JP2000072945A - 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents
酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよびその製造方法Info
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- JP2000072945A JP2000072945A JP25467398A JP25467398A JP2000072945A JP 2000072945 A JP2000072945 A JP 2000072945A JP 25467398 A JP25467398 A JP 25467398A JP 25467398 A JP25467398 A JP 25467398A JP 2000072945 A JP2000072945 A JP 2000072945A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 重合安定性が良好で、可塑剤を添加しなくて
も、実用上問題のないレベルの最低皮膜形成温度の酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンを提供する。 【解決手段】 重量比で表した共重合比が100:1〜
100:40である酢酸ビニルとジアセトンアクリルア
ミドとの共重合体微粒子が、ポリビニルアルコール系重
合体を含む水中に分散していることを特徴とする酢酸ビ
ニル系樹脂エマルジョン、およびその製造方法。
も、実用上問題のないレベルの最低皮膜形成温度の酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンを提供する。 【解決手段】 重量比で表した共重合比が100:1〜
100:40である酢酸ビニルとジアセトンアクリルア
ミドとの共重合体微粒子が、ポリビニルアルコール系重
合体を含む水中に分散していることを特徴とする酢酸ビ
ニル系樹脂エマルジョン、およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酢酸ビニル系樹脂
エマルジョンおよびその製造方法に関するものであり、
さらには、可塑剤を使用しない酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョンおよびその製造方法に関するものである。
エマルジョンおよびその製造方法に関するものであり、
さらには、可塑剤を使用しない酢酸ビニル系樹脂エマル
ジョンおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、分散
剤として使用するポリビニルアルコール(以下PVAと
略記する)や処方を選択することにより、広い範囲での
粘度コントロールが可能であること、また流動特性およ
び機械的安定性、化学的安定性等の各種安定性に優れて
いること、接着性などの物性および皮膜の光沢性などに
優れていることから、接着剤、塗料をはじめとして幅広
い用途に使用されている。
剤として使用するポリビニルアルコール(以下PVAと
略記する)や処方を選択することにより、広い範囲での
粘度コントロールが可能であること、また流動特性およ
び機械的安定性、化学的安定性等の各種安定性に優れて
いること、接着性などの物性および皮膜の光沢性などに
優れていることから、接着剤、塗料をはじめとして幅広
い用途に使用されている。
【0003】しかしながら、酢酸ビニル系樹脂エマルジ
ョンそのものは、最低皮膜形成温度(以下、MFTと略
記する)が高く、冬場など気温が低い場合、皮膜形成が
起こらず、接着性などの優れた物性が発現しない。その
ため、通常は酢酸ビニル系樹脂エマルジョンにジブチル
フタレート等の可塑剤を添加し、MFTを下げた形で使
用されている。
ョンそのものは、最低皮膜形成温度(以下、MFTと略
記する)が高く、冬場など気温が低い場合、皮膜形成が
起こらず、接着性などの優れた物性が発現しない。その
ため、通常は酢酸ビニル系樹脂エマルジョンにジブチル
フタレート等の可塑剤を添加し、MFTを下げた形で使
用されている。
【0004】このような可塑剤は、酢酸ビニル系樹脂エ
マルジョンのMFTを引き下げる効果(可塑化効果)は
高いが、一方で、近年その毒性が問題になっており、特
にフタル酸系の可塑剤は環境ホルモンの一種であり、人
体および環境への影響から、用途が制限されるという問
題がある。
マルジョンのMFTを引き下げる効果(可塑化効果)は
高いが、一方で、近年その毒性が問題になっており、特
にフタル酸系の可塑剤は環境ホルモンの一種であり、人
体および環境への影響から、用途が制限されるという問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の可塑剤の毒性の
問題から、酢酸ビニルにアクリル酸n−ブチルやアクリ
ル酸−2−エチルヘキシルなどの嵩高い側鎖を有するア
クリル系単量体を共重合することにより、エマルジョン
