JP2003212978A - ポリエステルシート - Google Patents
ポリエステルシートInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 柔軟性が高く、機械物性に優れ、しかも長期
間にわたって高い透明性を維持するポリエステルシート
を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸単位を含む二塩基酸
単位と、二酸塩基単位とを含有するポリエステル樹脂
(A)、および、芳香族多価カルボン酸と、数平均分子
量600から1300のポリアルキレングリコールとの
エステル化合物(B)とからなる共重合体を含有するポ
リエステルシートであって、前記ポリエステル樹脂
(A)は、芳香族ジカルボン酸単位以外の二塩基酸単
位、エチレングリコール単位以外の二酸塩基単位の少な
くとも一方を含有し、全二塩基酸単位中の芳香族ジカル
ボン酸以外の二塩基酸単位のモル分率と、全二酸塩基単
位中のエチレングリコール以外の二酸塩基単位のモル分
率との和が20モル%以上であり、かつ前記共重合体
は、ガラス転移温度が0〜50℃である。
間にわたって高い透明性を維持するポリエステルシート
を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸単位を含む二塩基酸
単位と、二酸塩基単位とを含有するポリエステル樹脂
(A)、および、芳香族多価カルボン酸と、数平均分子
量600から1300のポリアルキレングリコールとの
エステル化合物(B)とからなる共重合体を含有するポ
リエステルシートであって、前記ポリエステル樹脂
(A)は、芳香族ジカルボン酸単位以外の二塩基酸単
位、エチレングリコール単位以外の二酸塩基単位の少な
くとも一方を含有し、全二塩基酸単位中の芳香族ジカル
ボン酸以外の二塩基酸単位のモル分率と、全二酸塩基単
位中のエチレングリコール以外の二酸塩基単位のモル分
率との和が20モル%以上であり、かつ前記共重合体
は、ガラス転移温度が0〜50℃である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建材、内
装部品等に利用されるポリエステルシートに関する。
装部品等に利用されるポリエステルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂は柔軟剤等の添加
剤の配合により物性を容易にコントロールでき、軟質材
料として広く使用されてきた。ところが、塩化ビニル樹
脂は、添加物である可塑剤や金属系安定剤等に衛生面で
問題がある上に、焼却すると有害ガスを生成するという
問題点があった。そのため、塩化ビニル樹脂を代替する
材料が強く求められている。塩化ビニル樹脂の代替材料
の一つとして、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコール
とのポリエステル樹脂をハードセグメントとし、ポリア
ルキレングリコールをソフトセグメントとするポリエス
テル−ポリエーテル型のブロック共重合体が挙げられ
る。このポリエステル−ポリエーテル型ブロック共重合
体は、耐寒性、耐熱性、耐油性、機械物性など種々の性
質に優れる。しかも成形した際にモノマーが残留せず、
また、環境上問題のある添加剤の使用量を大幅に減らす
ことができるので、衛生性に優れ、環境上の問題も少な
いことから、シート、フィルムなどの産業資材としての
利用が拡大してきている。
剤の配合により物性を容易にコントロールでき、軟質材
料として広く使用されてきた。ところが、塩化ビニル樹
脂は、添加物である可塑剤や金属系安定剤等に衛生面で
問題がある上に、焼却すると有害ガスを生成するという
問題点があった。そのため、塩化ビニル樹脂を代替する
材料が強く求められている。塩化ビニル樹脂の代替材料
の一つとして、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコール
とのポリエステル樹脂をハードセグメントとし、ポリア
ルキレングリコールをソフトセグメントとするポリエス
テル−ポリエーテル型のブロック共重合体が挙げられ
る。このポリエステル−ポリエーテル型ブロック共重合
体は、耐寒性、耐熱性、耐油性、機械物性など種々の性
質に優れる。しかも成形した際にモノマーが残留せず、
また、環境上問題のある添加剤の使用量を大幅に減らす
ことができるので、衛生性に優れ、環境上の問題も少な
いことから、シート、フィルムなどの産業資材としての
利用が拡大してきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、柔軟性
を改質することを目的として、ゴム材料を添加した場
合、ポリエステル−ポリエーテル型ブロック共重合体と
ゴム材料との相溶性が極めて低いため、分散粒子径のコ
ントロールが難しく、機械物性を一定にすることが困難
であった。また、柔軟性を十分に発現させるためには、
極めて多量にゴム材料を添加しなければならなかった。
その結果、成形後に、ゴム成分がブリードアウトするこ
とがあり、成形品の外観を損なっていた。そこで、高分
子量ポリアルキレングリコールを共重合して、柔軟性を
向上させる方法が提案されている。しかしながら、この
場合でも、剛直な短鎖エステル単位を50重量%以上含
有すると、柔軟性を十分に向上させることは困難であっ
た。また、ポリアルキレングリコール単位が高分子量に
なると、その結晶度が高くなり、シート成形した場合に
白化することがあるので、外観を損なうおそれがあっ
た。したがって、透明性と柔軟性とを兼ね備えることが
困難であった。また、特開2000−302888号公
報では、特定のカルボン酸単量体と特定のグリコール単
量体とが含まれるポリエステル樹脂を用いて、柔軟性、
透明性を向上させる提案がなされている。しかしなが
ら、この発明では、ヘイズの安定性が不十分であり、高
い透明性を維持できないことがあった。
を改質することを目的として、ゴム材料を添加した場
