JP2000044352A - 高靱性セラミック質焼結体 - Google Patents
高靱性セラミック質焼結体Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高硬度および高靱性を有する、特に鋳鉄を高速
切削するのに高い耐摩耗性と耐欠損性を発揮することの
できるセラミック焼結体を提供する。 【解決手段】AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol
%、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかを30〜80
mol%、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(RE)
をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %で、
窒化珪素にかかる圧縮残留応力が100MPa〜1000MPa 、ビ
ッカース硬度が15〜18GPa 、破壊靭性値が8〜15MPam
1/2 であることを特徴とする高靭性セラミック質焼結体
とする。
切削するのに高い耐摩耗性と耐欠損性を発揮することの
できるセラミック焼結体を提供する。 【解決手段】AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol
%、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかを30〜80
mol%、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(RE)
をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %で、
窒化珪素にかかる圧縮残留応力が100MPa〜1000MPa 、ビ
ッカース硬度が15〜18GPa 、破壊靭性値が8〜15MPam
1/2 であることを特徴とする高靭性セラミック質焼結体
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱衝撃性、耐欠
損性、耐摩耗性に優れた切削工具用のセラミック質焼結
体に関し、特に鋳鉄の切削に適した高靱性の焼結体に関
するものである。
損性、耐摩耗性に優れた切削工具用のセラミック質焼結
体に関し、特に鋳鉄の切削に適した高靱性の焼結体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、切削工具として用いられるセラミ
ック質焼結体としては、アルミナ、アルミナにZrO2、Ti
C 等を添加したセラミック、窒化珪素に対して各種の焼
結助剤を添加したもの等がある。この中で窒化珪素セラ
ッミクスはセラミックス中最も靭性が高く特に切削工具
として多く使用されている。
ック質焼結体としては、アルミナ、アルミナにZrO2、Ti
C 等を添加したセラミック、窒化珪素に対して各種の焼
結助剤を添加したもの等がある。この中で窒化珪素セラ
ッミクスはセラミックス中最も靭性が高く特に切削工具
として多く使用されている。
【0003】窒化珪素の焼結助剤としては、Y2 O3 な
どの周期律表第3a族元素酸化物と酸化アルミニウムを
含有する系や、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化アル
ミニウムを含有する系が主に用いられている。
どの周期律表第3a族元素酸化物と酸化アルミニウムを
含有する系や、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化アル
ミニウムを含有する系が主に用いられている。
【0004】また最近ではこれらの焼結助剤を用いた窒
化珪素質焼結体の表面に耐摩耗性を向上させるため窒化
チタン、酸化アルミニウムの薄膜を被覆したものも特公
昭62−13430号、特開平2−116401号等に
て提案されている。
化珪素質焼結体の表面に耐摩耗性を向上させるため窒化
チタン、酸化アルミニウムの薄膜を被覆したものも特公
昭62−13430号、特開平2−116401号等に
て提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、各種切削加工分
野において生産性を向上するために、高速加工、高送り
加工等の重切削に対するする要求が高まっており切削工
具の使用条件も年々、高速化、高送り化が進んでいる。
このため、切削工具にはよりいっそうの耐摩耗性、耐欠
損性が要求されている。
野において生産性を向上するために、高速加工、高送り
加工等の重切削に対するする要求が高まっており切削工
具の使用条件も年々、高速化、高送り化が進んでいる。
このため、切削工具にはよりいっそうの耐摩耗性、耐欠
損性が要求されている。
【0006】しかし、従来の窒化珪素質焼結体にCVD 、
PVD 等の手法を用いて表面のみに硬質層を付着させた工
具材料では、鋳鉄を高速、高送り切削する、具体的には
速度400m/min以上、送り0.5mm/rev
(mm/刃)以上の条件で切削した場合には、被膜が剥