の主成分となるポリマーの内部可塑化によりMFTを下
げる検討がなされている。
問題から、酢酸ビニルにアクリル酸n−ブチルやアクリ
ル酸−2−エチルヘキシルなどの嵩高い側鎖を有するア
クリル系単量体を共重合することにより、エマルジョン
の主成分となるポリマーの内部可塑化によりMFTを下
げる検討がなされている。
【0006】しかしながら、アクリル系単量体を共重合
する際にPVA系樹脂を保護コロイドに使用すると、重
合不良が起こり、凝集物が生成し、満足なエマルジョン
が得られない。また、PVA系樹脂に変えて界面活性剤
を使用すると、重合は安定に進行するが、非常に粘度の
低いエマルジョンしか得られず、機械的および化学的安
定性に劣るという問題があった。
する際にPVA系樹脂を保護コロイドに使用すると、重
合不良が起こり、凝集物が生成し、満足なエマルジョン
が得られない。また、PVA系樹脂に変えて界面活性剤
を使用すると、重合は安定に進行するが、非常に粘度の
低いエマルジョンしか得られず、機械的および化学的安
定性に劣るという問題があった。
【0007】これらの問題点を解決する手段として、特
開平7−278212号公報、特開平8−301908
号公報にメルカプト基を有するPVAを保護コロイドに
用いるアクリル系単量体の重合方法が開示されている
が、メルカプト基を有するPVAを製造する際に使用す
る化合物の存在下では、高分子量のポリマーが製造しに
くく、そのため、これらの方法を酢酸ビニル/アクリル
系のエマルジョン重合に応用して得られるエマルジョン
は粘度が低く、また、エマルジョンは各種安定性に劣る
という問題があり、幅広い酢酸ビニル系樹脂エマルジョ
ンの用途に対して満足する性能を示すものではなかっ
た。
開平7−278212号公報、特開平8−301908
号公報にメルカプト基を有するPVAを保護コロイドに
用いるアクリル系単量体の重合方法が開示されている
が、メルカプト基を有するPVAを製造する際に使用す
る化合物の存在下では、高分子量のポリマーが製造しに
くく、そのため、これらの方法を酢酸ビニル/アクリル
系のエマルジョン重合に応用して得られるエマルジョン
は粘度が低く、また、エマルジョンは各種安定性に劣る
という問題があり、幅広い酢酸ビニル系樹脂エマルジョ
ンの用途に対して満足する性能を示すものではなかっ
た。
【0008】本発明は、かかる現状に鑑み、各種安定性
に優れ、かつ、MFTが低く、可塑剤を添加しなくても
皮膜形成が可能である酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、
および重合反応が安定に進行する酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョンの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
に優れ、かつ、MFTが低く、可塑剤を添加しなくても
皮膜形成が可能である酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、
および重合反応が安定に進行する酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョンの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するものであって、重量比で表した共重合比が10
0:1〜100:40である酢酸ビニルとジアセトンア
クリルアミドとの共重合体微粒子が、PVA系重合体を
含む水中に分散していることを特徴とする酢酸ビニル系
樹脂エマルジョン、およびPVA系重合体からなる分散
剤と水の存在下で、酢酸ビニル単量体100重量部とジ
アセトンアクリルアミド単量体1〜40重量部とをエマ
ルジョン重合することを特徴とする酢酸ビニル系樹脂エ
マルジョンの製造方法である。
達成するものであって、重量比で表した共重合比が10
0:1〜100:40である酢酸ビニルとジアセトンア
クリルアミドとの共重合体微粒子が、PVA系重合体を
含む水中に分散していることを特徴とする酢酸ビニル系
樹脂エマルジョン、およびPVA系重合体からなる分散
剤と水の存在下で、酢酸ビニル単量体100重量部とジ
アセトンアクリルアミド単量体1〜40重量部とをエマ
ルジョン重合することを特徴とする酢酸ビニル系樹脂エ
マルジョンの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、重量比で表
した共重合比が100:1〜100:40である酢酸ビ
ニルとジアセトンアクリルアミドとの共重合体微粒子が
PVA系重合体を含む水中に分散しているものである。
本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、重量比で表
した共重合比が100:1〜100:40である酢酸ビ
ニルとジアセトンアクリルアミドとの共重合体微粒子が
PVA系重合体を含む水中に分散しているものである。
【0011】ここで、分散剤として使用されるPVA系
