[Google 日本語入力チームのソフトウェアエンジニア吉田仁から Google 日本語入力の開発版のアップデートについての寄稿をもらいました - 山崎]

東京では桜が満開からだんだんと葉桜の季節へと変わりつつありますね。桜の花を愛でることを花見というならば、葉桜を愛でることは葉見とでもいうのでしょうか。満開の桜も綺麗ですが、これからは時が経つにつれ葉の緑色が入ってくるのも面白いので、通勤、通学の途中などで桜の木を見られる方は観察してみてはいかがでしょうか。

さて、来週月曜日、18 日以降に Google 日本語入力開発版がアップデートされることをお知らせします。開発版の新規インストールも、18 日以降に順次新しいバージョンへと切り替わります。主な変更点は以下のとおりですが、特に Mac 版をご利用になられている皆さまは今回のアップデートにご注意ください。

共通の変更点と既知の不具合

  • Web から構築された辞書をアップデートしました。
  • リアルタイム変換機能がデフォルトで有効になりました。この機能を無効にするには、設定ダイアログのサジェスト設定で、「リアルタイム変換を有効にする」のチェックを外してください。
  • 「MS-IME」「ATOK」「ことえり」の各キーマップに、「再変換」が追加されています。キー設定を「カスタム」に変更している場合は、自動で設定されないことに注意してください。
  • 再変換で編集をはじめた文字列の編集をキャンセルすると、再変換前の文字列に戻らないことがあります。
  • 長い文章の再変換には、長い時間がかかることがあります。

Mac 版の変更点と既知の不具合


  • Ctrl-Backspace キーによる確定取り消し機能を追加しました。この機能は対応アプリケーションでみ動作します。
  • 再変換に対応しました。この機能は再変換は対応アプリケーションでみ動作します。
  • 単語登録がMac版でも利用できるようになりました。

Windows 版の変更点と既知の不具合


  • 再変換に対応しました。この機能は対応アプリケーションでのみ動作します。
  • 文字入力パレット・手書き文字認識をサポートしました。なお、現在の手書き文字認識にはテスト用のモデルデータが使用されているため、認識精度は制限されています。モデルデータの更新は次回以降のアップデートで行われる予定です。
  • 確定取り消し時に、Shift/Control/Alt の押し下げ状態がクリアされる問題を修正しました。
  • 一部のアプリケーションと Windows Vista/7 環境の組み合わせで、入力中の文字が表示されなくなる問題を修正しました。
  • レジストリの HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layouts 以下に、本来とは異なるフォーマットのキーが存在する場合、Google 日本語入力のインストールに失敗する問題を修正しました。
  • 入力中の文字がサロゲートペア含む場合に、カーソルと候補ウィンドウの表示位置がずれる問題を修正しました。
  • VK_PACKET を部分的にサポートしました。現時点での動作は、MS-IME と完全に同じではありません。


既に開発版をお使いの場合は自動的に更新されますので、そのままお待ちください。バージョン番号は次のように更新されます。


  • Windows 版: 1.1.626.100 → 1.1.690.100
  • Mac 版: 1.0.558.101 → 1.1.690.101
  • オープンソース版: 1.1.626.102 → 1.1.690.102


今回、正式版に変更はなく、以下のままになります。


  • Windows 版: 1.0.556.0
  • Mac 版: 1.0.556.1



今回もヘルプフォーラムを通じてユーザーの皆さまにたくさん助けていただきました。いつも本当にありがとうございます。チーム一同、心より感謝しております。今後も皆さまからのフィードバックをお待ちしておりますので、お気軽にヘルプフォーラムをご活用ください。