離してしまい十分な耐摩耗性、耐欠損性を有しておらず
刃先のチッピング、欠損、異常摩耗等を生じ寿命は短い
ものであった。
PVD 等の手法を用いて表面のみに硬質層を付着させた工
具材料では、鋳鉄を高速、高送り切削する、具体的には
速度400m/min以上、送り0.5mm/rev
(mm/刃)以上の条件で切削した場合には、被膜が剥
離してしまい十分な耐摩耗性、耐欠損性を有しておらず
刃先のチッピング、欠損、異常摩耗等を生じ寿命は短い
ものであった。
【0007】従って、本発明は、高硬度および高靱性を
有する、特に鋳鉄を高速切削するのに高い耐摩耗性と耐
欠損性を発揮することのできるセラミック焼結体を提供
すること課題とするものである。
有する、特に鋳鉄を高速切削するのに高い耐摩耗性と耐
欠損性を発揮することのできるセラミック焼結体を提供
すること課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題に
対して種々検討した結果、焼結体中にTi化合物の粒子を
分散させることにより焼結体の硬度、靱性が高められる
との知見を得た。また、Ti化合物を40mol%程度添加すれ
ば周期律表第3a族元素(RE)酸化物RE2O3 や Al
2O3等の添加物をある程度多量に添加しても工具として
の耐摩耗性を向上できることが判明した。さらに検討を
重ねた結果、AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol
%、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかをを30〜
80mol%、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(R
E)をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %
添加し1500℃以上で焼成を行うことで、緻密かつ100MPa
〜1000MPa の圧縮残留応力を発生させることができ焼結
体の破壊靭性値、硬度を飛躍的に向上させることを見出
した。また本発明の焼結体に、周期律表4a、5a、6a族の
炭化物、窒化物、炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少な
くとも1 種以上からなる硬質相を被覆すると工具として
の耐摩耗性を更に向上させる事を見出し本発明に至っ
た。
対して種々検討した結果、焼結体中にTi化合物の粒子を
分散させることにより焼結体の硬度、靱性が高められる
との知見を得た。また、Ti化合物を40mol%程度添加すれ
ば周期律表第3a族元素(RE)酸化物RE2O3 や Al
2O3等の添加物をある程度多量に添加しても工具として
の耐摩耗性を向上できることが判明した。さらに検討を
重ねた結果、AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol
%、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかをを30〜
80mol%、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(R
E)をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %
添加し1500℃以上で焼成を行うことで、緻密かつ100MPa
〜1000MPa の圧縮残留応力を発生させることができ焼結
体の破壊靭性値、硬度を飛躍的に向上させることを見出
した。また本発明の焼結体に、周期律表4a、5a、6a族の
炭化物、窒化物、炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少な
くとも1 種以上からなる硬質相を被覆すると工具として
の耐摩耗性を更に向上させる事を見出し本発明に至っ
た。
【0009】即ち、本発明の高靱性セラミック質焼結体
は、AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol %、Tiの炭
化物、窒化物、炭窒化物のいずれかを30〜80mol%含み、
残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(RE)をRE
2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %、窒化珪素
粒子にかかる圧縮残留応力が100 〜1000MPa とすること
を特徴とする。また、前記焼結体の破壊靭性は8 〜15MP
am1/2 、ビッカース硬度は15〜18GPa である。また更に
この焼結体表面に周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化
物、炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少なくとも1 種以
上からなる硬質相を被覆したものである。
は、AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol %、Tiの炭
