TikTokで感想を発している人のおかげで本がたくさん売れ、版元も著者も書店も大喜びという素敵滅法界に水をさすツイートをして、申し訳ありませんでした。 大変貴重なご意見の数々、ありがとうございます。今後の書評活動の参考にさせていただきます。
https://anond.hatelabo.jp/20210215101500 エドガー・エラン・ポオ「モルグ街の殺人」 ・しょうもない犯人、しょうもない気付き、しょうもないミステリの元祖。 ウィルキー・コリンズ「月長石」 ・長さのわりにミステリを期待して読むと徒労に終わる。ドラマ観れば十分。 コナン・ドイル「シャーロック・ホームズの冒険」 ・長編よりいくらかマシという程度。 モーリス・ルブラン「怪盗紳士ルパン」 ・南洋一郎訳のほうがおもしろい。 ロナルド・A・ノックス「陸橋殺人事件」 ・いわゆる「ノックスの十戒」を定めた著者だが、作品は凡庸。 フョードル・ドストエフスキー「罪と罰」 ・ミステリか? 別にいいんだけど。主人公の臭い自意識に長時間堪えられるのなら。手塚治虫の漫画版で十分。 コンラッド「闇の奥」 ・「闇の奥」そのものより、「闇の奥」をもとにした無数のコンテンツのほうがおもしろ
大絶滅恐竜タイムウォーズ (ハヤカワ文庫JA) 作者:草野 原々出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/19メディア: 文庫『最後にして最初のアイドル』の草野原々による………なんだ? なんだかよくわからないが、とにかく進化と宇宙と時空がめちゃくちゃになって女子高生たちが殺し合ったり時空を歪ませたりする話であり、塩澤氏の帯コメント『草野原々は、至高のSFであることに殉じた。』とあるように、少なくともSFであることは間違いない。 また、18人の女子高生が人類の命運を賭けて異なる進化の道を歩んだ知性ネコとデスゲームを繰り広げる『大進化どうぶつデスゲーム』の続篇である。前作の内容を踏まえ意図的に破壊しにいった作品なので、前作を読んでいるにこしたことはないけれど、前巻の流れは本作でも説明されるし、後の紹介を読んでもらえればわかるようにすべてが崩壊していくので、読んでいなくても問題ない。
PR 別冊少年チャンピオンがリニューアルするそうで。表紙からして今までと全く別物な雰囲気。 表紙にドン! と出ているように、阿部共実の新連載が始まるというのは、マンガファンには大ニュース。待ってました! さまざまなところで連載していましたが、雑誌として別チャンに帰ってくるのは2012年『ブラックギャラクシー6』以来です。 待ってましたよ!! 思春期の少年少女を中心に、どうにもうまくいかない日々を描くことに長けた作家。ユーモアもかなりあるけれども、読んだ後、閉じたはずの過去のパンドラの箱が開いてしまう。黒歴史なんて言葉でくくれない、もっと悲しくて、どうしようもない気持ち。 代表作『空が灰色だから』『ちーちゃんはちょっと足りない』『月曜日の友達』を中心に、阿部共実の描くうまくいかない人たち、読んでいて心がざわつく部分をピックアップしてみます。 ネットを走った『大好きが虫はタダシくんの』ショック
ご縁あって、ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドさんの自伝『THE LAST GIRL』の私の書評が東洋経済オンラインに掲載されました。 Amazonはこちら→ THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語― 楽天ブックスはこちら→ THE LAST GIRL イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語 [ ナディア・ムラド ] 本件でむつかしいのは「イスラム国(ISIS)と言っても、その衝撃は伝えられても体感としてはなかなか日本人には伝わらない」ことであり、ナディアさんのような北イラクに住んでいたクルド人、それも、地場の少数宗教であるヤズィーディー教の苦難となるとまったく想像の果てにあるんじゃないか、という点です。 イスラム国の勃興については衝撃的にとらえられ、池内恵さんの『イスラーム国の衝撃 (文春新書)』や黒井文太郎さんの『イスラム国の正体 (ベスト新書)』
