ガメラ(Gamera)とは、大映(現:角川映画)製作の怪獣映画『大怪獣ガメラ』、及びその関連作品シリーズに登場する架空の怪獣である。
ここでは怪獣のガメラを中心に記述する。
登場作品についてはこちらを参照。 → ガメラシリーズ
概要
東宝のゴジラやモスラと並んで日本に広く知られている巨大な亀の怪獣。
昭和、平成共通して下顎の左右両端から生える鋭く大きな牙、鱗が重なり合った模様をした甲羅を持った身体、そして四肢からの火炎を使った飛行能力などの特徴を持つ。
モデルは「ワニガメ」だとされているが、明確な着想元に関しては未だによくわかっていない。
昭和では「火炎放射」、平成では「プラズマ火球」が最大の武器。
初出は1965年公開の『大怪獣ガメラ』
第1作~第8作までを「昭和ガメラ」、第9作~第12作までを「平成ガメラ」と呼び、それらを総称して「ガメラシリーズ」と呼ぶ。
昭和ガメラ
身長60m、体重80t。齢8000年を越える大亀。
北極の氷の中で眠っていたが、原爆搭載機の墜落による核爆発の影響で覚醒する。
最初こそゴジラよろしく大暴れしていたものの、すぐに子供好きの一面を見せ始め、3作目以降は一貫して子供のために戦う正義の怪獣になり、人間を襲う怪獣や侵略者と闘い続け、最期は宇宙戦艦ザノン号に特攻し、行方不明となった。
口から高熱火炎を放射できる他、シリーズ初期は噛み付きや爪の引っ掻きといったワイルドな攻撃も多用していた。亀というイメージに似合わず優れた運動神経を有し、棒を掴んで華麗に回って見せるなどオリンピックの鉄棒選手のような芸当も可能な上、怪力かつ手先も器用で物を持ってそれを巧みに投げたり振ったりもできる。
手足を全て身体に収納、そこから火炎を噴射する事で回転・浮遊し、UFOのように高速で飛行する事が出来るが、後ろ足だけ引っ込めての通常飛行も可能。最高飛行速度はマッハ3。
一応低温が弱点であるが、どれだけ瀕死に陥ってもその原因が取り除かれれば即座に再生・復活する異常な生命力を持っている。子供を助けるために宇宙へも悠々と飛行するなど、大気の変化・真空状態下でも活動に支障は出ない。
熱がエネルギー源であり、炎そのものを吸い込むようにして食べるほか、マグマ・石炭・石油・高圧電気なども何故か経口で吸収する。体内に発電所でも備えているのだろうか。
平成3部作
身長80m、体重120t。1億5000万年の時を生きてきた亀型怪獣。
なお、3部作の世界では「亀」という生物が存在しないため、誰も「でっけぇ亀だ!」とは言わない。
3部作を通してどんどん見た目が変化しており、これはより完全に覚醒し、戦闘に適した体へと変化しているためだが、作品が進むにつれて顔は小顔に、背中の甲羅も鋭角的になっていくなど凶悪な外見になっていく。
環礁(=珊瑚の塊)のようになって眠りながら漂流していたが、ギャオスの覚醒と共に目覚め、その後もレギオンやイリスと壮絶な戦いを繰り広げる。最後はイリスを倒した後に炎上する京都で咆哮する姿だけが確認され、満身創痍でありながら日本に迫るハイパーギャオスの大群との戦いへ向かった事が示唆されていたが、その後ガメラがどうなったのかは描かれなかった。
能力
強靭な生命力・怪力は昭和ガメラと同じだが、プラズマエネルギーを使った技など、多彩な技を持つ。
- プラズマ火球
ガメラの代表的な技。火炎放射であった昭和ガメラとは対照的に口から火球を飛ばす。
体内の膨大なプラズマエネルギーと酸素を圧縮することで起きる超放電現象であり、万物を一瞬で消滅させる超高温の火の玉である。ギャオスならば数発で粉砕できるが、マイクロ波を操るレギオンには無効化され、イリスには弾き飛ばされた。
多めに酸素を吸って打ち出すハイ・プラズマ、相手を追いかけるホーミングプラズマ(劇中未使用)などの派生技もあった。※かなりマイナーではあるがPS用ゲーム「ガメラ2000」にてホーミングプラズマらしき攻撃を確認できる。 - エルボークロー