樹脂としては、未変性PVAおよび変性PVAが挙げら
れ、これらは脂肪酸ビニルエステルの重合体、および脂
肪酸ビニルエステルと共重合可能なビニル系単量体との
共重合体をケン化するなどの公知の方法により製造する
ことができる。
樹脂としては、未変性PVAおよび変性PVAが挙げら
れ、これらは脂肪酸ビニルエステルの重合体、および脂
肪酸ビニルエステルと共重合可能なビニル系単量体との
共重合体をケン化するなどの公知の方法により製造する
ことができる。
【0012】上記の重合および共重合に使用する脂肪酸
ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルが挙げられ、中で
も酢酸ビニルが工業的に好ましい。また、脂肪酸ビニル
エステルとの共重合に使用するビニル系単量体として
は、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和モノカルボン酸およびそのエステル・塩・無水物・ア
ミド・ニトリル類、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸
などの不飽和ジカルボン酸およびその塩、マレイン酸モ
ノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モ
ノアルキルエステル類、炭素数2〜30のα−オレフィ
ン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類
などが挙げられる。
ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルが挙げられ、中で
も酢酸ビニルが工業的に好ましい。また、脂肪酸ビニル
エステルとの共重合に使用するビニル系単量体として
は、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和モノカルボン酸およびそのエステル・塩・無水物・ア
ミド・ニトリル類、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸
などの不飽和ジカルボン酸およびその塩、マレイン酸モ
ノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モ
ノアルキルエステル類、炭素数2〜30のα−オレフィ
ン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類
などが挙げられる。
【0013】上記の重合方法は、従来から公知の塊状重
合、溶液重合、縣濁重合、乳化重合などの各種の方法が
採用でき、中でもメタノールを溶剤として用いる溶液重
合が工業的に好ましい。また、上記の重合体および共重
合体のケン化方法は、従来から公知のアルカリケン化お
よび酸ケン化を適用することができ、中でも重合体のメ
タノール溶液またはメタノールと水、酢酸メチル、ベン
ゼン等の混合溶液に水酸化アルカリを添加して加アルコ
ール分解する方法が工業的に好ましい。また、本発明で
使用される変性PVAは脂肪酸ビニルエステルおよびそ
れと共重合可能なビニル系単量体の共重合体をケン化す
る方法以外に、一旦上記の方法で作製した未変性PVA
をアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト
化、リン酸エステル化、アセトアセチル化等の反応によ
って後変性したものでも良く、特に脂肪酸ビニルエステ
ルとジアセトンアクリルアミドを共重合して得た重合体
のケン化物は本発明の単量体組成での重合性が良く、好
適である。
合、溶液重合、縣濁重合、乳化重合などの各種の方法が
採用でき、中でもメタノールを溶剤として用いる溶液重
合が工業的に好ましい。また、上記の重合体および共重
合体のケン化方法は、従来から公知のアルカリケン化お
よび酸ケン化を適用することができ、中でも重合体のメ
タノール溶液またはメタノールと水、酢酸メチル、ベン
ゼン等の混合溶液に水酸化アルカリを添加して加アルコ
ール分解する方法が工業的に好ましい。また、本発明で
使用される変性PVAは脂肪酸ビニルエステルおよびそ
れと共重合可能なビニル系単量体の共重合体をケン化す
る方法以外に、一旦上記の方法で作製した未変性PVA
をアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト
化、リン酸エステル化、アセトアセチル化等の反応によ
って後変性したものでも良く、特に脂肪酸ビニルエステ
ルとジアセトンアクリルアミドを共重合して得た重合体
のケン化物は本発明の単量体組成での重合性が良く、好
適である。
【0014】本発明で使用するPVA系樹脂の重合度、
ケン化度は各種のものとすることができるが、20℃に
おける4%水溶液粘度が3mPa.s以上、ケン化度8
5モル%以上が好ましい。また、本発明の酢酸ビニル系
樹脂エマルジョン中におけるPVA系樹脂の量も各種の
ものとすることができるが、酢酸ビニルとジアセトンア
クリルアミドとの共重合体微粒子100重量部に対し
