まれ、カルボ
    ン酸単量体(A)中の3価以上の多価カルボン酸化合物
    の含有量と上記グリコール単量体(B)中の3価以上の
    多価アルコールの含有量の合計が0.05〜2モル%で
    あり、 極限粘度ηが0.8〜1.2dl/gで、ガラス転移温
    度が20〜50℃であるポリエステル樹脂からなる、2
    mm厚でのヘイズ値が2以下であることを特徴とするポ
    リエステルシート。(ただし、極限粘度ηは25℃のフ
    ェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測定さ
    れた値であり、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(D
    SC)で得られた値である。また、ヘイズ値の測定はJ
    IS K 6714による。)
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