合、ポリエステル−ポリエーテル型ブロック共重合体と
ゴム材料との相溶性が極めて低いため、分散粒子径のコ
ントロールが難しく、機械物性を一定にすることが困難
であった。また、柔軟性を十分に発現させるためには、
極めて多量にゴム材料を添加しなければならなかった。
その結果、成形後に、ゴム成分がブリードアウトするこ
とがあり、成形品の外観を損なっていた。そこで、高分
子量ポリアルキレングリコールを共重合して、柔軟性を
向上させる方法が提案されている。しかしながら、この
場合でも、剛直な短鎖エステル単位を50重量%以上含
有すると、柔軟性を十分に向上させることは困難であっ
た。また、ポリアルキレングリコール単位が高分子量に
なると、その結晶度が高くなり、シート成形した場合に
白化することがあるので、外観を損なうおそれがあっ
た。したがって、透明性と柔軟性とを兼ね備えることが
困難であった。また、特開2000−302888号公
報では、特定のカルボン酸単量体と特定のグリコール単
量体とが含まれるポリエステル樹脂を用いて、柔軟性、
透明性を向上させる提案がなされている。しかしなが
ら、この発明では、ヘイズの安定性が不十分であり、高
い透明性を維持できないことがあった。
【0004】本発明は、前記事情を鑑みて行われたもの
であり、柔軟性が高く、機械物性に優れ、しかも長期間
にわたって高い透明性を維持するポリエステルシートを
提供することを目的とする。
であり、柔軟性が高く、機械物性に優れ、しかも長期間
にわたって高い透明性を維持するポリエステルシートを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂に特
定の成分を共重合することで、柔軟性が高く、機械物性
に優れ、しかも長期間にわたって高い透明性を維持する
ことを見出し、検討した結果、以下のポリエステルシー
トを発明した。すなわち、本発明のポリエステルシート
は、芳香族ジカルボン酸単位を含む二塩基酸単位と、二
酸塩基単位とを含有するポリエステル樹脂(A)と、芳
香族多価カルボン酸と、数平均分子量600から130
0のポリアルキレングリコールとのエステル化合物
(B)とからなる共重合体を含有するポリエステルシー
トであって、前記ポリエステル樹脂(A)は、芳香族ジ
カルボン酸単位以外の二塩基酸単位、エチレングリコー
ル単位以外の二酸塩基単位の少なくとも一方を含有し、
全二塩基酸単位中の芳香族ジカルボン酸以外の二塩基酸
単位のモル分率と、全二酸塩基単位中のエチレングリコ
ール以外の二酸塩基単位のモル分率との和が20モル%
以上であり、かつ前記共重合体は、ガラス転移温度が0
〜50℃であることを特徴としている。
な状況に鑑み鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂に特
定の成分を共重合することで、柔軟性が高く、機械物性
に優れ、しかも長期間にわたって高い透明性を維持する
ことを見出し、検討した結果、以下のポリエステルシー
トを発明した。すなわち、本発明のポリエステルシート
は、芳香族ジカルボン酸単位を含む二塩基酸単位と、二
酸塩基単位とを含有するポリエステル樹脂(A)と、芳
香族多価カルボン酸と、数平均分子量600から130
0のポリアルキレングリコールとのエステル化合物
(B)とからなる共重合体を含有するポリエステルシー
トであって、前記ポリエステル樹脂(A)は、芳香族ジ
カルボン酸単位以外の二塩基酸単位、エチレングリコー
ル単位以外の二酸塩基単位の少なくとも一方を含有し、
全二塩基酸単位中の芳香族ジカルボン酸以外の二塩基酸
単位のモル分率と、全二酸塩基単位中のエチレングリコ
ール以外の二酸塩基単位のモル分率との和が20モル%
以上であり、かつ前記共重合体は、ガラス転移温度が0
〜50℃であることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルシートは、
ポリエステル樹脂(A)とエステル化合物(B)とから
なる共重合体を含有するものである。ポリエステル樹脂
(A)は、少なくとも芳香族ジカルボン酸を含む二塩基
酸単位と、二酸塩基単位とを含有するものである。二塩
基酸単位に含まれる芳香族ジカルボン酸としては、入手
が容易で、かつ最終的に得られるポリエステルシートの
物性に優れることから、テレフタル酸が好ましい。ま
た、二塩基酸単位には芳香族ジカルボン酸以外の二塩基
酸単位が含まれていてもよい。芳香族ジカルボン酸以外
の二塩基酸単位としてはイソフタル酸、脂肪族ジカルボ
ン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、
例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、ダイマー酸、1,3もしくは1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、
4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等が挙げられ
る。さらに、これらのエステル形成誘導体であってもよ
い。また、これらは単独で使用してもよいし、複数を混
合して使用してもよい。これらの二塩基酸の中でも、得
られるポリエステルシートの実用性能および工業生産的
な観点からイソフタル酸が好ましい。
ポリエステル樹脂(A)とエステル化合物(B)とから
なる共重合体を含有するものである。ポリエステル樹脂
(A)は、少なくとも芳香族ジカルボン酸を含む二塩基
酸単位と、二酸塩基単位とを含有するものである。二塩
基酸単位に含まれる芳香族ジカルボン酸としては、入手
が容易で、かつ最終的に得られるポリエステルシートの
物性に優れることから、テレフタル酸が好ましい。ま
た、二塩基酸単位には芳香族ジカルボン酸以外の二塩基
酸単位が含まれていてもよい。芳香族ジカルボン酸以外
の二塩基酸単位としてはイソフタル酸、脂肪族ジカルボ
ン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、