化物、窒化物、炭窒化物のいずれかを30〜80mol%含み、
残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(RE)をRE
2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %、窒化珪素
粒子にかかる圧縮残留応力が100 〜1000MPa とすること
を特徴とする。また、前記焼結体の破壊靭性は8 〜15MP
am1/2 、ビッカース硬度は15〜18GPa である。また更に
この焼結体表面に周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化
物、炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少なくとも1 種以
上からなる硬質相を被覆したものである。
【0010】また製法としては焼成後AlをAl2 O3
換算で1.5 〜10mol %、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化
物を30〜80mol%、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元
素(RE)をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10
mol %で焼成後窒化珪素にかかる圧縮残留応力が20〜10
00MPa となるように配合した成形体を窒素雰囲気中にて
焼成する事によって得ることができる。表面硬質相の被
覆はCVD 法、PVD 法を用いる。
換算で1.5 〜10mol %、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化
物を30〜80mol%、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元
素(RE)をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10
mol %で焼成後窒化珪素にかかる圧縮残留応力が20〜10
00MPa となるように配合した成形体を窒素雰囲気中にて
焼成する事によって得ることができる。表面硬質相の被
覆はCVD 法、PVD 法を用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
る。
【0012】本発明における高靱性セラミック質焼結体
は、Alを酸化物換算で1.5 〜10mol %、特に2 〜8
mol %、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかの30
〜80mol%量分の硬質粒子を分散させてなり、残部が窒化
珪素と周期律表第3a族元素を酸化物換算で窒化珪素に
対し1〜10mol %、特に2〜8mol %、で含有する組
成物であることが望ましい。また、焼結体表面に周期律
表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物及びAl2O3
から選ばれる少なくとも1 種以上からなる硬質相を被覆
していることが望ましい。
は、Alを酸化物換算で1.5 〜10mol %、特に2 〜8
mol %、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかの30
〜80mol%量分の硬質粒子を分散させてなり、残部が窒化
珪素と周期律表第3a族元素を酸化物換算で窒化珪素に
対し1〜10mol %、特に2〜8mol %、で含有する組
成物であることが望ましい。また、焼結体表面に周期律
表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物及びAl2O3
から選ばれる少なくとも1 種以上からなる硬質相を被覆
していることが望ましい。
【0013】ここで、焼結体組成を上記のように限定し
たのは、Alが1.5mol%より少ないとTi化合物を添加し
た場合緻密体が得られず、10mol %より多いと焼結体
の高温強度と耐反応性が劣化し工具としての性能が劣る
ためである。また、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のい
ずれかの30〜80mol%量分の硬質粒子を分散させるのは窒
化珪素マトリックスとTi化合物との熱膨張係数の差に起
因する残留応力を生じさせるるためである。この結果破
壊靭性が向上させ工具としての耐摩耗性、耐欠損性を向
上させる。Ti化合物量は特に35〜75mol%であるのが望ま
しい。これは、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物が30mol%
以下だと残留応力が小さいため、高靭化の効果が小さく
硬度も低い。また80mol%以上では緻密な焼結体が得られ
ず工具としての特性に欠けるためである。周期律表第3
a族元素が酸化物酸化物換算で10mol %より多いと、
焼結体の硬度が低下し工具としての耐摩耗性が劣化し、
周期律表第3a族元素が酸化物換算で窒化珪素に対し1
