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2024年12月19日 田中 宇 ドナルド・トランプの米大統領就任までにイスラエルがハマスと交渉してガザ戦争を停戦し、停戦をアブラハム合意の条件にしているサウジアラビアが米イスラエルの努力を認め、トランプ政権の開始ととともに米仲裁のサウジとイスラエルの和解(アブラハム合意)への交渉が再開する・・・。事態は、そんな話になっている。 (Gaza hostage deal can be reached within a month, sources tell 'Post') ハマスの幹部は12月18日、イスラエルとのガザ戦争の停戦合意はすでに骨格部分が決まり、今週末までに署名できると述べた。停戦は何段階かになっていて、締結から45-60日間の第一段階は、ハマスが捉えていた30人の人質(死亡した人質の遺体を含む)をイスラエルに返還する。イスラエルはパレスチナ政治犯を釈放する。 イスラエル軍(IDF
2024年12月12日 田中 宇 アルカイダ系のHTS(レバント解放機構)がアサド政権を転覆した直後のシリアを、イスラエル軍が空爆・地上侵攻した。イスラエルは350発のミサイルを撃ち込み、シリア各地にあったアサド政権の軍事基地、兵器庫などを破壊した。シリア政府軍の軍備のほとんどが破壊された。ラタキアの海軍基地もミサイル攻撃し、シリア海軍の装備をすべて破壊した。 (Israel’s frenzied reality: When destroying an enemy navy isn’t the top news story - analysis) (Israel conducts more than 300 air strikes across Syria) イスラエルは、1960年代にシリアから奪って占領しているゴラン高原から、シリア内部に10キロ侵攻し、クナイトラまで幅10キロの地域を
2024年12月9日 田中 宇 12月8日、シリアのアサド政権があっさり転覆された。アルカイダ系の反政府組織HTSは、イスラエルがヒズボラを制圧してレバノンが停戦した翌日の11日28日に今回の決起を開始し、わずか11日で強かったはずのアサド政権を倒し、アサド大統領をモスクワ亡命に追いやった。 この間の戦闘での死者は兵士772人、市民138人にすぎない。激戦でなく、ダマスカスもホムスもほとんど無血開城だった。アサド政権は徹底抗戦して負けたのでなく、あまり戦わずして負けを認めた。 (What's next for Turkey in Syria) (War monitor says 910 killed, including 138 civilians, since Syrian rebel offensive) 独裁者のアサドが亡命していなくなる代わりに、その下のジャラリ首相以下、軍や治安組
2024年12月5日 田中 宇 韓国の尹錫悦大統領は、12月3日夜に戒厳令(非常戒厳)を発布したが、6時間後の4日未明には議会に覆され、撤回に追い込まれた。 韓国の政界は、野党の「共に民主党」が議会(国会)の過半数を握り、尹は以前から何度も弾劾決議案を出され、ぎりぎりの政局運営を続けてきた(野党の議席が、弾劾可決に必要な3分の2に達しておらず否決)。 最近は、尹が出した政府予算案を野党が大幅に減額した。しだいに追い込まれている尹は、一発逆転を狙って戒厳令を打ち出したが、惨敗した。 (South Korea’s Unsuccessful Self-Coup Could Complicate America’s “Pivot (Back) To Asia”) 今回の戒厳令に対しては、与党の「国民の力」の内部からも批判の声が強まっている。韓国が服従する米国も、アジア安保の重鎮であるカート・キャン
2024年12月2日 田中 宇 政権崩壊したドイツ政界で、支持と議席を増やしている右派政党(マスコミ権威筋リベラル派から見ると「極右」)のAfD(ドイツのための選択肢)が11月末、ドイツがEUやユーロ、温暖化対策パリ協定から離脱し、対露制裁をやめてロシアから石油ガス資源類などの輸入を再開することなどを掲げた新公約を発表した。 1月の党大会で正式決定し、来年2月の連邦議会選挙の公約にする。AfDは、これまでの公約でもEUを批判していたが、離脱を掲げたのは初めてだ。欧州最大の経済大国で、EUやユーロの中心であるドイツが離脱すると、EUもユーロも崩壊してしまう。 (on{}Germany's far-right AfD to campaign to leave EU, euro and Paris deal) (Germany's far-right AfD vows to part ways