例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、ダイマー酸、1,3もしくは1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、
4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等が挙げられ
る。さらに、これらのエステル形成誘導体であってもよ
い。また、これらは単独で使用してもよいし、複数を混
合して使用してもよい。これらの二塩基酸の中でも、得
られるポリエステルシートの実用性能および工業生産的
な観点からイソフタル酸が好ましい。
【0007】二酸塩基単位はグリコール単位である。グ
リコール単位としては、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマー
ジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,1−ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)シクロヘ
キサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、下記一般式(1)、一般式(2)および一般式
(3)で表されるエチレンオキサイド付加物等が挙げら
れる。また、これらは単独で使用してもよいし、複数を
混合して使用してもよい。これらの中でも、得られるポ
リエステルシートの機械物性および工業生産的な観点か
ら、少なくともシクロヘキサンジメタノールを使用する
ことが好ましい。ポリエステル樹脂(A)には、このよ
うな二酸塩基単位が含まれているので、得られるポリエ
ステルシートの色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性等に優
れている。
リコール単位としては、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマー
ジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,1−ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)シクロヘ
キサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、下記一般式(1)、一般式(2)および一般式
(3)で表されるエチレンオキサイド付加物等が挙げら
れる。また、これらは単独で使用してもよいし、複数を
混合して使用してもよい。これらの中でも、得られるポ
リエステルシートの機械物性および工業生産的な観点か
ら、少なくともシクロヘキサンジメタノールを使用する
ことが好ましい。ポリエステル樹脂(A)には、このよ
うな二酸塩基単位が含まれているので、得られるポリエ
ステルシートの色調、透明性、耐熱性、耐衝撃性等に優
れている。
【0008】
【化1】
(式中、XはCH2、C(CH3)2、C(CF3)
2、O、S、およびSO2を示し、nおよびmは、1≦
n+m≦4を満足する。)
2、O、S、およびSO2を示し、nおよびmは、1≦
n+m≦4を満足する。)
【0009】
【化2】
(式中、XはCH2、C(CH3)2、C(CF3)
2、O、S、およびSO2を示し、RはC1〜C5のアル
キル基を示し、nおよびmは、1≦n+m≦4を満足す
る。)
2、O、S、およびSO2を示し、RはC1〜C5のアル
キル基を示し、nおよびmは、1≦n+m≦4を満足す
る。)
【0010】これらの中でも、次の一般式(3)に示さ
れる構造を有するビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物が好ましい
れる構造を有するビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物が好ましい
【0011】
【化3】
(式中、nおよびmは、1≦n+m≦4を満足する。)
【0012】なお、上記一般式(1)〜(3)に示され
るアルコール化合物において、m+nが4より大きくな
ると、ポリエステルシートの耐熱性が低下する傾向があ
る。
るアルコール化合物において、m+nが4より大きくな
ると、ポリエステルシートの耐熱性が低下する傾向があ
る。
【0013】ポリエステル樹脂(A)においては、芳香
族ジカルボン酸単位以外の二塩基酸単位、エチレングリ
コール単位以外の二酸塩基単位の少なくとも一方を含有
する。そして、全二塩基酸単位中の芳香族ジカルボン酸
以外の二塩基酸単位のモル分率と、全二酸塩基単位中の
エチレングリコール以外の二酸塩基単位のモル分率との
和は20モル%以上である。全二塩基酸単位中の芳香族
ジカルボン酸以外の二塩基酸単位のモル分率と、全二酸
塩基単位中のエチレングリコール以外の二酸塩基単位の
モル分率の和が20モル%未満であると、ポリアルキレ
ングリコールの結晶度が高くなるので、ポリエステルシ
ートの透明性が高くならない。さらに、全二塩基酸単位
中の芳香族ジカルボン酸以外の二塩基酸単位のモル分率
と、全二酸塩基単位中のエチレングリコール以外の二酸
塩基単位のモル分率との和は、耐熱性の観点から50モ
ル%以下であることが好ましい。
族ジカルボン酸単位以外の二塩基酸単位、エチレングリ
コール単位以外の二酸塩基単位の少なくとも一方を含有
する。そして、全二塩基酸単位中の芳香族ジカルボン酸
以外の二塩基酸単位のモル分率と、全二酸塩基単位中の
エチレングリコール以外の二酸塩基単位のモル分率との
和は20モル%以上である。全二塩基酸単位中の芳香族
ジカルボン酸以外の二塩基酸単位のモル分率と、全二酸
塩基単位中のエチレングリコール以外の二酸塩基単位の
モル分率の和が20モル%未満であると、ポリアルキレ
ングリコールの結晶度が高くなるので、ポリエステルシ
ートの透明性が高くならない。さらに、全二塩基酸単位