mol %より少ないと緻密体が得られず焼結体の強度が低
下するからである。
たのは、Alが1.5mol%より少ないとTi化合物を添加し
た場合緻密体が得られず、10mol %より多いと焼結体
の高温強度と耐反応性が劣化し工具としての性能が劣る
ためである。また、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のい
ずれかの30〜80mol%量分の硬質粒子を分散させるのは窒
化珪素マトリックスとTi化合物との熱膨張係数の差に起
因する残留応力を生じさせるるためである。この結果破
壊靭性が向上させ工具としての耐摩耗性、耐欠損性を向
上させる。Ti化合物量は特に35〜75mol%であるのが望ま
しい。これは、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物が30mol%
以下だと残留応力が小さいため、高靭化の効果が小さく
硬度も低い。また80mol%以上では緻密な焼結体が得られ
ず工具としての特性に欠けるためである。周期律表第3
a族元素が酸化物酸化物換算で10mol %より多いと、
焼結体の硬度が低下し工具としての耐摩耗性が劣化し、
周期律表第3a族元素が酸化物換算で窒化珪素に対し1
mol %より少ないと緻密体が得られず焼結体の強度が低
下するからである。
【0014】表面被覆層を周期律表4a、5a、6a族の炭化
物、窒化物、炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少なくと
も1 種以上からなる硬質相を被覆する事に限定するの
は、周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物
及びAl2O3 だと高硬度で被削材との耐反応性に優れ耐摩
耗性を向上させる事ができるからである。
物、窒化物、炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少なくと
も1 種以上からなる硬質相を被覆する事に限定するの
は、周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物
及びAl2O3 だと高硬度で被削材との耐反応性に優れ耐摩
耗性を向上させる事ができるからである。
【0015】本発明によれば、Tiの炭化物、窒化物、炭
窒化物硬質粒子を分散含有することにより、圧縮残留応
力を発生発生させるのでクラックの進展を抑制すること
ができると同時に、マトリックスよりも硬い粒子を分散
させているので硬度が高い。
窒化物硬質粒子を分散含有することにより、圧縮残留応
力を発生発生させるのでクラックの進展を抑制すること
ができると同時に、マトリックスよりも硬い粒子を分散
させているので硬度が高い。
【0016】また、本発明によれば、Tiの炭化物、窒化
物、炭窒化物硬質粒子を分散し窒化珪素結晶とそれら結
晶間に存在する粒界相によって構成され、粒界相には、
少なくとも周期律表第3a族元素が含まれる。この粒界
相は、非晶質である場合もあるが、望ましくは、結晶化
しているのがよく、結晶相としては、アパタイト、YA
M、ヴォラストナイト、ダイシリケート、モノシリケー
トのうちの少なくとも1種を主体とするものであること
が望ましい。
物、炭窒化物硬質粒子を分散し窒化珪素結晶とそれら結
晶間に存在する粒界相によって構成され、粒界相には、
少なくとも周期律表第3a族元素が含まれる。この粒界
相は、非晶質である場合もあるが、望ましくは、結晶化
しているのがよく、結晶相としては、アパタイト、YA
M、ヴォラストナイト、ダイシリケート、モノシリケー
トのうちの少なくとも1種を主体とするものであること
が望ましい。
【0017】本発明において、用いられる周期律表第3
a族元素としては、Y、Sc、Yb、Er、Dy、H
o、Luなどが挙げられ、これらの中でも、Er、Y
b、Luがよい。
a族元素としては、Y、Sc、Yb、Er、Dy、H
o、Luなどが挙げられ、これらの中でも、Er、Y
b、Luがよい。
【0018】次に、本発明の製造方法としては、窒化珪
素粉末に対して、添加成分として、周期律表第3a族元
素(RE)酸化物粉末と、Al2 O3を添加し、ボールミ
ルなどで混合する。これらの添加成分は、最終焼結体組
成が前述した範囲になるように調合される。用いる窒化
珪素粉末としては、還元窒化法、直接窒化法等により製
造されたα型、β型のいずれでもよく、BET比表面積
が5m2 /g以上、不純物酸素量0.7〜2重量%の粉
末が適当である。上記のようにして混合された混合物
を、所望の成形手段、例えば、金型プレス,冷間静水圧
プレス,押出し成形、鋳込成形、射出成形等により任意
の形状に成形後する。焼成は、1600〜2000℃の
非酸化性雰囲気で焼成する。この時の焼成温度が160
0℃よりも低いと十分に緻密化することが難しく、20
00℃を越えると、結晶の異常粒成長が生じたり、窒化
珪素が分解し表面が荒れる等の問題が生じる。
素粉末に対して、添加成分として、周期律表第3a族元
素(RE)酸化物粉末と、Al2 O3を添加し、ボールミ
ルなどで混合する。これらの添加成分は、最終焼結体組
