JP3051603B2 - チタン化合物焼結体 - Google Patents
チタン化合物焼結体Info
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Description
物質を含有する繊維強化セラミックスに関し、詳細には
高靱性を有し、特に切削工具やその他耐摩耗性部品、装
飾材料に適したチタン化合物焼結体に関する。
サーメット材料の主原料として各種の切削工具や産業機
械用部品に応用されている反面、靱性に劣るという欠点
を有するために利用分野の拡大が阻害されている。そこ
で従来はこれらにニッケル、コバルト等の金属を添加し
て靱性を改善することが行われている。
ケル,コバルト等の金属は硬度が低いので、それらを含
まない材料に比較して摩耗量が多くなる傾向にある。ま
た、装飾品の分野では添加された金属により、皮膚にア
レルギーを生じる原因になる場合がある。
イスカー)によって靱性を向上することが試みられてい
る。その代表的なものはSiCウイスカーであり多くの
研究が行われている。チタン化合物ウイスカーによる強
靱化も提案されているが、セラミックスの抗折強度,靱
性,硬度等の特性の点から未だ十分に検討されておら
ず、実用的なレベルに達していないのが現状であった。
タン化合物ウイスカー系セラミックスに対して、詳細に
検討を重ねた結果、この材料と周期律表第4a,5a,
6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物および酸化物の
少なくとも一種を複合化させることにより、破壊靱性を
はじめとする機械的特性を向上できることを知見し本発
明に至った。
タンの炭化物,窒化物,硼化物及び炭窒化物のうちの少
なくとも1種のチタン化合物ウイスカーと、ウイスカー
以外のチタン化合物とを合計で45〜97体積%含有
し、前記チタン化合物ウイスカーを全量中5〜70体積
%の割合で含有し、さらに、炭化モリブデン、炭化ジル
コニウムのうち少なくとも1種を3〜15体積%の割合
で含有することを特徴とする。
ーは、それ自体、単結晶あるいは多結晶質からなるもの
で、その平均直径は3μm以下、特に0.5乃至1μm
であることが好ましい。平均径が3μm以下では、高い
抗折強度を維持できるからであり、平均径が大きく成り
過ぎると均一に分散することも難しくなり、強度,靱性
ともバラツキが生じやすく、また切削工具として用いた
際に逃げ面の境界摩耗が大きくなるためである。尚、切
削工具として使用する場合には、チタン化合物焼結体の
表面に、厚さ0.1〜15μmの単層または2層以上の
周期律表第4a族元素およびAlの炭化物,窒化物,炭
窒化物,酸化物の少なくとも一種からなる表面被覆層を
形成しても良い。
アスペクト比が小さすぎると繊維強化の効果が小さく高
い靱性が得られにくく、逆に大きすぎると原料としての
取扱が難しく、均一に分散することができないために高
い靱性を得ることが難しくなる。よって、アスペクト比
の平均は3乃至100、特に10乃至30のものが好適
に使用される。
えばCVD法により合成することができるが、どの様な
製法によって作られたものであっても使用できる。
〜70体積%、特に10〜50体積%、さらに好ましく
は、20〜45体積%分散含有させる。ウイスカーの量
を上記の範囲に設定したのは、ウイスカー量が5体積%
未満では、ウイスカー添加による靱性向上効果が小さ
く、70体積%を越えると系全体の焼結性が低下するか
らである。尚、焼結を容易にし、焼結に要するコストを
削減するためには、TiCウイスカーの添加量は5乃至
45体積%が好ましく、最適には10乃至30体積%が
良い。チタン化合物ウイスカーは、靱性向上のために
は、48〜70体積%含有させることが望ましい。
ーは、主としてTiCウイスカーであり、ウイスカー以
外のチタン化合物としては、主としてTiNであること
が望ましい。また、チタン化合物ウイスカーであるTi
Cウイスカーを40〜70体積%、チタン化合物である
TiNを2〜15体積%、炭化モリブデン,炭化ジルコ
ニウムのうち少なくとも一種を3〜15体積%含有する
ことが望ましい。
下含有させても良い。これは、Al2O3はこの材料を切
削工具として用いた場合に耐摩耗性を向上させる効果が
あるからである。即ち、Al2O3が45体積%よりも多
いと、焼結体の靱性が低下し、切削工具として用いた場
合にチッピングが生じ易いからである。Al2O3添加量
は20体積%以上、特に35体積%以上含有することが
望ましい。アルミナを含有する場合には、チタン化合物
であるTiNは、その一部がAl2O3粒子内部に存在す
ることが望ましい。
れらの酸化物,炭化物,窒化物のうち少なくとも一種を
5体積%以下含有させても良い。これは、Ni,Co及
びそれらの酸化物,炭化物はTiCウイスカーとAl2
O3を強固に結合させる効果があるからである。また、
Ni,Coの添加は材料の焼結性を改善する。Ni,C
oおよびそれらの酸化物,炭化物,窒化物の添加量は、
特に0.5〜2体積%であることが望ましい。
a,6a族元素の炭化物、窒化物、炭窒化物,酸化物の
うち少なくとも一種を3体積%以上含有するが、特に炭
化モリブデン,炭化ジルコニウムのうち少なくとも1種
を3〜15体積%含有することが硬度及び靱性の向上の
点から好ましい。3%未満では焼結体の破壊靱性および
硬度や強度が低下する傾向にある。
クスがAl2 O3 を主体とする場合、窒化チタンを混合
するのがよい。窒化チタンは直径1μm以下の粒子であ
って、少なくとも一部がAl2 O3 粒子内部に存在する
と、特に破壊靱性及び抗折強度向上という観点から添加
効果が大きい。窒化チタンをAl2 O3 粒子内部に存在
させる為には焼結時の昇温速度と窒化チタンの粒子径を
コントロールすることが重要である。例えば、1000
〜1800℃までの昇温速度は窒化チタンの平均粒径が