中の芳香族ジカルボン酸以外の二塩基酸単位のモル分率
と、全二酸塩基単位中のエチレングリコール以外の二酸
塩基単位のモル分率との和は、耐熱性の観点から50モ
ル%以下であることが好ましい。
【0014】このようなポリエステル樹脂(A)を得る
方法としては特に制限されず、公知の直接重合法やエス
テル交換法等により製造することができる。例えば、直
接重合法では、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウ
ム、四塩化ゲルマニウム、チタンテトラブトキシド、ジ
ブチルスズオキシドなどを触媒として脱水縮合すること
によりポリエステル樹脂を得ることができる。ポリエス
テル樹脂(A)を製造する際、必要に応じて、安定剤を
添加してもよい。安定剤としては、トリエチルホスフェ
イトなど公知のものを使用できる。
方法としては特に制限されず、公知の直接重合法やエス
テル交換法等により製造することができる。例えば、直
接重合法では、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウ
ム、四塩化ゲルマニウム、チタンテトラブトキシド、ジ
ブチルスズオキシドなどを触媒として脱水縮合すること
によりポリエステル樹脂を得ることができる。ポリエス
テル樹脂(A)を製造する際、必要に応じて、安定剤を
添加してもよい。安定剤としては、トリエチルホスフェ
イトなど公知のものを使用できる。
【0015】ポリエステル樹脂(A)としては、25℃
のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測
定される極限粘度(η)が0.7〜1.2dl/gであ
ることが好ましい。極限粘度が0.7dl/gより小さ
いと、粘度が低くなりすぎて、シート成形時のロスが大
きくなる傾向がある。また、1.2dl/gを超える
と、ポリエステルシートを製造する押出成形において、
成形に使用される押出機モータの負荷が大きくなり、十
分な吐出量が得られず、生産性が低下するだけでなく、
ポリエステルシートの外観を損なう可能性がある。
のフェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で測
定される極限粘度(η)が0.7〜1.2dl/gであ
ることが好ましい。極限粘度が0.7dl/gより小さ
いと、粘度が低くなりすぎて、シート成形時のロスが大
きくなる傾向がある。また、1.2dl/gを超える
と、ポリエステルシートを製造する押出成形において、
成形に使用される押出機モータの負荷が大きくなり、十
分な吐出量が得られず、生産性が低下するだけでなく、
ポリエステルシートの外観を損なう可能性がある。
【0016】ポリエステル樹脂(A)と共重合するエス
テル化合物(B)は、芳香族多価カルボン酸と、ポリア
ルキレングリコールとを反応させたものである。ここ
で、芳香族多価カルボン酸とは、エステル結合可能な3
個以上のカルボン酸を有する芳香族化合物のことであ
り、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこ
れらの無水物等が挙げられる。これらの中でも、最終的
に得られるポリエステルシートの機械物性および工業生
産的な見地から、トリメリット酸が好ましい。
テル化合物(B)は、芳香族多価カルボン酸と、ポリア
ルキレングリコールとを反応させたものである。ここ
で、芳香族多価カルボン酸とは、エステル結合可能な3
個以上のカルボン酸を有する芳香族化合物のことであ
り、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこ
れらの無水物等が挙げられる。これらの中でも、最終的
に得られるポリエステルシートの機械物性および工業生
産的な見地から、トリメリット酸が好ましい。
【0017】ポリアルキレングリコールとしては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコー
ルブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール、
ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられ、単独ある
いは混合物として用いることができる。これらの中で
も、性能、コストの点から、ポリテトラメチレングリコ
ールが好ましい。また、ポリアルキレングリコールは、
その数平均分子量が600〜1300である。数平均分
子量が600未満の場合には、最終的に得られるポリエ
ステルシートの柔軟性を向上させるのが難しくなる。一
方、1300を超える場合には、芳香族多価カルボン酸
との反応性が悪くなる結果、ポリエステル樹脂(A)と
の相溶性が悪くなる。そのため、重合反応が停滞した
り、ポリエステルシートの機械物性が低下したりする。
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコー
ルブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール、
ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられ、単独ある
いは混合物として用いることができる。これらの中で
も、性能、コストの点から、ポリテトラメチレングリコ
ールが好ましい。また、ポリアルキレングリコールは、
その数平均分子量が600〜1300である。数平均分
子量が600未満の場合には、最終的に得られるポリエ
ステルシートの柔軟性を向上させるのが難しくなる。一
方、1300を超える場合には、芳香族多価カルボン酸
との反応性が悪くなる結果、ポリエステル樹脂(A)と
の相溶性が悪くなる。そのため、重合反応が停滞した
り、ポリエステルシートの機械物性が低下したりする。
【0018】エステル化合物(B)において、ポリアル
キレングリコールのモル数(M1 )、芳香族多価カルボ
