私も重複になって恐縮ですが、そもそも主人公は、ずーっと、「ピストル事件以来、妻の心は*自分*からすっかり離れてしまった。自分は凄く妻を愛してるのに」と信じ込んでいて、それを中心に物語が進んでいくわけですよね。で、あの時も、(主人公が死んでいると知っている)少年に「奥さんが眠っている時に話しかけるといい」と言われて、仲直りを期待して話しかけようとする。
ところが、俺に見切りをつけたはずの女房が、後生大事に結婚指輪を握ってるじゃないか! え? じゃ、俺が大事にハメてた指輪はどこよ?? と二重の驚きを感じた瞬間、すべてに合点がいったわけです。
映画の登場人物たちが語る「都合のいいことしか見ない」「コミュニケイションをとろうとしないなら意味がない」、こうしたセリフは生きている人々にも普遍的に通じることであると同時に、人間、見方をひとつ変えると、不幸だったはずの世の中が幸せに見えてくる。ああ、書きながら、映画を思い出して泣けてきた。。。
あ、ただ、私も実はあのラスト、画面展開が急に速くなったんで、奥さんが自分の指輪を握ってたのかなと思って、エンディング・ロールが流れるまで落ちに気付きませんでした(笑)。