2024年11月29日 田中 宇 11月27日、イスラエルがヒズボラとの停戦に同意した。イスラエルは9月からの戦闘で、ヒズボラの軍幹部のほとんどを攻撃で殺し、兵器庫など軍事拠点の多くも潰したと考えられるので、米国やロシアに仲裁させて停戦した。 (Report: Lebanon Ceasefire To Be Announced, To Begin Wednesday at 3:00 AM EST) ヒズボラは、イスラエル国境からリタニ川北岸まで撤兵し、その地域に代わりにレバノン政府軍が入って治安維持する。この交代の過程を監視するためにイスラエル軍がレバノンに入る。 交代過程は2か月で終わり、トランプ就任の前後には停戦態勢が確立し、イスラエル軍がレバノンから撤退する。これはネタニヤフからトランプへの「贈り物」の一つ(トランプが戦争を終わらせたという功績の付与)であり、そのため今の時期に駆け込
2024年11月17日 田中 宇 これは「中東全体解決の試み」の続きです。 3日前に書いた、イスラエルとヒズボラ(レバノン)の停戦を軸にした中東全体解決の試みが、さらに進展している。ロシアとイランが、停戦や和解の交渉の中に招き入れられている。 イスラエルは(米国でなく)ロシアが停戦仲裁役の中心になるのが良いと考え始めている。イスラエルは、イラン、シリア、ヒズボラのイラン系3勢力を譲歩させて、停戦や安定化(冷たい和平体制の構築)を実現したい。米国はイラン・シリア・ヒズボラのすべてを敵視してきたので交渉や対話のパイプがない。対照的に、ロシアは3勢力のすべてと仲良くしてきたので、簡単に交渉の仲裁役になれる。 (Israel looks to strike deal with Russia to crush Hezbollah and bring peace to Lebanon) (At War
2024年11月14日 田中 宇 ドナルド・トランプの当選後、中東の敵対関係を全て解決していこうとする試みが進んでいる。いま中心になっているのは、米露(トランプ、バイデン、プーチン)が仲裁してイスラエルとヒズボラを停戦させる策だ。 イスラエルの戦略担当相ロン・デルメルが、ヒズボラの代理をつとめるロシアを秘密訪問した後、11月11日に訪米してトランプやバイデンと会った。(1)ヒズボラがレバノン南部でリタニ川以北まで撤兵する(2)代わりにレバノン国軍が警備に入る(3)それらを見届けて2か月後にイスラエル軍が撤兵する、という停戦案を検討しているらしい。 (Significant efforts to end fighting in Lebanon underway with both Trump and Biden support) (Dermer to discuss Lebanon ceas
2024年11月10日 田中 宇 11月5日の米大統領選挙でトランプが快勝した。共和党は、連邦議会の上下院の多数派も取って圧勝した。開票は円滑で、選挙結果への不満や拒否も表明されていない。 2020年の前回大統領選や、2022年の中間選挙ではいずれも、投票日夜の開票作業中に各地の開票所で不可解な出来事が連続し、翌日になっても結果が確定しなかった。 だが今回は不可解な出来事がほとんど起こらず、投票終了から8時間ぐらい後の翌日の未明(PST)にはトランプの勝利が確定していた。米国にしては珍しく、開票時の騒動がなかった。やればできるじゃん(笑)。 ("You Still Don't Understand How You Lost") トランプは、米国の上層部を支配する諜報界(深奥国家=DS)を潰すために大統領になった。諜報界には、こっそり米覇権を崩して世界を多極化したい勢力もいて、彼らが米上層を
2024年11月2日 田中 宇 イスラエルは、ガザでの虐殺と、レバノンでのヒズボラ潰しの両方が仕上げの段階に入っている。イスラエルはガザ北部で、本当の市民はすでに全員南部に避難したはずだと考え、北部に残っている市民をハマス要員とみなし、無差別な殺害を開始している。ガザ北部の人々を全員殺し、建物を瓦礫の山にした後、ユダヤ人入植地に転換する計画も始まっている。パレスチナとしてのガザ北部は抹消されつつある。 イスラエルは、国連のパレスチナ支援機関であるUNRWAを親ハマスとみなし、パレスチナ(ガザと西岸)での活動を正式に禁止した。イスラエルはパレスチナを抹消していく計画だから、UNRWAも不必要だと考えている。 (Entire northern Gaza population at risk of dying) (For 75 years, UNRWA has sought to undermi