ン酸のモル数(M2 )とのモル比(M1/M2)は1〜3
であることが好ましい。芳香族多価カルボン酸がトリメ
リット酸の場合には、そのカルボン酸基を全て置換する
ことが良く、モル比は3であることが好ましい。
キレングリコールのモル数(M1 )、芳香族多価カルボ
ン酸のモル数(M2 )とのモル比(M1/M2)は1〜3
であることが好ましい。芳香族多価カルボン酸がトリメ
リット酸の場合には、そのカルボン酸基を全て置換する
ことが良く、モル比は3であることが好ましい。
【0019】エステル化合物(B)を合成する方法には
特に制限はなく、公知の直接エステル化法により製造す
ることができる。
特に制限はなく、公知の直接エステル化法により製造す
ることができる。
【0020】上述したエステル化合物(B)において
は、芳香族多価カルボン酸とエステル結合したポリアル
キレングリコールの末端水酸基が、ポリエステル樹脂
(A)に含まれるカルボン酸とエステル結合可能な反応
基となる。さらに、エステル化合物(B)は、芳香族多
価カルボン酸とポリアルキレングリコールとの反応物で
あるから、一つのエステル化合物(B)が複数の水酸基
を有するものである。つまり、エステル化合物(B)
は、架橋剤としての役割を果たすことができる。
は、芳香族多価カルボン酸とエステル結合したポリアル
キレングリコールの末端水酸基が、ポリエステル樹脂
(A)に含まれるカルボン酸とエステル結合可能な反応
基となる。さらに、エステル化合物(B)は、芳香族多
価カルボン酸とポリアルキレングリコールとの反応物で
あるから、一つのエステル化合物(B)が複数の水酸基
を有するものである。つまり、エステル化合物(B)
は、架橋剤としての役割を果たすことができる。
【0021】上述したポリエステル樹脂(A)とエステ
ル化合物(B)とを混合、溶融することにより共重合体
を得ることができる。共重合体を製造する際の、ポリエ
ステル樹脂(A)とエステル化合物(B)との混合割合
は、最終的に得られるポリエステルシートが必要とする
シート物性に応じて調整することが可能であるが、ポリ
エステルシートを一般的な用途に使用する場合には、要
求される機械物性を考慮すると、エステル化合物(B)
が15〜50質量%(すなわち、ポリエステル樹脂
(A)が50〜85質量%)であることが好ましい。エ
ステル化合物(B)が15質量%未満であると、ポリエ
ステル樹脂の(A)の架橋が進行せず、実用上必要とさ
れる柔軟性の発現が難しくなることがある。一方、50
質量%を超える場合には、未反応のエステル化合物
(B)が残留してしまい、それが長時間たった後に、反
応することがあるので、経時変化に対する安定性が低下
することがある。
ル化合物(B)とを混合、溶融することにより共重合体
を得ることができる。共重合体を製造する際の、ポリエ
ステル樹脂(A)とエステル化合物(B)との混合割合
は、最終的に得られるポリエステルシートが必要とする
シート物性に応じて調整することが可能であるが、ポリ
エステルシートを一般的な用途に使用する場合には、要
求される機械物性を考慮すると、エステル化合物(B)
が15〜50質量%(すなわち、ポリエステル樹脂
(A)が50〜85質量%)であることが好ましい。エ
ステル化合物(B)が15質量%未満であると、ポリエ
ステル樹脂の(A)の架橋が進行せず、実用上必要とさ
れる柔軟性の発現が難しくなることがある。一方、50
質量%を超える場合には、未反応のエステル化合物
(B)が残留してしまい、それが長時間たった後に、反
応することがあるので、経時変化に対する安定性が低下
することがある。
【0022】この共重合体は、ガラス転移温度Tgが0
〜50℃である。ガラス転移温度Tgが50℃より高い
と柔軟性が不足し、0℃より低いと室温でシート形状を
保つことが困難となる。
〜50℃である。ガラス転移温度Tgが50℃より高い
と柔軟性が不足し、0℃より低いと室温でシート形状を
保つことが困難となる。
【0023】ポリエステルシートは、上記共重合体をシ
ート状に成形したものである。共重合体をシート成形す
る方法としては特に制限されないが、通常は押出成形
法、カレンダー成形法が適用される。押出成形法を採用
した場合には、例えば、共重合体をギヤポンプ、Tダ
イ、チルロール、巻き取り装置を備えた押出機に投入
し、一般的な条件にて製膜することで製造できる。また
は、押出機に、ポリエステル樹脂(A)およびエステル
化合物(B)を投入することで、押出機内で共重合体を
形成させると同時に、ポリエステルシートを製造するこ
ともできる。得られたポリエステルシートは、200μ
m厚でのヘイズ値が3以下であることが好ましい。ヘイ
ズが3を超えると、ポリエステルシートから成形された
成形品が白濁し外観を損ねることがあるので、利用範囲
を狭くするおそれがある。
ート状に成形したものである。共重合体をシート成形す
る方法としては特に制限されないが、通常は押出成形
法、カレンダー成形法が適用される。押出成形法を採用
した場合には、例えば、共重合体をギヤポンプ、Tダ
イ、チルロール、巻き取り装置を備えた押出機に投入
し、一般的な条件にて製膜することで製造できる。また
は、押出機に、ポリエステル樹脂(A)およびエステル
化合物(B)を投入することで、押出機内で共重合体を
形成させると同時に、ポリエステルシートを製造するこ
ともできる。得られたポリエステルシートは、200μ
m厚でのヘイズ値が3以下であることが好ましい。ヘイ
ズが3を超えると、ポリエステルシートから成形された
成形品が白濁し外観を損ねることがあるので、利用範囲
を狭くするおそれがある。
【0024】ポリエステルシートを製造する際には、必
要に応じて、添加剤を添加できる。添加剤としては、例
えば、ポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポ
リメチルメタクリレート等の樹脂、シリカ、タルク、カ
オリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カ
ーボンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、帯電
防止剤、難燃剤等が挙げられる。
要に応じて、添加剤を添加できる。添加剤としては、例
えば、ポリエーテル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポ
リメチルメタクリレート等の樹脂、シリカ、タルク、カ
オリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カ
ーボンブラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、帯電
防止剤、難燃剤等が挙げられる。
【0025】また、得られたポリエステルシートには、
さらに特定の性能を付与するために従来公知の各種加工
処理を施すことができる。加工処理の例としては、紫外
線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ
処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビニ
リデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレ
フィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属の蒸
着等が挙げられる。
さらに特定の性能を付与するために従来公知の各種加工
処理を施すことができる。加工処理の例としては、紫外
線、α線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ
処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビニ
リデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレ
フィン等の樹脂の塗布、ラミネート、あるいは金属の蒸
着等が挙げられる。
【0026】本発明のポリエステルシートは上述した共
重合体を含有するものであり、共重合体は、非晶性のポ
リエステル樹脂(A)が、ポリエーテルを側鎖に有する
多官能性成分であるエステル化合物(B)によって架橋
され、かつガラス転移温度が0〜50℃であるものであ
る。すなわち、ポリエーテルが架橋成分となって、3次
元構造が形成されているとともに、ガラス転移温度が適
正であるので、弾性が向上して柔軟性が向上するととも
に、機械物性が向上する。さらに、架橋成分によってマ
トリックス構造であるポリエステル樹脂(A)が拘束さ
れているため、ポリエステル−ポリエーテル型ブロック
共重合体で発生しやすかった経時的な構造変化による物
性変化を抑制できる。このようなポリエステルシート
は、例えば、軟質透明シート、表面保護材、建材、内装
部品等に好適に利用できる。
重合体を含有するものであり、共重合体は、非晶性のポ
リエステル樹脂(A)が、ポリエーテルを側鎖に有する
多官能性成分であるエステル化合物(B)によって架橋
され、かつガラス転移温度が0〜50℃であるものであ
る。すなわち、ポリエーテルが架橋成分となって、3次
元構造が形成されているとともに、ガラス転移温度が適
正であるので、弾性が向上して柔軟性が向上するととも
に、機械物性が向上する。さらに、架橋成分によってマ
トリックス構造であるポリエステル樹脂(A)が拘束さ
れているため、ポリエステル−ポリエーテル型ブロック
共重合体で発生しやすかった経時的な構造変化による物
性変化を抑制できる。このようなポリエステルシート
は、例えば、軟質透明シート、表面保護材、建材、内装
部品等に好適に利用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
より具体的に説明する。実施例および比較例において、
以下の測定を行って評価した。 (極限粘度(IV))ポリエステル樹脂(A)の極限粘
度(IV)は、25℃のフェノール/テトラクロロエタ
ン等量混合溶媒中で測定した。 (ガラス転移温度)共重合体のガラス転移温度Tgは、
DSCにより求めた。
より具体的に説明する。実施例および比較例において、
以下の測定を行って評価した。 (極限粘度(IV))ポリエステル樹脂(A)の極限粘
度(IV)は、25℃のフェノール/テトラクロロエタ
ン等量混合溶媒中で測定した。 (ガラス転移温度)共重合体のガラス転移温度Tgは、
DSCにより求めた。
【0028】(柔軟性)ポリエステルシートの柔軟性
は、ASTM−K7215に準じてショアA表面硬度を
測定した。なお、ショアA硬度は単位を有さない値であ
る。 (透明性)ポリエステルシートの透明性は、40mmφ
単軸押出機を使用して得た厚さ200μmのシートを日
本電色ヘイズメーターにより測定した。なお、測定法は
JIS−K−6714に準じた。また、そのシートを6
0℃雰囲気下に30日放置した後、23℃にて24時間
状態調整したものを経時変化後のサンプルとした。
は、ASTM−K7215に準じてショアA表面硬度を
測定した。なお、ショアA硬度は単位を有さない値であ
る。 (透明性)ポリエステルシートの透明性は、40mmφ
単軸押出機を使用して得た厚さ200μmのシートを日
本電色ヘイズメーターにより測定した。なお、測定法は
JIS−K−6714に準じた。また、そのシートを6
0℃雰囲気下に30日放置した後、23℃にて24時間
状態調整したものを経時変化後のサンプルとした。
【0029】[実施例1]テレフタル酸17.2kg、
エチレングリコール4.96kg、シクロヘキサンジメ
タノール5.75kgを反応容器に仕込んだ。そして、
加圧下で220℃まで徐々に昇温し、副生した水を系外
に留出させながら、エステル化反応させた。このエステ
ル化反応は、反応容器内の反応混合物が一様に透明にな
った時点で終了した。次いで、安定剤であるトリエチル
ホスフェイト、触媒である三酸化アンチモン450pp
mを反応容器内に投入した。次いで、反応容器内を0.