肘にある鋭い突起。1作目では決戦の最中に突然皮膚を突き破って出てきたが、2作目以降は出っぱなしになる。レギオンとの戦いではエッグチャンバーをズタズタにするなど、小さい割にその威力は高い。 - ウルティメイトプラズマ 元気玉
世界中の「マナ」を自分に集め、全てプラズマに変換、腹甲を開いて直接相手に照射する技。ガメラの生涯で一度しか使用できない大技であり、ガメラが使用できる中では最強の技である。
レギオンを一瞬で焼き尽くしたが、この技で地球上の「マナ」を大量に消費してしまったことが災いし、ハイパーギャオスの誕生やイリスの覚醒を招いてしまった。こうなる事はガメラも知っていたようだが、レギオン相手ではこの技を使用するしかなかったようだ。 - バニシングフィスト 爆熱ゴットフィンガー
イリスの撃ち出したプラズマ火球を右腕の切断口で受け止め、変化・凝縮させて「炎の拳」を作り出し、相手に叩き込む技。イリスに追い詰められた際に土壇場で編み出し、炎の拳をイリスの腹部に突き刺して爆散させた。
また、飛行能力については昭和ガメラと同じく、回転飛行と足だけを引っ込めて飛ぶ飛行が可能だったが、2作目からは出ている腕がヒレのように変化し、速度が若干落ちるものの機動力・旋回力がより増した高機動飛行形態も体得している。飛行しながらプラズマ火球を発射可能である。また、回転飛行のまま敵に体当たりしたこともある。
方法は不明だが、地中を高速で移動することも可能(第一作目の東京決戦時に地中から現れた)。
甲羅は非常に硬く、本来はどんな攻撃でもその防御を崩すことはできない。実際、ギャオスの超音波メスでは3部作通して一度たりとも甲羅に傷をつける事すらかなわなかった。
が、レギオンとの戦いでは後脚の一撃によって端部が欠損している他、イリスとの戦いでは腕甲によって腹部を貫通されているなど、作中で戦った怪獣相手では必ずしも絶対的な防御力を発揮できてはいない。また、回転飛行形態で人類のミサイル攻撃を喰らった時もさしたダメージにはならなかったものの、バランスを崩し不時着を余儀なくされた。
正体
超古代文明アトランティスが作り出した怪獣である。ギャオスは高度な遺伝子工学で生み出された怪獣であったのに対し、ガメラは遺伝子工学ではなく「マナ」という生命エネルギーによって作り出された怪獣である。
『3』では、ギャオスは超古代文明の内、人類は早く滅びるべきだと考える思想の人々によって作り出された怪獣であり、ガメラはそれに対抗するために「甲羅」にマナを集めて生み出された怪獣であった、という仮説が作中で語られている。
しかし、人類を守るのではなく「地球」を守ることを第一の目的として行動しているとされ、ギャオス殲滅のためならば人間への被害は基本お構い無しで、特に『3』でその性質が顕著に現れており、渋谷でのギャオスとの闘いでは数万人規模の人間を巻き添えにしている。その前の『2』でヒロインと心を通わせる鍵だった勾玉が砕け散り、以降彼女との交感は絶たれる事になった。
が、一方でその『3』でもギャオスの超音波メスから小さな子供を守ったり、イリスに取り込まれた女の子を右腕を犠牲にしてでも助け出しており、「人間との関わりを絶とうとしたが、結局絶てずにいる」と推測されていた。
角川ガメラ
トト
幼体
幼体時:手の平大~ゾウガメ大/志摩出現時:8m
幼体時:正確な数値なし/志摩出現時:900t
海岸の高台にて遊んでいた少年の透が見つけ、命名も彼によって為された。
後述の緋色真珠の上に乗っていた卵から孵り、透に飼われて育てられる。最初は手の平大の小亀だったのだが、その頃から既に手足を引っ込めて浮遊する事や包丁を焦がす程度の火炎を吹く事が出来た。
やがてゾウガメ大へと成長すると、透の前から姿を消し、緋色真珠を集めてそのエネルギーを吸収して力を蓄え、志摩にジーダスが出現した時には8mの大亀へと成長した姿で再び出現し、透を守ろうとする。
が、吸収したエネルギーが少なすぎたためか、体格的にもジーダスには程遠いものであったため、苦戦を強いられる。最後は何とか火球を吐いて退けたが、負傷が響きそのまま昏睡。自衛隊によって名古屋へと移送され、緋色真珠のエネルギーを与えられて回復を待った。
完全体
体高30mの大亀。
名古屋まで自分を追ってきたジーダスに追い詰められる中で、透たちが決死のリレーで持ってきた赤い石のエネルギーを得て完全に覚醒した状態。
「トトインパクト」と呼ばれるさらに強力な火球を吐く事が可能になっており、回転飛行の速度も大幅に上昇した。
圧倒的な力でジーダスを撃破し、最後は自衛隊によって確保されそうになった所を子供たちに救われ、空へと消えていった。
アヴァンガメラ
1973年に出現したギャオスと戦う。どのようにして人々の前に姿を現したか、なぜギャオスと戦っていたのか、またその正体や出自に至るまで一切不明。
三重県志摩の灯台岬で4匹のギャオスと交戦、1匹を撃墜するも次第に追い詰められ、最後はギャオスを巻き込む形で自爆した。
灯台岬がえぐれて離島と化すほどの威力であり、その際にガメラのエネルギーの固形物と思われる緋色の真珠が飛び散った。この真珠は壊滅した漁村の復興に役立ち、最後はトトを復活させることとなった。
ガメラ2015(仮)
2015年10月9日開催の「NewYork Comic-Con」にて公開されたシリーズ50周年記念映像作品に登場した個体。
スペックなどの具体的な設定は不明だが、身長は約70mだとされる。
上記のG3ガメラとアヴァンガメラを足して割ったような武骨な体付きと厳つい顔が特徴で、動く岩山を意識したという独特な形状をした重厚な甲羅を背負っている。
東京を襲うギャオスの大群の前に姿を現し、圧し迫るギャオスの群れを口からの火炎放射で一匹残らず焼き払った。それから10年後、新たに東京に出現した正体不明の怪獣とも対峙したが、その結末は描かれなかった。
ガメラ2023
2023年9月よりNetflixで配信中の作品『GAMERA -Rebirth-』に登場する個体。
本作ではCGアニメーションのキャラクターとしてデザインされている。
平成三部作の個体の裏設定をそのまま引き継ぎ、本作においてもかつて超古代文明が当時の人口問題を強引に解決するために生み出したギャオスやバイラスを始めとする怪獣達に対して“それらを逆に駆逐する一種のカウンターウェポンに当たる存在”という位置付けになっており、その怪獣が現代に蘇った事によって自身も覚醒し、怪獣が暴れている場所に現れては対象となる怪獣を殲滅していくと同時にその怪獣が優先的に狙っている人間の子供を守る事を行動原理としている。
極めてマッシブな体付きや太い四肢も含めて全体的に2015年版のガメラをさらにリファインしたような形態をしており、甲羅および体表面は岩肌のようにゴツゴツした荒々しい質感なのが特徴。
頭部も顎が厚く、緑の眼は頭と比較しても大きめで、その表情がだいぶ分かりやすくなっている。
凄まじい剛力を有し、敵怪獣の体を丸ごと掲げるように持ち上げる、相手の部位を掴んで振り回すなど、昭和時代さながらのレスリングじみたパワフルな戦い方をする。
飛翔時には『G2』以降の個体と同じく腕を鰭状に変化させ、さらにそこからもジェットエネルギーを噴射して飛行する。
主な技は全身から電光を迸らせてから吐き出す火球「火焔弾」および腕を高熱化させて敵の体を掴んで焼き尽くす「燼滅手」など。
他にも回転ジェット時の噴射エネルギーそのものを敵を攻撃する武器として活用する。
さらに敵怪獣が持っている生態の一部を戦いの中でラーニングしてそれを行使する事も可能。
登場作品
『ガメラシリーズ』を参照。
関連動画
関連静画
お絵カキコ
関連立体
関連コミュニティ
関連ニコニコQ
(折りたたまれています…クリックしてニコニコQに挑戦する)
関連項目
- 13
- 0pt