2024年11月1日 田中 宇 11月5日の米大統領選挙は、民主党側(の背後にいる米諜報界の覇権維持派)が徹底的な選挙不正をやらない限りトランプが勝つ。マスコミの接戦報道のウソと裏腹に、ハリスは人気が落ちている。米国では、リベ全系のマスコミでさえハリス批判の記事を出し始めている。 (Economic concerns are top of voters' minds, but Kamala Harris is choosing a different path for her closing argument) (米大統領選、裏の仕掛け) 全力で動くべき選挙戦の終盤なのに、ハリスは先週2回も休みをとった。もう勝てないとわかっているかのようだ。もしくは、徹底的な選挙不正による「ニセの勝利」が確定しているのか。 (Kamala spends second straight campaign-f
2024年10月29日 田中 宇 BRICS諸国は、10月22-24日にロシア中央部のカザンで開いた年次定例サミットで、米英が作った既存の世界経済システムに依存しない、独自の経済システムを構築する過程を(一応)完了した。 BRICSクリア、ブリッジ、ペイ、ユニット、保険、格付けなど貿易、決済、通貨に関する機能。穀物取引所から産業運輸インフラやデジタル環境の共同整備まで、多分野にわたる経済システム構築がサミットの宣言に盛り込まれている。 (Kazan Declaration) (BRICS summit: Key takeaways from the Kazan declaration) 2022年2月のウクライナ開戦後、米国側から強烈に(不当に)経済制裁されたロシアと、次に制裁されそうな中国が結束し、制裁を乗り越えるために、BRICSを主導して対米自立した非米側システムの構築を開始した。
2024年10月22日 田中 宇 米民主党とその支持勢力(トランプに果たし合いを挑まれている米諜報界や、その傘下のマスコミなど)は、間もなく行われる米大統領選で、違法移民に投票させるとか、郵送投票制度を悪用するとか、投票機をハッキングするなどの手口で、選挙不正をやって不人気なカマラ・ハリスを勝たせ、トランプを不正に負けさせようとしている。 民主党系は、2020年の前回大統領選や2022年の中間選挙でも選挙不正をやってトランプや共和党を不正に負けさせた。 (Elon connects the dots in Dems’ election fraud plot, and he’s 100% spot-on…) (ずっと続く米国の選挙不正) 民主党政権は以前から、米墨国境から違法移民を大量に流入させることに積極的だった。民主党系のお世話係が違法移民を全米に散らばって住まわせ、身分証確認しない体制
2024年10月14日 田中 宇 ウクライナが、朝鮮半島のように、停戦したが終結せず対立状態が何十年間も続くという予測が出ている。ウクライナの朝鮮戦争化は、9月末にセルビアの親露なブチッチ大統領が最初に指摘した。 ウクライナ戦争が朝鮮戦争のようになって30年続きそうだというブチッチの指摘についてコメントを求められたロシアの大統領広報官が朝鮮化の可能性を否定しなかったため、騒ぎが大きくなった。 (Serbian President suggests war in Ukraine will end according to Korean scenario) (Putin's chilling warning over 'Korean scenario' after claims war won't end for 30 years) ゼレンスキーのウクライナ政府は、黒幕の米国から稚拙な軍事戦略
2024年10月09日 田中 宇 イスラエルがヒズボラを猛攻撃して弱体化させている今年7月からのレバノンの戦争が、数年前から事実上終わっているシリアの内戦を再燃させそうな流れになっている。 イスラエルは9月27日にヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララら10人以上の将軍(軍幹部)を空爆で殺害し、兵器庫などの軍事拠点を破壊した。その後、ナスララの後継者になったサイフディーンも、そのまた後継者も、イスラエルに殺害された。 ('We killed Nasrallah’s replacement and the next in line,' Netanyahu tells Lebanese people) (イスラエルのレバノン攻撃し放題) ヒズボラは大打撃を受けている。ヒズボラびいきのオルトメディアは、ヒズボラがレバノン社会に深く根ざしているので復活してイスラエルを占領の泥沼に陥れると勧善懲悪的