1μm以下の場合、6℃/分以上、平均粒径が0.5μ
m以下の場合3℃/分以上にすることが特に重要であ
る。
助剤として公知の酸化物を添加してもよい。少量の酸化
物を添加することによりマトリックス成分としての焼結
性を高め、特性の向上を図ることができる。しかしこの
助剤量が多すぎると焼結体の靱性が低下する。よってこ
れらの焼結助剤は、全量中0.1乃至5重量%、特に
0.5乃至3重量%の割合で添加するのが良い。尚、こ
こで用いられる酸化物としてはYb,Nd,Er,C
e,Sm,Gd,Dy等の酸化物が挙げられる。
は、まずチタンの炭化物、窒化物及び炭窒化物のチタン
化合物、同じくチタン化合物ウイスカー、周期律表第4
a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物,酸
化物、酸化アルミニウム、Ni,Co,Crの酸化物,
炭化物、必要に応じて焼結助剤を前述した割合で混合、
粉砕後に所望の成形手段、金型プレス、押し出し成形、
射出成形、冷間静水圧成形等によって成形後、焼成す
る。
静水圧焼成法等が適用され、1650℃〜1850℃の
温度でArやHe等の不活性ガスもしくはカーボン等の
存在する還元性雰囲気およびそれらの加圧もしくは減圧
雰囲気中で0.5〜6時間行う。特に高密度の焼結体を
得るためには、普通焼成あるはホットプレス法によって
対理論密度比96%以上の焼結体を作成し、この焼結体
をさらに熱間静水圧焼成すればよい。
引き抜き効果を顕著に発揮させるこにより焼結体の靱性
を向上することができる。また、チタン化合物やチタン
化合物ウイスカーを用いることにより、切削工具として
の耐摩耗性や装飾材料としての色調を改善することがで
きる。
と、周期律表第4a,5a,6a族元素粉末と、平均粒
径1μm以下、純度99.9%以上のAl2 O3 粉末
と、その他の粉末を用意し、表1,2に示す割合で秤量
後、回転ミルにて12時間混合粉砕した。この混合粉末
に平均粒径1μm、アスペクト比が10〜30のチタン
化合物ウイスカーを所定量添加し、回転ミルで12時間
混合した。混合後のスラリーを乾燥してホットプレス用
原料とした。
℃の温度,500kg/cm2 の圧力でホットプレス焼
成してJIS規格に基づく抗折試験片を作成した。
によるビッカース硬度、また鏡面にポリッシング加工し
IM法で靱性(K1C) を測定した。また、顕微鏡写真か
ら組織観察し焼結性について評価した。結果を表3,4
に示す。
い場合(試料No.1,7,18)では硬度が低く、ま
た、密度が低いため鏡面仕上げが不可能であるという理
由から靱性が測定できず、ボイドも発生した。また、ウ
イスカーを添加しない場合(試料No.23)では靱性が
極端に小さかった。周期律表第4a,5a,6a族元素
化合物を添加しなかった場合(試料No.7,11,1
9)では硬度が低いことが判る。
料は、いずれも優れた靱性および硬度を有することが判
る。
物焼結体は、チタン化合物と、チタン化合物ウイスカー
と、炭化モリブデン、炭化ジルコニウムのうち少なくと
も1種を含有するので、チタン化合物ウイスカーのいわ
ゆる引き抜き効果を顕著に発揮させることができ、焼結
体の靱性および硬度を向上することができる。また、チ
タン化合物やチタン化合物ウイスカーを用いることによ
り、切削工具としての耐摩耗性や装飾材料としての色調
を改善することができる。これにより、切削工具やその
他耐摩耗性部品,装飾材料に適したチタン化合物焼結体
を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】チタンの炭化物,窒化物,硼化物及び炭窒
化物のうちの少なくとも1種のチタン化合物ウイスカー
と、ウイスカー以外のチタン化合物とを合計で45〜9
7体積%含有し、前記チタン化合物ウイスカーを全量中
5〜70体積%の割合で含有し、さらに、炭化モリブデ
ン、炭化ジルコニウムのうち少なくとも1種を3〜15
体積%の割合で含有することを特徴とするチタン化合物
焼結体。
Priority Applications (1)
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JP5161279A JP3051603B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | チタン化合物焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5161279A JP3051603B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | チタン化合物焼結体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0782048A JPH0782048A (ja) | 1995-03-28 |
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Family
ID=15732093
Family Applications (1)
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JP5161279A Expired - Fee Related JP3051603B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | チタン化合物焼結体 |
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-
1993
- 1993-06-30 JP JP5161279A patent/JP3051603B2/ja not_active Expired - Fee Related
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