書名に惹かれて読むというタイプの本がある。この『男が痴漢になる理由(斉藤章佳)』(参照)もそれである。私は男性だが、なぜ男性の一部が痴漢になるのか、正直なところまったくわからない。こう言うとしらばっくれたように受け取る向きもあるだろうが、痴漢というものにまったく共感的な了解ができない。ついでに言うと、下着泥棒というのもまったくわからない。ただ、これら二種について言うなら、どうやら下着泥棒というのは、日本に特有と言ってよいらしく、基本的に市場価値のないものを盗むというのは国際的にはなさそうだ。そして痴漢もそれに類する日本特有の現象のようでもある。つまり、痴漢も下着泥棒も日本文化的な現象かもしれない。とはいえ、本書を読んでみて、そういう部分の説明として照合するものは明示的にはなかったように思う。 著者は「精神保健福祉士」で、本書もその経験によって書かれているので、客観的な全体的な分析とは言えな
日本のニュースでもバカ売れしていると紹介されていたドナルド・トランプの曝露本"Fire and Fury"(このタイトルは本編最後の方に出てくる北朝鮮向けにトランプが発したハッタリの脅し文句から取っている。もちろん、トランプがこんな気の利いた言い回しを自分で思いつくはずはなく、大元は聖書の一節。)を週末いっぱいかけて読んだので、備忘録として書く。 この1年間、テレビ、新聞、ネット記事と、ずっとニュースに張り付いてリアルタイムでトランプがらみのスキャンダルを追ってきた。だからヤツが寝るときにテレビ3台同時に観ながらバスローブ姿でチーズバーガーを頬張っているとか、父親が昔マジソン・スクエア・ガーデンを満場にするほど大規模なネオナチの集会に出ていたことなんかも知ってたんで、たいして驚きはなかったんだけど。でもなんでグルメな生活ができるお金持ちが、自らスキ好んでマクドナルドのハンバーガー食べてるか
うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 作者: 田中圭一 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/01/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (15件) を見る おれは田中圭一のファンである。『神罰』だって最初に単行本で出たときに買った。ネット上で公開されている漫画(『ペンと箸』)だって面白いし、本人がたまにTwitterに投下するネタだって好きだ。 が、この『うつヌケ』は、世間の評判とは裏腹に、どうも読んでいて胸糞悪くなった。だって、紹介されている人間が、人類の上位2%、多く見積もっても5%くらいに入るような人ばかりなのだもの。 ともかく、仕事ができる、特別な才能がある、成功を収められる、それだけのスペックがある人間ばかりだ。「無理をしなくて休んでいいんだ」で休む金銭的な余裕がある、あるいはよりどころになる親だの配偶者だの、家族がいる。そんな上流の人間が大うつ病
『チャヴ』、聞き慣れない言葉である。もとはロマ族の「子供」を指す言葉「チャヴィ」から来た、英国において用いられる「粗野な下流階級」を指す蔑称である。いくつかの英語辞典を調べてみると、「生意気で粗野な態度によって類型化される若年下流階級(オクスフォード英語辞典)」、「教養の欠如や下流階級であることを、その衣服や話し方、行動があらわすような人を示す蔑称。通常は若者を指す。(ケンブリッジ英語辞典)」、「たとえ高価であっても、その趣味が低俗であるとされる若い労働者階級(コービルド英語辞典)」などとある。 さんざんな物言いである。しかし、これらの定義を全部あわせても、チャヴという言葉を正しく理解するには足りないようだ。そこには「公営住宅に住んで暴力的」、「中流階級の謙虚さや上品さがなく、悪趣味で品のないことにばかり金を使う浪費家」、さらには、「暴力、怠惰、十代での妊娠、人種差別、アルコール依存」とい
最近のHONZの流行りから言うと、鳥類学者だからといって鳥が好きとは限らないそうだが、クマムシの研究者はどうなのだろうか? HONZメンバー堀川 大樹が上梓した『クマムシ博士の クマムシへんてこ最強伝説』は、ある意味「恋愛本」として扱っても差支えないくらいだという。こちらも負けず劣らずバッタを愛するバッタ博士・前野 ウルド 浩太郎氏に、本書の魅力を寄稿いただきました。(HONZ編集部) 研究者は、自分の研究対象を愛している者が多い。それが、動物であろうと、植物であろうと、無機物であろうとも。 本書を読めば、クマムシ博士こと堀川大樹博士がクマムシを愛しているのがしみじみとわかり、溺愛っぷりを随所に見ることができる。ある意味、この本は「恋愛本」として扱っても差支えはないだろう。 本書は、「クマムシ」にまつわる科学本である。研究関係の文は「おかたい」ことが多く、繰り返し読み直し、反芻することでよ