2024年10月2日 田中 宇 イスラエルが9月27日にレバノンのハッサン・ナスララらヒズボラの指導者たちを空爆で殺害し、レバノンへの地上軍侵攻も開始した後、ヒズボラの親分であるイランが10月1日にイスラエルに180発のミサイルを撃ち込んで報復攻撃した。 イスラエルは、4月にシリア駐在のイラン大使館を空爆した時も、イランから無人機群などで報復攻撃されているが、今回のイランからの攻撃は、4月の時よりかなり大規模だった。ついにイランとイスラエルが本格戦争に入って中東全体を巻き込む大戦争になりそうだとか、第三次世界大戦だとか騒がれている。 (イスラエルのレバノン攻撃し放題) だがイランの外務省は、ミサイル攻撃の同日、これからイランがレバノンに追加の軍勢を派遣してヒズボラをテコ入れすることはないと発表している。イランはイスラエルとの戦争でなく、中東の安定を望んでいる、という趣旨だった。 イスラエル
2024年10月1日 田中 宇 日本の石破茂新首相は、中国包囲網の色彩を持つアジア版NATOの創設を提唱したり、8月に台湾を訪問するなど、中共の敵として名乗りを挙げている。独自の中国敵視でなく、中国敵視を強める米国のお先棒担ぎをしたがっている感じだ。 日米同盟をアジア版NATOに転換すると、本家NATOほどの縛りがないとしても、日本は自国周辺の防衛だけでなく、西太平洋からインド洋にかけての広域な中国包囲網に軍事関与・戦争準備せねばならない。米国から褒められること以外に、アジアの他国の領域に出ていって中国と敵対することに意味があるのか、という話になる。 米国は最近、中国との敵対を強める目的で、台湾への軍事関与を強めている。今回、石破が総裁選に出る前に訪台したことは、首相になれたら日本として台湾への関与を強め、米国の中国敵視の尖兵になりますよという表明になっている。 石破は、日本を中国の敵に仕
2024年9月29日 田中 宇 9月27日、イスラエル軍がレバノンのベイルート郊外を猛烈に空爆し、強力なシーア派民兵団ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララと10人以上の将軍たちを殺した。 イスラエルは1970年代から断続的にレバノンを侵攻し続けており、ヒズボラは1975年の創設以来、イスラエルとずっと戦争してきた。 レバノンは、宗派宗教ごとの多様な勢力が米仏などによる分断政策によって対立させられ、恒久的に政府が脆弱だ(イスラム教のスンニ派32% シーア派31% ドルーズ派5%、 キリスト教32%)。ヒズボラは国軍よりもずっと強い。 ヒズボラは軍部だけでなく議員団など政治部門も持ち、サウジに支えられたスンニ派をしのぎ、近年は国内最強の政治勢力になっている。ヒズボラは貧困救済の社会部門も持ち、シーア派の枠を超えて広範な支持を得ている。 イスラム世界の中でも、イスラエルのパレスチナ占領・虐待・
2024年9月27日 田中 宇 米大統領候補ドナルド・トランプに対する2回の暗殺未遂な銃撃事件はいずれも、トランプを敵視する米諜報界・米当局が、実行犯たちに、警備放置や情報提供などの支援をしていた可能性が高い。 7月13日に、20歳のトーマス・クルックスがペンシルバニア州バトラーで選挙演説中のトランプを銃撃した。この事件では、犯行前にクルックスが建物の屋根によじ登るところや、その前に周辺を不審な感じでうろつくのを、地元警察の要員が発見して上官に報告したが、そういうことの担当は連邦当局であり、連邦側がやってくれるから大丈夫だと言われ、犯行準備を進めるクルックスが放置された。 連邦当局の狙撃担当者は、屋根に登ったクルックスを見下ろせる別の屋根の上にいて、クルックスがトランプに向かって発砲するまで何もせず、クルックスが発砲した直後に射殺した。黒幕が実行犯を口封じのために殺した感じだ。 これらの話
