ターゲットはSRだった？ 1980年代に生まれたフラットトラックレプリカ「FT400」【画像ギャラリー】

フラットトラックレースは当時あまり日本に馴染みがなかったためか、ホンダはFTを「個性的なスタイリングのロードスポーツ」とプロモーションしている。

タンク、サイドカバー、シートカウルのデザインから、フラットトラックレーサーのイメージを強く感じさせるリアビュー。

ポジションはロードバイク寄りで、上半身はアップライトな設定。ステップは体軸よりも少し前に出る感じで、下半身はリラックスした感じだ。

シート高は790mmと400ccのロードモデルとしては少し高めだが、車体がスリムなので足付き性は良好。171cm、65kgのライダーが跨ると、軽くかかとが浮く。

エンジンはXL500Sベースの空冷4ストロークSOHC4バルブ。最高出力は27PS/6500rpm、最大トルクは3.2kgm/5000rpmだ。

400はストロークを69mmに変更することで398ccに排気量を変更。ボアではなくストロークで排気量を変更するのはSRと同じ手法だ。

シングルエンジンながら4バルブであり、排気効率をアップするために2本出しのエキゾーストパイプを採用している。

ブラックアウトされたサイレンサーは、シングルらしい小気味良いエキゾーストノートを奏でる。

SR500/400は、オフロードバイクXT500系のエンジンを搭載したロードスポーツ。SRモ排気量をストロークで調整している。

特徴的な角形ヘッドライトと、その下に取り付けられる樹脂製のカバー。カバーの下にはホーンが取り付けられている。

メーターは80年代風の角形で、スピードとタコのニ眼タイプ。インジケーター類はセンターにまとめられ、タコメーター内に速度警告灯が確認できる。

ヘッドライトの切り替え、パッシング、ウインカー、ホーンのスイッチがコンパクトにまとめられた左のスイッチボックス。

右のスイッチボックスにはヘッドライトのオンオフ、キル、セルフスターターのスイッチが取り付けられている。

小ぶりなタンクの容量は13L。タンクのデザインは、フラットトラッカーをモチーフにしている。

シートはしっかりとした大きさと厚みがあり、タンデムにもしっかり対応。後端には傾斜が付き、ラインがシートカウルにスムーズに繋がる。

フラットトラックレーサー風のデザインに仕上げられたテールカウル。公道仕様のため大型のフェンダーやテールライトが取り付けられる。

「FT400」または「FT500」のロゴが入るサイドカバーはかなり大きく、ゼッケンプレートをイメージさせる。

星型5本スポークのアルミキャストホイールを採用し、フロントのサイズは19インチ。サスペンションはセミエア式。

フロントブレーキは296mm径のローターと片押し2ポットキャリパーの組み合わせ。シングルだが十分な制動力を発揮。

リアホイールは18インチとされ、4.25インチ幅のタイヤを履く。リアショックにはホンダ独自のF・V・Q・ダンパーが装備される。

リアブレーキはローター径が276mmにダウンするが、キャリパーはフロントと同じ片押し2ポットキャリパーが組み合わされる。

チャンピオマシンRS750Dのレプリカとして誕生したFTR250だが、当時は人気が出ずに3年ほどで終売となってしまった。

終売から10年ほど経って突如FTR250の人気に火がつき、ホンダは2000年にFTR223を発売するに至った。

あらゆるジャンルの絶版車が揃うショールーム。カラーリング違いなども数多くストックされ、好みの1台が見つかるはずだ。