官業民営化、後編は組織を巡る攻防について。 ご存じのように、元官業組織の多くは民営化の際に「分社化」というプロセスを踏む。日本国有鉄道がJRになる時にJR東日本、JR西日本など6つの旅客鉄道会社と貨物鉄道会社等に分割され、NTTもNTT東日本、NTT西日本などの地域会社の他、NTTコミニケーションズなどに分けられた。道路公団も同様だ。 そして今問題になっている日本郵政公社も、日本郵政株式会社になると同時に郵便業務、銀行業務、保険業務(かんぽ)、窓口業務の4つに、事業分割されている。 なぜ官業は民営化される際に「分割される」ことが多いのか? その理由がいくつかあるのでまとめておきましょう。 (1)都市から田舎への利益補填の停止 どの官業も長年の間に、ユニバーサルサービスの美名の下、「都市で儲けた利益を、次世代のための投資ではなく、地方の赤字埋めあわせに使う」という図式ができあがっている。国鉄