01mmHgに減圧しながら285℃にて縮合反応して
縮合物を得た。縮合反応は、攪拌トルクが、IV0.8
に対応する値を示した時点まで行った。次いで、縮合物
を窒素加圧下にて水中に吐出し、ペレタイザでカットし
てポリエステル樹脂(A)のペレットを得た。これとは
別に、トリメリット酸21.6kgと、数平均分子量1
000のポリテトラメチレングリコール300kgとを
反応容器に仕込んだ。そして、攪拌するとともに留出す
る水を系外に流出させながら、加圧下で220℃まで徐
々に昇温してエステル化反応させてエステル化合物
(B)を得た。なお、このエステル化反応は、反応容器
内の反応混合物が一様に透明となった時点で終了した。
次いで、ポリエステル樹脂(A)80kgとエステル化
合物(B)20kgとを混合して4時間真空乾燥した
後、通常のシーティングに使用される製膜機にて厚さ2
00μmのシートを作製した。このシート物性を表1に
示す。
エチレングリコール4.96kg、シクロヘキサンジメ
タノール5.75kgを反応容器に仕込んだ。そして、
加圧下で220℃まで徐々に昇温し、副生した水を系外
に留出させながら、エステル化反応させた。このエステ
ル化反応は、反応容器内の反応混合物が一様に透明にな
った時点で終了した。次いで、安定剤であるトリエチル
ホスフェイト、触媒である三酸化アンチモン450pp
mを反応容器内に投入した。次いで、反応容器内を0.
01mmHgに減圧しながら285℃にて縮合反応して
縮合物を得た。縮合反応は、攪拌トルクが、IV0.8
に対応する値を示した時点まで行った。次いで、縮合物
を窒素加圧下にて水中に吐出し、ペレタイザでカットし
てポリエステル樹脂(A)のペレットを得た。これとは
別に、トリメリット酸21.6kgと、数平均分子量1
000のポリテトラメチレングリコール300kgとを
反応容器に仕込んだ。そして、攪拌するとともに留出す
る水を系外に流出させながら、加圧下で220℃まで徐
々に昇温してエステル化反応させてエステル化合物
(B)を得た。なお、このエステル化反応は、反応容器
内の反応混合物が一様に透明となった時点で終了した。
次いで、ポリエステル樹脂(A)80kgとエステル化
合物(B)20kgとを混合して4時間真空乾燥した
後、通常のシーティングに使用される製膜機にて厚さ2
00μmのシートを作製した。このシート物性を表1に
示す。
【0030】[実施例2〜5、比較例1〜6]実施例1
と同様の方法により、表1に示す組成のポリエステル樹
脂(A)およびエステル化合物(B)からなるポリエス
テルシートを作製した。これらのシート物性を表1(実
施例)、表2(比較例)に示す。
と同様の方法により、表1に示す組成のポリエステル樹
脂(A)およびエステル化合物(B)からなるポリエス
テルシートを作製した。これらのシート物性を表1(実
施例)、表2(比較例)に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例1〜5は、本願請求項1の条件を全
て満たしていたので、ショア硬度およびヘイズ共に低
く、柔軟性および透明性が共に高かった。しかも、30
日経過してもヘイズの増加はわずかであり、長期間にわ
たって高い透明性を維持していた。一方、比較例1およ
び比較例2では、テレフタル酸以外の二塩基酸単位であ
るイソフタル酸のモル分率と、エチレングリコール単位
以外の二酸塩基単位であるシクロヘキサンジメタノール
のモル分率との和が20モル%未満であったので、ヘイ
ズの値が高く、ポリエステルシートの透明性が低かっ
た。また、比較例3および比較例5では、ガラス転移温
度が50℃を超えていたので、ショア硬度の値が高く、
ポリエステルシートの柔軟性が低かった。また、比較例
4では、ポリアルキレングリコールであるポリテトラメ
チレングリコールの数平均分子量が1300を超えてい
たので、ショア硬度、ヘイズの値が共に高く、ポリエス
テルシートの柔軟性、透明性共に低かった。また、比較
例6では、芳香族多価カルボン酸であるトリメリット酸
を含有しなかったので、30日後のショア硬度、ヘイズ
の値が共に増大した。すなわち、長時間経過した後の柔
軟性、透明性は共に低下した。
て満たしていたので、ショア硬度およびヘイズ共に低
く、柔軟性および透明性が共に高かった。しかも、30
日経過してもヘイズの増加はわずかであり、長期間にわ
たって高い透明性を維持していた。一方、比較例1およ
び比較例2では、テレフタル酸以外の二塩基酸単位であ
るイソフタル酸のモル分率と、エチレングリコール単位
以外の二酸塩基単位であるシクロヘキサンジメタノール
のモル分率との和が20モル%未満であったので、ヘイ
ズの値が高く、ポリエステルシートの透明性が低かっ
た。また、比較例3および比較例5では、ガラス転移温
度が50℃を超えていたので、ショア硬度の値が高く、
ポリエステルシートの柔軟性が低かった。また、比較例
4では、ポリアルキレングリコールであるポリテトラメ
チレングリコールの数平均分子量が1300を超えてい
たので、ショア硬度、ヘイズの値が共に高く、ポリエス
テルシートの柔軟性、透明性共に低かった。また、比較
例6では、芳香族多価カルボン酸であるトリメリット酸
を含有しなかったので、30日後のショア硬度、ヘイズ
の値が共に増大した。すなわち、長時間経過した後の柔
