左乳房に8センチの腫瘤を自覚した50代のとある女性。医師の診断はリンパ節転移のあるステージ3A。専門家から「乳がんのステージ3Aの場合、リンパ節転移はあるが、まだ手術は可能で、積極的治療により治癒する可能性も40~50%ある」という説明を受けるべきだった──。ところが、彼女が初診を受けたのは、ベストセラー本『患者よ、がんと闘うな』の著者・近藤誠医師。近藤医師の説明は、「がんで、余命半年から1年」「手術しても100%死ぬ」として、手術も抗がん剤も勧めず「放置療法」をとることになった。 7カ月後、がんは10センチ大に膨れ上がり、皮膚を破り出血するほどに。近藤医師の診察を受けると「血なんて出ていない」。信じてくれないので血の付いた下着を見せると、「血ではなく汁だ」と言い、痛みを訴えても鎮痛剤さえ処方してくれない。 別の病院で抗がん剤治療を受けてがんも6センチ大まで縮小し、手術も可能になったが、再