て、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜4
0重量部、さらに好ましくは4〜20重量部である。P
VA系樹脂の存在量が少なすぎる場合は、得られたエマ
ルジョンの粘度が低く、粘度安定性、機械的安定性が低
く、多すぎる場合には、エマルジョンの粘度が高くなり
過ぎ、取り扱いの難しいものになってしまう問題があ
る。
ケン化度は各種のものとすることができるが、20℃に
おける4%水溶液粘度が3mPa.s以上、ケン化度8
5モル%以上が好ましい。また、本発明の酢酸ビニル系
樹脂エマルジョン中におけるPVA系樹脂の量も各種の
ものとすることができるが、酢酸ビニルとジアセトンア
クリルアミドとの共重合体微粒子100重量部に対し
て、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜4
0重量部、さらに好ましくは4〜20重量部である。P
VA系樹脂の存在量が少なすぎる場合は、得られたエマ
ルジョンの粘度が低く、粘度安定性、機械的安定性が低
く、多すぎる場合には、エマルジョンの粘度が高くなり
過ぎ、取り扱いの難しいものになってしまう問題があ
る。
【0015】本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに
おいて分散質として存在する酢酸ビニルとジアセトンア
クリルアミドとの共重合体微粒子は、酢酸ビニルとジア
セトンアクリルアミドとのエマルジョン重合(共重合)
によって得られるが、この重合に使用する(A)酢酸ビ
ニル単量体と(B)ジアセトンアクリルアミド単量体の
比率は(A)酢酸ビニル100重量部に対して(B)ジ
アセトンアクリルアミドが1〜40重量部であり、好ま
しくは2〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部
である。したがって、得られる酢酸ビニルとジアセトン
アクリルアミドとの共重合体微粒子における共重合比も
上記の単量体の使用比と同一である。
おいて分散質として存在する酢酸ビニルとジアセトンア
クリルアミドとの共重合体微粒子は、酢酸ビニルとジア
セトンアクリルアミドとのエマルジョン重合(共重合)
によって得られるが、この重合に使用する(A)酢酸ビ
ニル単量体と(B)ジアセトンアクリルアミド単量体の
比率は(A)酢酸ビニル100重量部に対して(B)ジ
アセトンアクリルアミドが1〜40重量部であり、好ま
しくは2〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部
である。したがって、得られる酢酸ビニルとジアセトン
アクリルアミドとの共重合体微粒子における共重合比も
上記の単量体の使用比と同一である。
【0016】(A)酢酸ビニル100部に対して(B)
ジアセトンアクリルアミドが1部未満の場合、得られる
酢酸ビニル系樹脂エマルジョンのMFTの低下効果が小
さく、可塑剤を添加しないと、冬場の使用に問題が生じ
る。また、40部を超えると、得られる酢酸ビニル系樹
脂エマルジョンの粘着性が高くなり、機械的安定性に問
題が生じる。
ジアセトンアクリルアミドが1部未満の場合、得られる
酢酸ビニル系樹脂エマルジョンのMFTの低下効果が小
さく、可塑剤を添加しないと、冬場の使用に問題が生じ
る。また、40部を超えると、得られる酢酸ビニル系樹
脂エマルジョンの粘着性が高くなり、機械的安定性に問
題が生じる。
【0017】上記共重合に使用する酢酸ビニル単量体と
ジアセトンアクリルアミド単量体は、PVA系重合体と
水を含む重合系に別々に添加しても、あらかじめ両者を
混合した混合単量体を作製し、添加しても本発明の効果
を損なわない。ここで使用するPVA系樹脂の使用量に
は特に制限はないが、単量体の総量100重量部に対し
て、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜4
0重量部、さらに好ましくは4〜20重量部である。
ジアセトンアクリルアミド単量体は、PVA系重合体と
水を含む重合系に別々に添加しても、あらかじめ両者を
混合した混合単量体を作製し、添加しても本発明の効果
を損なわない。ここで使用するPVA系樹脂の使用量に
は特に制限はないが、単量体の総量100重量部に対し
て、1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜4
0重量部、さらに好ましくは4〜20重量部である。
【0018】また、上記エマルジョン重合に使用する単
量体として、本発明の効果を阻害しない範囲で、酢酸ビ
ニル、ジアセトンアクリルアミド以外のビニル系単量体
を併用することができる。ここで使用されるビニル系単
量体としては、例えば、クロトン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸などの不飽和モノカルボン酸およびそのエステ
ル・塩・無水物・アミド・ニトリル類、マレイン酸、イ
タコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびそ
の塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等
の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、炭素数2〜
30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、
ビニルピロリドン類以外にもエチレン、プロピレン、ス
チレンなどが挙げられ、添加量は、酢酸ビニル100部
に対して10部以下が好ましい。
量体として、本発明の効果を阻害しない範囲で、酢酸ビ
ニル、ジアセトンアクリルアミド以外のビニル系単量体
を併用することができる。ここで使用されるビニル系単
量体としては、例えば、クロトン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸などの不飽和モノカルボン酸およびそのエステ
ル・塩・無水物・アミド・ニトリル類、マレイン酸、イ
タコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびそ
の塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等
の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、炭素数2〜
30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、
ビニルピロリドン類以外にもエチレン、プロピレン、ス
チレンなどが挙げられ、添加量は、酢酸ビニル100部
に対して10部以下が好ましい。
【0019】また、本発明の効果を損なわない範囲で、
増粘剤、消泡剤、架橋剤などの添加剤を重合時、あるい
は重合後に添加して、エマルジョンに望まれる特性を付
与することもできる。
増粘剤、消泡剤、架橋剤などの添加剤を重合時、あるい
は重合後に添加して、エマルジョンに望まれる特性を付
与することもできる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。実施例中、特にことわりのないかぎり、「%」
および「部」は重量基準を表わす。なお、実施例中の諸
物性の測定方法を以下に示す。
明する。実施例中、特にことわりのないかぎり、「%」
および「部」は重量基準を表わす。なお、実施例中の諸
物性の測定方法を以下に示す。
【0021】(1).エマルジョン重合性 残存単量体(酢酸ビニル)の測定 JIS K-6828の酢酸ビニル樹脂エマルジョンの残存単量体
の測定方法に従い、測定を行った。 粗粒子量 得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを水で3倍量に
希釈し、その希釈液を100メッシュふるいで濾過し、
篩上に残留したものの乾燥重量を化学天秤で測定し、粗
粒子量(mg/100g)を算出した。 (2).最低皮膜形成温度の測定 東洋精機製作所(株)製のMFT造膜試験機を使用し、
−5℃から30℃の温度勾配を作ったプレート上に、得
られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを200μmの厚
みで塗布し、皮膜の透明部分と不透明部分との不連続点
の温度を読み取り、最低皮膜形成温度とした。 (3).総合評価 重合安定性が良好であって、最低皮膜形成温度が10℃
以下である場合を○、どちらかに問題がある場合を×と
した。
の測定方法に従い、測定を行った。 粗粒子量 得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを水で3倍量に
希釈し、その希釈液を100メッシュふるいで濾過し、
篩上に残留したものの乾燥重量を化学天秤で測定し、粗
粒子量(mg/100g)を算出した。 (2).最低皮膜形成温度の測定 東洋精機製作所(株)製のMFT造膜試験機を使用し、
−5℃から30℃の温度勾配を作ったプレート上に、得
られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを200μmの厚
みで塗布し、皮膜の透明部分と不透明部分との不連続点
の温度を読み取り、最低皮膜形成温度とした。 (3).総合評価 重合安定性が良好であって、最低皮膜形成温度が10℃
以下である場合を○、どちらかに問題がある場合を×と
した。
【0022】実施例1 還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素吹込み口を備え
たガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、重
合度1,720、ケン化度98.6モル%のPVAを3
8重量部仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70
℃まで冷却し、酒石酸0.8重量部、過酸化水素水0.
