――「お金は卑しい」と思っていた山形さんが、シンクタンク系の会社に就職したというのは? 大学院にいるときに、研究室で中野区の居住環境の改善プランみたいなことを請け負っていたんです。たとえば僕たちは、物理的なデザインの観点から、道路をこうしたほうがいい、木を植えたほうがいいなんて話をするんだけど、会議に参加すると、ロクに話を聞いてもらえない。実際に動かすのはお金なんだってことがよくわかりましたね。それで、やっぱり就職するのであればお金をいじるような民間企業がいいのかなと。で、シンクタンクはそういうこともやりつつ、大学の続きみたいなもんだと半分思っていたので。実際は違いましたね。 ちょうど会社に入ったのは、バブルの翳りが見えたころ。でも、誰も下がるとは思ってなかった。テーマパークを作りたいなんてイケイケの案件がけっこうありましたね。ディズニーランドが成功して、ハウステンボスやらオランダ村に