軟性、透明性は共に低下した。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリエステルシ
ートは、非晶性のポリエステル樹脂(A)が、ポリエー
テルを側鎖に有する多官能性成分であるエステル化合物
(B)によって架橋され、かつガラス転移温度が0〜5
0℃である共重合体を含有するものである。このよう
に、3次元構造となることにより、弾性が向上して柔軟
性が向上するとともに、機械物性が向上する。さらに、
架橋成分によってポリエステル樹脂(A)が拘束されて
いるため、経時的な構造変化による物性変化を抑制でき
る。したがって、柔軟性が高く、機械物性に優れ、しか
も長期間にわたって高い透明性を維持するポリエステル
シートを提供できる。
ートは、非晶性のポリエステル樹脂(A)が、ポリエー
テルを側鎖に有する多官能性成分であるエステル化合物
(B)によって架橋され、かつガラス転移温度が0〜5
0℃である共重合体を含有するものである。このよう
に、3次元構造となることにより、弾性が向上して柔軟
性が向上するとともに、機械物性が向上する。さらに、
架橋成分によってポリエステル樹脂(A)が拘束されて
いるため、経時的な構造変化による物性変化を抑制でき
る。したがって、柔軟性が高く、機械物性に優れ、しか
も長期間にわたって高い透明性を維持するポリエステル
シートを提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4F071 AA44 AA45 AA47 AA86 AH03
BC01
4J029 AA03 AD07 BA02 BA03 BA05
BA08 BA10 BD07A BD08
BF09 BF18 BF19 BF26 CA01
CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A
CB06A CD03 CD07 FC36
JE182
Claims (5)
- 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸単位を含む二塩基酸
単位と、二酸塩基単位とを含有するポリエステル樹脂
(A)と、 芳香族多価カルボン酸と、数平均分子量600から13
00のポリアルキレングリコールとのエステル化合物
(B)とからなる共重合体を含有するポリエステルシー
トであって、 前記ポリエステル樹脂(A)は、芳香族ジカルボン酸単
位以外の二塩基酸単位、エチレングリコール単位以外の
二酸塩基単位の少なくとも一方を含有し、全二塩基酸単
位中の芳香族ジカルボン酸以外の二塩基酸単位のモル分
率と、全二酸塩基単位中のエチレングリコール以外の二
酸塩基単位のモル分率との和が20モル%以上であり、 かつ前記共重合体は、ガラス転移温度が0〜50℃であ
ることを特徴とするポリエステルシート。 - 【請求項2】 前記芳香族ジカルボン酸単位は、テレフ
タル酸単位であることを特徴とする請求項1に記載のポ
リエステルシート。 - 【請求項3】 前記エチレングリコール単位以外の二酸
塩基単位は、シクロヘキサンジメタノール単位であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル
シート。 - 【請求項4】 前記芳香族多価カルボン酸は、トリメリ
ット酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載のポリエステルシート。 - 【請求項5】 前記ポリアルキレングリコールは、ポリ
テトラメチレングリコールであることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載のポリエステルシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016037A JP2003212978A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | ポリエステルシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016037A JP2003212978A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | ポリエステルシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003212978A true JP2003212978A (ja) | 2003-07-30 |
Family
ID=27652226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002016037A Withdrawn JP2003212978A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | ポリエステルシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003212978A (ja) |
-
2002
- 2002-01-24 JP JP2002016037A patent/JP2003212978A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050405 |