5重量部を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、あら
かじめ酢酸ビニル416重量部にジアセトンアクリルア
ミド46重量部を溶解した混合単量体を2時間かけて連
続的に添加した後、80℃に昇温し、さらに2時間熟成
反応を行い、乳化重合を完結させ、酢酸ビニル系樹脂エ
マルジョンを得た。得られたエマルジョンについて物性
評価を行い、結果を表1に示した。表1より明らかなよ
うに、重合安定性は良好で、最低皮膜形成温度は4.8
℃であった。
たガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、重
合度1,720、ケン化度98.6モル%のPVAを3
8重量部仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70
℃まで冷却し、酒石酸0.8重量部、過酸化水素水0.
5重量部を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、あら
かじめ酢酸ビニル416重量部にジアセトンアクリルア
ミド46重量部を溶解した混合単量体を2時間かけて連
続的に添加した後、80℃に昇温し、さらに2時間熟成
反応を行い、乳化重合を完結させ、酢酸ビニル系樹脂エ
マルジョンを得た。得られたエマルジョンについて物性
評価を行い、結果を表1に示した。表1より明らかなよ
うに、重合安定性は良好で、最低皮膜形成温度は4.8
℃であった。
【0023】実施例2 実施例1で用いた混合単量体の組成を酢酸ビニル370
重量部、ジアセトンアクリルアミド92重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行
い、得られたエマルジョンについて物性評価を行い、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、重合安定
性は良好で、最低皮膜形成温度は−0.3℃であった。
重量部、ジアセトンアクリルアミド92重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行
い、得られたエマルジョンについて物性評価を行い、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、重合安定
性は良好で、最低皮膜形成温度は−0.3℃であった。
【0024】実施例3 実施例1で用いた混合単量体の組成を酢酸ビニル439
重量部、ジアセトンアクリルアミド23重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行
い、得られたエマルジョンについて物性評価を行い、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、重合安定
性は良好で、最低皮膜形成温度は8.9℃であった。
重量部、ジアセトンアクリルアミド23重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行
い、得られたエマルジョンについて物性評価を行い、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、重合安定
性は良好で、最低皮膜形成温度は8.9℃であった。
【0025】実施例4 実施例1で用いた重合度1,720、ケン化度98.6
モル%のPVA38重量部に代えて、重合度530、ケ
ン化度88.1モル%のPVA38重量部を用いた以外
は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行い、得ら
れたエマルジョンについて物性評価を行い、結果を表1
に示した。表1より明らかなように、重合安定性は良好
で、最低皮膜形成温度は4.6であった。
モル%のPVA38重量部に代えて、重合度530、ケ
ン化度88.1モル%のPVA38重量部を用いた以外
は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行い、得ら
れたエマルジョンについて物性評価を行い、結果を表1
に示した。表1より明らかなように、重合安定性は良好
で、最低皮膜形成温度は4.6であった。
【0026】実施例5 実施例1で用いた重合度1,720、ケン化度98.6
モル%のPVA38重量部に代えて、酢酸ビニルとジア
セトンアクリルアミドを共重合して得た重合体のケン化
物(重合度1,690、ケン化度98.8モル%、ジア
セトンアクリルアミド変性度4.7モル%)38重量部
を使用した以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン
重合を行い、得られたエマルジョンについて物性評価を
行い、結果を表1に示した。表1より明らかなように、
重合安定性は良好で、最低皮膜形成温度は4.5℃であ
った。
モル%のPVA38重量部に代えて、酢酸ビニルとジア
セトンアクリルアミドを共重合して得た重合体のケン化
物(重合度1,690、ケン化度98.8モル%、ジア
セトンアクリルアミド変性度4.7モル%)38重量部
を使用した以外は、実施例1と同様にしてエマルジョン
重合を行い、得られたエマルジョンについて物性評価を
行い、結果を表1に示した。表1より明らかなように、
重合安定性は良好で、最低皮膜形成温度は4.5℃であ
った。
【0027】比較例1 還流冷却機、滴下ロート、温度計、窒素吹込み口を備え
たガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、重
合度1,720、ケン化度98.6モル%のPVAを3
8重量部仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70
℃まで冷却し、酒石酸0.8重量部、過酸化水素水0.