成が前述した範囲になるように調合される。用いる窒化
珪素粉末としては、還元窒化法、直接窒化法等により製
造されたα型、β型のいずれでもよく、BET比表面積
が5m2 /g以上、不純物酸素量0.7〜2重量%の粉
末が適当である。上記のようにして混合された混合物
を、所望の成形手段、例えば、金型プレス,冷間静水圧
プレス,押出し成形、鋳込成形、射出成形等により任意
の形状に成形後する。焼成は、1600〜2000℃の
非酸化性雰囲気で焼成する。この時の焼成温度が160
0℃よりも低いと十分に緻密化することが難しく、20
00℃を越えると、結晶の異常粒成長が生じたり、窒化
珪素が分解し表面が荒れる等の問題が生じる。
【0019】なお、焼成方法としては、窒化珪素が分解
しないようにして、常圧焼成、窒素ガス2気圧以上の窒
素ガス加圧焼成、ホットプレス焼成法の他、これらの焼
成後に1000気圧下で熱間静水圧焼成することにより
さらに緻密化させることができる。特に1700〜19
50℃の2気圧以上の窒素ガス含有非酸化性雰囲気で焼
成することがよい。
しないようにして、常圧焼成、窒素ガス2気圧以上の窒
素ガス加圧焼成、ホットプレス焼成法の他、これらの焼
成後に1000気圧下で熱間静水圧焼成することにより
さらに緻密化させることができる。特に1700〜19
50℃の2気圧以上の窒素ガス含有非酸化性雰囲気で焼
成することがよい。
【0020】表面被覆はCVD,およびPVD 法を用いるのが
望ましい。
望ましい。
【0021】
【実施例】原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面
積10m2 /g、不純物酸素量1.0重量%)と表1に
示した各種周期律表第3a族元素酸化物、SiO2 を用
いて表1の比率で調合し、これに成形用バインダーを加
えて窒化珪素ボールを用いて混合し、2ton/cm2
の圧力でプレス成形した。
積10m2 /g、不純物酸素量1.0重量%)と表1に
示した各種周期律表第3a族元素酸化物、SiO2 を用
いて表1の比率で調合し、これに成形用バインダーを加
えて窒化珪素ボールを用いて混合し、2ton/cm2
の圧力でプレス成形した。
【0022】さらに3ton/cm2 で冷間静水圧成形
し成形体を得た。この成形体を窒素ガス圧力30気圧
下、表1の温度で3時間焼成して焼結体を得た。
し成形体を得た。この成形体を窒素ガス圧力30気圧
下、表1の温度で3時間焼成して焼結体を得た。
【0023】得られた焼結体に対して、ICP発光分光
分析によって、Si、周期律表第3a族元素(RE)、
Al、Tiの量を求め、SiはSi3 N4 として、REは
RE2O3 として、AlはAl2 O3 として、TiはTiの
炭化物、窒化物、炭窒化物として換算し組成比を求め
た。
分析によって、Si、周期律表第3a族元素(RE)、
Al、Tiの量を求め、SiはSi3 N4 として、REは
RE2O3 として、AlはAl2 O3 として、TiはTiの
炭化物、窒化物、炭窒化物として換算し組成比を求め
た。
【0024】さらにX線残留応力測定法により残留応力
を求めた。
を求めた。
【0025】また、焼結体特性として、JISR 16
10によるビッカース硬度、JISR 1607のIF
法による破壊靭性を求め、その結果を表1に示した。
10によるビッカース硬度、JISR 1607のIF
法による破壊靭性を求め、その結果を表1に示した。
【0026】また、焼結体に表面被覆を行い結果を表2
に示した。
に示した。
【0027】また、切削試験として、上記と同様にして
CNGN160412の工具形状に成形し、焼成して作
製した切削工具を下記の切削条件 被削材 FC250 切削速度 600m/min 送り 0.5mm/rev 切り込み 2.0mm にて乾式旋削加工を行い、20分間切削後の摩耗幅を測定
し表1に示した。
CNGN160412の工具形状に成形し、焼成して作
製した切削工具を下記の切削条件 被削材 FC250 切削速度 600m/min 送り 0.5mm/rev 切り込み 2.0mm にて乾式旋削加工を行い、20分間切削後の摩耗幅を測定
し表1に示した。
【0028】切削試験 としてSNGN120408の形状に加工
した切削工具で下記条件にて正面フライス加工によるテスト
を行なった。
した切削工具で下記条件にて正面フライス加工によるテスト
を行なった。
【0029】 被削材 FCD 450(125×300mmの形状) 切削速度 600m/min 送り 0.5mm/刃 切り込み 2.0mm 上記条件で正面フライス加工を行ない欠損までの切削時間を
表1 、2 に記した。
表1 、2 に記した。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果によれば、焼結体組成が本発明
の範囲から逸脱する試料No.8 〜13では、硬度が14.
0GPaより低く、また破壊靭性も8MPam1/2 より低い
ものであった。また切削テストにおいて摩耗幅0.2m
m以上となるか、または20pass以内に欠損が生じて工具
寿命となった。
の範囲から逸脱する試料No.8 〜13では、硬度が14.