2024年9月24日 田中 宇 フランスのマクロン大統領が9月23日、欧州はウクライナ終戦後にロシアと関係改善すべきだと表明した。 マクロンは、対露関係に関してもともと風見鶏だ。ウクライナ開戦直後の2022年6月にはロシアを追い詰めない方が良いと言っていたが、その後ウクライナが勝ちそうだと思ったのか、好戦派に転じた。 今年初めには、ウクライナの対露敗北を避けるため、NATO軍のウクライナ派兵が必要だと発言し、代理戦争を態勢を変えたくないNATO諸国の多くから拒否されている。 (Macron calls for new international order in response to war in Ukraine) そして今回マクロンは、ウクライナがもう勝てない状態になっていることに加え、マクロン自身の人気低下と連立政権内の不和拡大への対応策として、フランスや欧州での厭戦機運の高まりに呼
2024年9月17日 田中 宇 今年7月、バイデン米大統領が、それまで隠していた認知症を理由に、11月の大統領選挙への出馬を辞退せざるを得なくなる米民主党内のクーデター的な展開があり、すったもんだの末に、副大統領のハリスが大統領候補になった。 ハリスはそれまで、副大統領として無能だと指摘されることが多かった。だが、大統領候補になったとたん、マスコミは、ハリスを有能な副大統領として描き始める歪曲報道を開始した。 11月の選挙に向けてハリス陣営が打ち出した政策は、バイデン政権を継承するか、もしくはインフレ対策として失敗必須の左翼的な価格統制を打ち出したが不評で撤回するといった頓珍漢さだが、マスコミは、ハリスが独自の良い策、トランプよりもすぐれた策を打ち出していると喧伝し始めた。 (Why Kamala Harris Will Not Bring Prices Down... Her Plan
2024年9月13日 田中 宇 西欧で「リベラル全体主義(リベ全)」が強まっている。多くの西欧諸国やEUの上層部は、リベラル派(左派)とグローバリストが権力を握ってきた。彼らは10年ほど前から、(無根拠な)温暖化人為説に基づく石油ガス利用の強制的な減少とか、中東アフリカなどからの移民・(偽装)難民の大量受け入れなど、間違った政策を、リベラル主義の名のもとに積極的に進めてきた。 彼らは、2020年に新型コロナが広がると、効果がないのが事前にわかっていたのに都市閉鎖策(ロックダウン)を強行して経済を自滅させ、効かなくて有害なmRNAワクチンの接種を市民に強要し、従わない人々を制裁・懲罰した。リベラルが、本来の定義(寛容派)と正反対の、全体主義の本性を見せ始めた。これがリベ全だ。 (欧州エリート支配の崩壊) (エスタブ自滅策全体主義の実験場NZ) (今夏は暑いけど、その原因が石油ガス利用などの人
2024年9月6日 田中 宇 ロシアの「極悪さ」の象徴とされるものの一つに、国際刑事裁判所(ICC)が2023年3月にプーチン露大統領を人道上の罪で逮捕請求した件がある。プーチンがロシアの軍など当局に命じて、ウクライナで占領した地域から人々(子供たち)を拉致してロシアに連れ去った、とICCは断罪している。 (Defendant : Vladimir Vladimirovich Putin) それはひどい、と米欧日の人々は思っている。だが、プーチンやロシアの担当者たちが、どのように子供を拉致したのかという具体的な点になると、急に話が曖昧になる。ICCが発表した逮捕状は罪状について「ウクライナの占領地から人々・子供たちを違法にロシアに移動させた」としか書いていない。 ICCは逮捕状を発表しないことも多く、自分が起訴・逮捕請求されていることを知らない人が、ICC加盟国に行った途端に逮捕されたりす
2024年9月4日 田中 宇 9月3-4日にロシアのプーチン大統領がモンゴルを訪問した。彼の5年ぶりのモンゴル訪問は、2つの意味で世界的に重要だ。一つは、ICC(国際刑事裁判所)の逮捕状をモンゴルが無視したこと。 2つ目は、そこから派生する話として、昨年から米国がモンゴルを露中敵視の国に転換しようとしていたのがどうやら失敗し、モンゴルが再び露中と仲良くしていきそうな流れの開始を、今回の訪問が示したことだ。 (Mongolia’s Embrace Of Putin Despite His ICC Warrant Exposes South Africa’s Political Cowardice) ロシア北極圏のヤマル半島のガス田から、天然ガスをモンゴル経由で中国に送るパイプライン「シベリアのちから2」を作る計画がウクライナ開戦前からある。だがモンゴル政府は今年5月、昨年来の対米接近を反映し