書店内でいやでも目を引く、虫取り網をかまえこちらを凝視する全身緑色のバッタ男の表紙。キワモノ臭全開の本書だが、この著者はれっきとした博士、それも、世界の第一線で活躍する「バッタ博士」である。本書はバッタ博士こと前野ウルド浩太郎博士が人生を賭けてバッタの本場アフリカに乗り込み、そこで繰り広げた死闘を余すことなく綴った渾身の一冊だ。 「死闘」と書くと「また大袈裟な」と思われるかもしれない。だが著者が経験したのは、まぎれもない死闘だ。あやうく地雷の埋まった地帯に足を踏み入れそうになったり、夜中に砂漠の真ん中で迷子になったり、「刺されると死ぬことのある」サソリに実際に刺されたりと、デンジャーのオンパレードである。 なぜ、そこまでの危険を冒さねばならなかったのか。油田を掘り当てるためでも、埋蔵金を発掘するためでもない。そう。すべては「バッタのため」である。 昆虫学者に対する世間のイメージは「虫が好き
世の中には「SF小説」というちょっと偏ったジャンルがありまして、およそ一般的な読書傾向の方々は、あまりこのジャンルに触れない傾向があるような気がしています。 「そのジャンルを別段偏愛していない人でも手にとる本」 と 「そのジャンルを偏愛している人でないと手にとらない本」 というのがありまして、SFというジャンルには後者の割合が著しく多いような肌感があります。 面白いんですけどね、SF小説。 しんざきは昔からのSF小説好きでして、国内SFも読めば海外SFも読みます。 どちらかというと海外の、ちょっと古めのタイトルが好きな傾向があるかも知れません。ブラッドベリとか、カードとか、ティプトリーとかが特に好きです。国内だと神林長平先生を偏愛しています。 が。これは恐らく、SF好きの人なら結構多くの方が同意してくださると思うんですが。どれか一作、ありとあらゆるSF小説の中での最高傑作を選べと言われれば
Kaya Hojo @kaya_hojo 新刊『インターネットで死ぬということ』(イースト・プレス)発売になりました。自分で言いますが今までの本とは違った面白さがあると思うので、よろしければお手に取ってみて下さい。 pic.twitter.com/NsIR95xSFA 2017-04-16 16:50:55 Kaya Hojo @kaya_hojo 誰からも嫌われたくなくて、誰からもブスとかババアとか言われなくて、これまで誰の批判もせず、みんなに好かれる存在になろうとやってきたのに、いつも「ケンカ売ってる」「上から目線」といわれる。 ameblo.jp/kaya-hojo/entr… 2017-04-16 18:24:30 吉田光雄 @WORLDJAPAN 北条かや『インターネットで死ぬということ』読了。社会学に目覚める前の学生時代の描写が異常に面白かったです。ほとんどアスペルガーの症例集
いまだに十戒や二十則を「踏むべき手順」として持ち出してくるって、うみねこでミステリ知識止まってる人か? それはともかくファンタジーとミステリの相性が悪いというのはあながち間違ってないし、 ループもの×ミステリはミステリ史的には「SFミステリ」に分類されるものだったと思う。 ミステリ読者には事件や探偵の前に「厳格なルールづくり」にプライオリティを置く人が多くて そういう人たちが「ファンタジーミステリはなんでもありだからダメなんだ」と言う こういう人たちの主張にも一理ある ファンタジーとミステリをかけ合わせた作品には「ルール設定」をぼかしているものが多い でもこれはちょっとしたジレンマで あんまりその世界独自のルールをカチカチに固めちゃうと読んでる読者の方が「お前の決めたルールやんけ」と白けてきちゃうし じゃあ逆に現実世界の物理法則やロジックにそった解決へもっていくと「ファンタジーの世界観にし
