韓国では10月に入り、異なる主張を持つ市民の集団による大きなデモが立て続けに起き、傍目には社会的な混乱に陥っているように映る。どう読み解くべきなのかを2本立てで説明する。まずはデモの現場を見る。 ※この記事の大部分は、14日のチョ長官本人による辞任表明の前に書かれた。記事には最新の情勢を反映したが、3日、5日のデモを取材した当時は、チョ長官の辞任に関する言及がなかった点を明記しておく。 ●チョ長官人事から「2か月」が経過近頃、韓国のニュースで最も良く聞く単語は「トゥドンガン」だ。「真っ二つ」を意味するこの言葉は、世論が進歩派と保守派に割れている状況を背景に「国がトゥドンガン」という風に使われる。つまり、国が割れたということだ。 簡単な表現ではない。実際、ここ数年は目にすることが無かった単語である。なお、韓国政治を論じる際によく使われる「保守・進歩」という分け方であるが、それをひと言で説明す