2024年9月3日 田中 宇 11月の米大統領選はトランプとハリスの対戦になったが、ハリスはしどろもどろで、マスコミの歪曲報道だけが頼りで、極左・リベラル全体主義の自滅策をたくさん盛り込んでしまっており、人気がない。 対照的にトランプは銃撃されても死なず、不死身さを醸成して人気を上げている。民主党支持者の何%かを引き連れて離党したケネディ家のRFKジュニアもトランプ支持を宣言した。ふつうに考えればトランプの圧勝になる。 (Elon Musk Warns Censorship Of X "Is A Certainty" If Kamala Harris Wins) (Clips trickling out… so far, Harris flubbed CNN interview…) トランプは2017年、米国と米覇権を支配する勢力(エスタブ、深奥国家、軍産、諜報界、マスコミ)を、草の根のち
2024年9月1日 田中 宇 イスラエル軍(IDF)が8月28日から、ガザで昨秋からやってきたような、パレスチナ人に対する攻撃・破壊・虐待などの人道犯罪を劇的に強める軍事作戦を、ヨルダン川西岸でも開始した。 この作戦の目的は、西岸を破壊してパレスチナ人の居住を不可能にして、西岸市民を難民化させてヨルダン川東岸のヨルダン王国に追い出す「パレスチナ抹消」だろう。昨秋からのガザ戦争の目的が、ガザを全面破壊して居住不能にして、ガザのパレスチナ人をエジプトに追い出すガザ抹消であるのと同じだ。 (Israel Steps Up Assault on the West Bank, at Least 18 Palestinians Killed) (Masked Israeli Army and Police Forces Attack Palestinians in West Bank, Eyewitn
2024年8月27日 田中 宇 最近、ウクライナ戦争がずっと続くのでないかと思い始めている。「ずっと」とは、5-25年とか。 これまでは、トランプが米大統領に返り咲いたら和平交渉を仲裁して停戦和解を実現するとか、ゼレンスキーが習近平に頼んで和平交渉が始まるとか、ロシア軍がオデッサなどに進軍・占領してウクライナが分割されて戦争当事者がいなくなって終わるとか、いろんな戦争終結への道が予想されていた。 NATOとロシアの直接交戦に発展して、核戦争の第三次世界大戦になる説もありえた。 (Kursk Attack Derailed Partial Ceasefire Deal) (習近平がウクライナの停戦を仲裁しそう) しかし、露軍がドンバスからオデッサの方に占領を拡大していかない現状や、8月6日からのウクライナ軍のクルスク侵攻へのロシアの対応を見ていると、プーチンのロシアはウクライナ戦争を膠着した
2024年8月14日 田中 宇 8月6日、ウクライナ軍がロシアのクルスク州に越境侵攻した。ウクライナ軍は8月13日の時点で、40キロの幅で国境を侵犯し、国境から12キロの地点までの地域を、6千-1万人規模の兵力で占領している。この侵攻で、ロシアの18万人が避難民になっている。 クルスク県は、ウクライナ戦争の主な戦場となっているドンバス地方から100キロほど北に離れている。国境は警備隊が守っていたが人数は少なく、侵攻してきたウクライナ軍に投降せざるを得なかった。露側は、不意を突かれて侵略されたことになっている。 (Kursk attack: This is why Zelensky felt emboldened) だが、考えてみるとこれはおかしい。ロシアは、上空からウクライナ側を常に細かく監視しており、国境に近づくウクライナ軍を越境前に捉え、ミサイルなどで破壊できたはずだ。露軍の初動が遅れ
2024年8月11日 田中 宇 イスラエルが、イラン系の諸勢力と「5正面」戦争を開始したと自称している。(1)レバノンのヒズボラ、(2)シリアと(3)イラクのイラン系民兵団、(4)イエメンのフーシ派、そして(5)イラン本体という5つの勢力との同時戦争だ。5つの中に、ガザで戦争しているハマスは入っていない。ハマス以外に5正面だ。 イラン系勢力から戦争を仕掛けたのでなく、イスラエルから5正面戦争を仕掛けた観がある。 (Israel isn't crazy, it's just MAD) イスラエルのネタニヤフ首相は7月24-26日に訪米し、米議会超党派、民主党バイデン政権、共和党トランプという、米国上層のすべての政治勢力からの全面支援を取り付けた。 ネタニヤフがイスラエルに帰国した翌日(7/27)に、イスラエルがシリアから奪って占領しているゴラン高原の入植地(ドルーズ派)がロケット攻撃されて3
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