※この記事は4000文字弱なため、1500万文字の4000分の1近くという前提でお読みください。 25歳以上の社会人で、アニメやラノベをちょっとかじってるレベルのネットおじさん達、ご機嫌いかがでしょうか。 なんか最近、WEB小説発のコンテンツが増えてきたけど、読みもしないで適当なレッテル貼って溜飲下げていませんか? それは老化の始まりですよ! 読まず嫌いで「似たような異世界テンプレばっか乱発して知性の低下なの?」とか考えていた時期が私にもありました。 それでも、曲がりなりにも一大ジャンルを築き上げ、大型書店では本棚一列全部がWEB小説発なんていうこのご時世です。 「読みもしないで批評するのはプライドが許さん!」というビブリオマニアとしてのよくわからん意地だけで努力した結果が、3ヶ月で1500万文字強(2016年2月調べ)だよ!!!! 本当に、私は何と戦っているんですかね? Kindleの積
「都市と星」は1956年にアーサー・C・クラークによって書かれた作品で、生や死までもが都市に管理される未来を描いている。ここで言う死は都市に回収されることであり、回収された人は赤子に作り変えられて都市から産まれてくることになる。 面白いのが、生まれた赤子が成長すると、前世、つまり回収される前の人の記憶がよみがえることである。そのため死はこの世界で恐れられるものではない。その代わり、人々は都市の外を異常なまでに恐れる。都市の加護が及ばないからか。 しかし、主人公は特殊な存在である。前世の記憶がないのだ。つまり、都市ができてから初めて産まれたのである。そして、彼には都市の外への恐怖がない。主人公は外の世界に興味を抱くようになる。 特筆すべきはその未来観であり、今読んでもはっきりと「未来」を感じる設定になっている。これが1956年に書かれたとは到底思えない。 これ以上はネタバレになるので書かない
■叛逆航路 / アン・レッキー ■英米SF賞史上最多7冠受賞作 ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞の7冠獲得 二千年にわたり宇宙戦艦のAIだったブレクは、自らの人格を四千人の人体に転写した生体兵器〈属躰〉を操り、諸惑星の侵略に携わってきた。だが最後の任務中、陰謀により艦も大切な人も失う。ただ一人の属躰となって生き延びたブレクは復讐を誓い、極寒の辺境惑星に降り立つ……デビュー長編にしてヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞など『ニューロマンサー』を超える英米7冠、本格宇宙SFのニュー・スタンダード登場! この『叛逆航路』、まずなんといっても《英米SF賞史上最多7冠受賞!》って所で「おお!」ってなりますよね。「『ニューロマンサー』『ねじまき少女』を超える受賞数!」なんて言われちゃうとさらに「おお!おお!」ってなっちゃいま
ダンジョン飯 2巻 (ビームコミックス) 読んだので感想を書く。 ■あらすじ 多くの冒険者が潜り、生活の糧を得る場としてのダンジョン。 深部で妹をレッドドラゴンに飲まれた戦士ライオスは、エルフの魔術師マルシル、ハーフフットの鍵誌チルチャック、ドワーフのセンシと共に妹救出のため急ぎダンジョン深部に向かう。食費を浮かすために魔物を食べながら。 ■感想 基本的には、「ダンジョンに出てくるモンスターを食ったらどうか。」というセンスオブワンダー一発芸の作品。 これで2巻、3巻と話を進めて読者の興味を持続させるのは困難だろうと感じるが、今のところは失速していない。 、『レッドドラゴンに食われた妹が消化される1ヶ月以内に助け出さねばならない』というタテツケは、『食う物語で食われたものを取り返す』という構造を作っていることと、タイムリミットを設けることで、話をダレさせないためだろう。 しかし2巻までで14
このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネットグループ(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※表示価格は、全て税込です。 ※サービス品質維持のため、一時的に対象となる料金へ一定割合の「サービス維持調整費」を加算させていただきます。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 レジストラ「GMO Internet Group, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 2023年10月時点の調査。
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