最新の事件や話題を一生懸命に追いかけていると、しばしば、尽きることのない悪いニュースの激流の中で溺れているような気分になります。情報が四方八方から襲いかかってくる現代では、心も体も簡単に疲れ切ってしまいます。事件や事故が起きたときには同情と結束も大切ですが、インフォームド・シチズン(見識ある市民)であろうとするあまり、沈没する船と運命をともにする必要はありません。 ネガティブなニュースは私たちにどう影響を与えるのか? 私たちは生まれつき「ネガティブ・バイアス(否定的偏向、詳細は後述)」を持っているため、毎日24時間のサイクルでニュースにさらされていると、「バイキングに来たのにまともな食べ物がない」みたいな気分になります。ネガティブな性質の物事ほど、ポジティブな物事やニュートラルな物事よりも、私たちの精神状態に大きな影響を与えます。本質的に人間の脳は、悪い物事に意識が向くように配線されていま