5重量部を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸
ビニル462重量部を2時間かけて連続的に添加した
後、80℃に昇温し、さらに2時間熟成反応を行い、乳
化重合を完結させ、酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンについて物性評価を行い、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、重合安定
性は良好であったが、最低皮膜形成温度は12.3℃と
劣るものであった。
たガラス製重合容器に、イオン交換水500重量部、重
合度1,720、ケン化度98.6モル%のPVAを3
8重量部仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70
℃まで冷却し、酒石酸0.8重量部、過酸化水素水0.
5重量部を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸
ビニル462重量部を2時間かけて連続的に添加した
後、80℃に昇温し、さらに2時間熟成反応を行い、乳
化重合を完結させ、酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンについて物性評価を行い、結
果を表1に示した。表1より明らかなように、重合安定
性は良好であったが、最低皮膜形成温度は12.3℃と
劣るものであった。
【0028】比較例2 実施例1で用いた混合単量体を酢酸ビニル416重量
部、アクリル酸n−ブチル46重量部に変更した以外は
実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行ったが、重
合中に凝集物が発生し、重合終了後の残存酢酸ビニル単
量体が12.4%と重合安定性が極めて悪く、エマルジ
ョンは得られなかった。
部、アクリル酸n−ブチル46重量部に変更した以外は
実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行ったが、重
合中に凝集物が発生し、重合終了後の残存酢酸ビニル単
量体が12.4%と重合安定性が極めて悪く、エマルジ
ョンは得られなかった。
【0029】比較例3 実施例1で用いた混合単量体を酢酸ビニル416重量
部、アクリル酸2−エチルヘキシル46重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行っ
たが、重合中に凝集物が発生し、重合終了後の残存酢酸
ビニル単量体が10.9%と重合安定性が極めて悪く、
エマルジョンは得られなかった。
部、アクリル酸2−エチルヘキシル46重量部に変更し
た以外は実施例1と同様にしてエマルジョン重合を行っ
たが、重合中に凝集物が発生し、重合終了後の残存酢酸
ビニル単量体が10.9%と重合安定性が極めて悪く、
エマルジョンは得られなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、重合安定性が良好で、可塑剤を添加しなくて
も、実用上問題のないレベルの最低皮膜形成温度の酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンを提供することができる。
によれば、重合安定性が良好で、可塑剤を添加しなくて
も、実用上問題のないレベルの最低皮膜形成温度の酢酸
ビニル系樹脂エマルジョンを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220:58)
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比で表した共重合比が100:1〜
100:40である酢酸ビニルとジアセトンアクリルア
ミドとの共重合体微粒子が、ポリビニルアルコール系重
合体を含む水中に分散していることを特徴とする酢酸ビ
ニル系樹脂エマルジョン。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコール系重合体からなる
分散剤と水の存在下で、酢酸ビニル単量体100重量部
とジアセトンアクリルアミド単量体1〜40重量部とを
エマルジョン重合することを特徴とする酢酸ビニル系樹
脂エマルジョンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25467398A JP2000072945A (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25467398A JP2000072945A (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072945A true JP2000072945A (ja) | 2000-03-07 |
Family
ID=17268282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25467398A Pending JP2000072945A (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000072945A (ja) |
-
1998
- 1998-08-26 JP JP25467398A patent/JP2000072945A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20040525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |