バンテン
バンテン | |||||||||||||||||||||||||||
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バンテン(オス) Bos javanicus
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Bos javanicus d'Alton, 1823[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
バンテン[2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Banteng[1][2][3] Tembadau[1][3] |
バンテン(Bos javanicus)は、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)ウシ科ウシ属に分類される偶蹄類。別名ジャワヤギュウ[2]。
分布
[編集]インドネシア(ジャワ島、バリ島、ボルネオ島)、カンボジア、タイ王国、マレーシア(サバ州)、ミャンマー[1]。インド、バングラデシュ、ブルネイ、マレーシア(マレー半島およびサラワク州)では絶滅[1]。オーストラリアに移入[1][2]。
形態
[編集]頭胴長(体長)180 - 225センチメートル[2]。尾長65 - 70センチメートル[2][3]。肩高130 - 170センチメートル[2]。体重400 - 900キログラム[2]。臀部に白い斑紋が入り[2]、四肢の下部も白い[3]。
頭部には上方外側へ向かったあと、先端が後方内側へ向かう細い角が生える[2]。
オスは暗赤褐色の体毛で被われ、メスや幼獣は褐色の体毛で被われる[3]。
生態
[編集]開けた乾燥落葉樹林に生息するが、ジャワ島やボルネオ島では主に二次林に生息し多湿林でみられることもある[1]。夜行性だが人間による影響もあるとされ[1]、第二次世界大戦以前には主に薄明薄暮時に活動していたという報告例もある[2]。成熟したオス1頭とメス複数頭からなる、2 - 40頭の群れを形成し生活する[2]。メスと群れを形成できなかったオスは、単独もしくはオスのみで小規模な群れを形成して生活する[2]。
繁殖様式は胎生。妊娠期間は約285日[3]。1回に1 - 2頭の幼獣を産む[2]。授乳期間は9か月[2]。生後2年で性成熟する[2]。寿命は20-25年[2]。
人間との関係
[編集]食用とされたり、薬用になると信じられたりしている[1]。バリ島などでは家畜化(バリ牛)されている[3]。
森林伐採や木材採取・農地開発やプランテーションへの転換・道路建設・鉱業などによる生息地の破壊、食用や薬用・ハンティングトロフィー目的の狩猟、家畜からの感染症の伝播や交雑による遺伝子汚染などにより、生息数は減少している[1]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k Gardner, P., Hedges, S., Pudyatmoko, S., Gray, T.N.E. & Timmins, R.J. 2016. Bos javanicus. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T2888A46362970. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-2.RLTS.T2888A46362970.en. Downloaded on 05 September 2020.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 小原秀雄 「バンテン(ジャワヤギュウ)」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、154頁。
- ^ a b c d e f g h Stephen J. G. Hall, Rod Underwood 「ウシ亜科23種」斎藤勝訳『動物大百科 4 大型草食獣』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、111-112頁。