0GPaより低く、また破壊靭性も8MPam1/2 より低い
ものであった。また切削テストにおいて摩耗幅0.2m
m以上となるか、または20pass以内に欠損が生じて工具
寿命となった。
【0032】これに対し本発明の試料は、何れも、硬度
15 GPa以上、破壊靭性8 .0MPam1/2 以上の高
機械的特性を示し、鋳鉄の高速切削試験においても、摩
耗幅0.15mm以下かつ20passでも未欠損の性能を
示した。このように、本発明の窒化珪素質焼結体は、鋳
鉄の切削において、高い耐摩耗性、耐欠損性を有し工具
の寿命を延長することができる。
15 GPa以上、破壊靭性8 .0MPam1/2 以上の高
機械的特性を示し、鋳鉄の高速切削試験においても、摩
耗幅0.15mm以下かつ20passでも未欠損の性能を
示した。このように、本発明の窒化珪素質焼結体は、鋳
鉄の切削において、高い耐摩耗性、耐欠損性を有し工具
の寿命を延長することができる。
【0033】
【表2】
【0034】表2 の結果によれば本発明の焼結体に周期
律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物及びAl2O
3 から選ばれる少なくとも1 種以上からなる硬質相を被
覆する事によっても耐摩耗性を向上させる事ができた。
律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、炭窒化物及びAl2O
3 から選ばれる少なくとも1 種以上からなる硬質相を被
覆する事によっても耐摩耗性を向上させる事ができた。
【0035】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のセラミック
質焼結体は、焼結体中にTi化合物硬質粒子が分散するこ
とによって、高い硬度とともに高靱性を有することか
ら、特に鋳鉄の切削において、優れた耐摩耗性と高い耐
欠損性を有する。これにより、長寿命の鋳鉄切削用工具
を安価に提供することができる。
質焼結体は、焼結体中にTi化合物硬質粒子が分散するこ
とによって、高い硬度とともに高靱性を有することか
ら、特に鋳鉄の切削において、優れた耐摩耗性と高い耐
欠損性を有する。これにより、長寿命の鋳鉄切削用工具
を安価に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/58 101 C23C 16/30 C23C 16/30 C04B 35/56 S Fターム(参考) 3C046 FF02 FF04 FF09 FF11 FF13 FF33 FF37 FF40 FF42 FF47 4G001 BA03 BA08 BA25 BA32 BA38 BA57 BA73 BB03 BB08 BB25 BB32 BB38 BB57 BB73 BC13 BC23 BC42 BC43 BD12 BD16 BD18 BE26 4K030 BA02 BA18 BA36 BA38 BA41 BA42 BA55 CA05 HA04 LA22
Claims (2)
- 【請求項1】AlをAl2 O3 換算で1.5 〜10mol
%、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物のいずれかを30〜80
mol%含み、残部が窒化珪素と周期律表第3a族元素(R
E)をRE2 O3 換算で窒化珪素に対し1〜10mol %
で、窒化珪素にかかる圧縮残留応力が100MPa〜1000MPa
、ビッカース硬度が15〜18GPa 、破壊靭性値が8 〜15M
Pam1/2 であることを特徴とする高靭性セラミック質焼
結体。 - 【請求項2】周期律表4a、5a、6a族の炭化物、窒化物、
炭窒化物及びAl2O3 から選ばれる少なくとも1 種以上か
らなる硬質相を被覆したことを特徴とする請求項1記載
の高靭性セラミック質焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10217717A JP2000044352A (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 高靱性セラミック質焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10217717A JP2000044352A (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 高靱性セラミック質焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000044352A true JP2000044352A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16708641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10217717A Pending JP2000044352A (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | 高靱性セラミック質焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000044352A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2014126178A1 (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-21 | 京セラ株式会社 | 切削工具 |
KR20190094856A (ko) * | 2018-02-06 | 2019-08-14 | 전북대학교산학협력단 | 고인성 산화물 소결체의 제조 방법 |
-
1998
- 1998-07-31 JP JP10217717A patent/JP2000044352A/ja active Pending
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KR20190094856A (ko) * | 2018-02-06 | 2019-08-14 | 전북대학교산학협력단 | 고인성 산화물 소결체의 제조 방법 |
KR102012442B1 (ko) | 2018-02-06 | 2019-11-04 | 전북대학교산학협력단 | 고인성 산화물 소결체의 제조 방법 |
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