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ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『シグナル』

2015-03-23 23:24:01 | Weblog


(原題:The Signal)


----おおおっ。
久しぶりの映画のお話。
まさか、ここからくるとは?
「うん。
やはりしゃべりやすいというのが決め手かな。
この映画、
いわゆる“先読み不能”のお話。
いや、もっと言えば“いま読み不能”」

----どういうこと?
「つまり、
いま現在、何が起こっているかが
観ている方にも分からないんだ。
もしかして、こうなんじゃないか、
ああなんじゃないか…と、
いろんな推測は成り立つわけだけど、
いまひとつ決めてに欠ける。
物語はそう難しくないんだけどね。
主人公はMIT(マサチューセッツ工科大学)に通うニック(ブレントン・スウェイツ)。
彼は、大学のパソコンにハッキングを仕掛けてきたハッカーの居場所を突き止めるため、
友人のジョナス(ボー・ナップ)やガールフレンドのヘイリー(オリヴィア・クック)とともにネバダを訪れる。
しかし、そこで何者かに拉致されてしまい、
気が付くと政府の隔離施設に監禁されていた…」」

----うん?
監禁、
そして何が起こっているか分からない…というと、
『CUBE・キューブ』を思い出すニャあ。
「そうだね。
ぼくもその映画は
チラっと頭をかすめた。
でも、監禁している人たちの姿が全く見えないあの映画と違って
こちらは彼を拉致している人々が姿を現す。
その一人がローレンス・フィッシュバーン演じる白い防護服の男。
彼はニックに隔離の理由を説明する。
それによると、
“何か”に感染されている…とのこと。
ここでぼくは、
今度は『キャビン』
さらには衆人環視の中での物語ということで
懐かしい『トゥルーマン・ショー』の記憶が甦った。
ただ、この2作品は、
少なくとも観客には何が起こっているのかは分かる仕組みとなっている。
ところがこの映画では、皆目見当がつかない。
そして物語は、さらに意外な方向へと転がっていく」

----ゴクッ。
ニャにが起こったの?
「うむ。
ニックの体にあることが施され、
その結果、彼は異常な能力を発揮するようになっていたんだ。
ここで、ぼくらは
ああ、ニックは宇宙人に改造手術を受けて、
ここの政府の人たちはその秘密、能力を解明しようとしているんだな…と思う。
ところがところが…」

----うわあ。早く先を聞きたい。
「だよね。
でもこれはここまでだな。
この後、ニックは昏睡状態のヘイリー、
さらには別のところに収容されていたジョナスとともに施設を脱出。
ところが、外にいる人たちの空気がどうもおかしい。
まるで宇宙人に魂を抜かれたような…。
あっ、ヤバいヤバい。
やっぱりここまでだな。
この映画、この奇妙なプロットを
この時代だからこそだれもが手にしうるVFX、つまりはCGを使って
自らのイマジネーションを最大限に魅せてくれる。
『ニューヨーク・ポスト』『12モンキーズ』『2300年未来への旅』『マトリックス』を引き合いに出し、
『USAトゥデイ』スタンリー・キューブリック、デヴィッド・リンチの再来と激賞。
その理由もよくわかる。
いわゆる情緒的な感動こそないけれど、
スクリーンに引き付けられたという意味では、
今年の一二といっても過言じゃないもの。
そうそう、ニックは事故で両足の自由がきかない。
それを苦にヘイリーとの関係を清算しようとしているなど、
彼ら3人のバックグラウンドの描き方も丁寧。
うむ。これは一見の価値あるね」




フォーンの一言「でも、こういう映画って
たいてい最後にがっくりということ多い度」身を乗り出す

※「でも、自分の感情を持って行かれてこその映画。たとえ、それがほら話に過ぎないとしてもだ度


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