福島第一原子力発電所では、事故直後の「安定化」、その後の「汚染水対策」に続き 放射線リスクの低減を目的とする廃炉作業の中核をなす 「燃料デブリの取り出し」という新たなステージに進みます。 この前例のない取り組みにあたり、放射線の影響からひとと環境を守るため 安全を最優先に一歩一歩着実にその歩みを進めてまいります。
「東京電力エナジーパートナー(EP)が赤字となった理由は燃料の高騰だけでは説明できない。原子力の発電がゼロでも維持管理に年間で約4900億円負担する契約があるからだ。この契約をやめれば赤字を解消できるのではないか」 東京電力ホールディングス(HD)が6月28日、東京都内で開いた株主総会では、停止中の原発の維持管理費用や電気料金引き上げをめぐる議論が相次いだ。冒頭の株主の質問に東電は何と答えたのか。 東電EPは東電HD傘下で電力を販売する子会社だ。最終赤字となった東電は火力発電の燃料高騰などを理由に、一般家庭に供給する電気の規制料金を6月1日から平均15.9%値上げした。 「原発やめれば料金下がる」 冒頭の株主が質問した年間約4900億円の費用とは、東電EPが負担する原発の維持管理費用や人件費などだ。停止中の柏崎刈羽原発(新潟県)や福島第1、第2原発(福島県)の維持管理費用など4076億円の
東京電力は25日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しについて、3月中に始める計画を断念すると発表した。使用するロボットアームの性能が不足し、準備作業も難航したため。工法を変え、10月の開始を目指す。延期は3回目。 ロボットアーム 溶け落ちた核燃料(デブリ)を遠隔操作で、先端に付けた金属ブラシなどを使い回収する。伸縮式で最大長さ約22メートル。国の補助事業の一環として、国際廃炉研究開発機構(IRID)や三菱重工業、英国企業が2017年4月から共同開発した。開発費を含めた原子炉の内部調査事業には、約78億円の国費が投じられている。
北陸電力は、1日に震度7の揺れを観測した石川県志賀町にある志賀原子力発電所の敷地内に設置された水位計で、およそ3メートルの水位の上昇が観測されていたと発表しました。 志賀原発では、地震の影響で外部から電気を受ける系統が一部使えない状況が続いていて、北陸電力は復旧を急ぎたいとしています。 1日午後4時10分ごろの地震のあと、気象庁は一時、志賀原発がある石川県能登地方に大津波警報を発表し、その後、各地で津波が観測されました。 北陸電力は2日夜、原発内の機器の冷却に使う海水を取り込む取水口付近に設置した水位計を詳しく確認したところ、1日午後5時45分から午後6時までの間におよそ3メートルの水位の上昇を観測していたことがわかったと発表しました。 北陸電力は、2日の午前中に開いた記者会見では、水位計を監視していたものの、有意な変動は確認されなかったと説明していました。 また、敷地内の状況を改めて確認
テロ対策の不備で運転禁止が続く柏崎刈羽原発に、原子力規制委員会が調査に入った12月11日。柏崎刈羽の稲垣武之所長は、今も違反がなくならないことを報道陣から問われると、淡々と答えた。 運転禁止命令を受ける1カ月前の2021年3月、東京電力の小早川智明社長は新潟県庁を訪れ、花角英世知事や県議らに「うみを出し切り、生まれ変わるつもりで立て直したい」と約束した。しかし、侵入者対策用の照明を電源に接続しないまま放置したことをはじめ、不祥事はなくならない。ある自民党県議は「『信頼を回復する』と言ったのに、東電の体質は何も変わっていない」とあきれる。
作業員の身体汚染が発生した現場。上から延びるオレンジ色のホースが外れた=東京電力福島第1原発で(東京電力提供) 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に廃液が飛び散った事故で、東電と下請けの東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は16日、原因の分析結果を発表した。入院した作業員2人は、過去の作業経験から廃液は飛散しないと考え、ルールで定められたかっぱを着用せず、被ばくにつながったと指摘した。 両社によると、事故は10月25日に発生。配管の洗浄時間が長引き、高濃度の放射性物質を含む廃液の発生量を抑えようと、当初予定していなかった配管の弁を閉めて洗浄液の流れを抑えた。その結果、配管内の圧力が高まり、廃液をタンクに入れるホースが外れて飛散。タンク近くにいた2人にかかった。監視役の作業員もかっぱ着用を指示せず、予定外の作業員の配置換えや
福島県双葉町のJR常磐線双葉駅近くの商店街に掲げられていた原発推進のPR看板が、福島第一原発事故後に撤去され、県の施設に保管されたままの状態が続いている。事故から九年が過ぎ、看板の標語を考案した大沼勇治さん(44)は、看板を震災遺構の一つとして展示してほしいと願っている。 「原子力明るい未来のエネルギー」。商店街の道路をまたぐ形で設置されていた看板は事故の後、海外メディアにも紹介された。近くに住んでいた大沼さんが小学六年生の時、先生が宿題を出した。
東京電力が電気料金の計算で再稼働を織り込む柏崎刈羽原発=新潟県で2021年4月13日、本社機「希望」から 原発の発電コストが安いは本当か(下) 原発は本当に安いのか。東京電力の公表資料から原発の発電コストを試算すると、同社が市場から購入する火力などの電力コストを原発が上回る計算になった。それなら東電は原発を再稼働するよりも、市場から電力を購入した方が電気料金を安く抑えることができるのではないか。この点について政府や東電は何と反論するのか。 6月1日から電気の規制料金を値上げした東電は、政府の電力・ガス取引監視等委員会などに料金の算定根拠となる各種データを提出している。その公表資料によると、東電は新潟県の柏崎刈羽原発6、7号機を再稼働し、年間119億キロワット時の電力を発電する想定で、原発にかかる費用の総額は4940億円としている。 このため1キロワット時当たりの発電コストは4940÷119
放出基準について 放出水のトリチウムの濃度は、放出前のトリチウム濃度と希釈水量で評価し、1,500ベクレル/リットル未満とします。 この濃度は、国の安全規制の基準※(告示濃度限度)である60,000ベクレル/リットルおよび世界保健機関(WHO) の飲料水水質ガイドラインである10,000ベクレル/リットルを十分下回ります。年間の放出量は、当面、事故前の福島第一原子力発電所の放出管理目標値である年間22兆ベクレルを上限とし、これを下回る水準とします。 なお、トリチウムの年間放出量は、廃炉の進捗等に応じて適宜見直すこととします。 ※国のトリチウムを含む水の環境放出の規制基準(1リットルあたり60,000ベクレル)は、原子力施設の放水口から出る水を、毎日、その濃度で約2リットル飲み続けた場合、一年間で1ミリシーベルトの被ばくとなる濃度から定められています。 【参考】自然放射線から受ける被ばく線量
東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の処分に関する基本方針の決定を機に、風評被害の防止を目的に、「ALPS処理水」の定義を変更します。 今後は、「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」のみを「ALPS処理水」と呼称することとします。 1.背景 東京電力福島第一原子力発電所では、地下水や雨水などが建屋内の放射性物質に触れることや、燃料デブリ(溶け落ちた燃料)を冷却した後の水が建屋に滞留することにより、汚染水が発生しています。 汚染水は、ALPS等の浄化装置によってトリチウム以外の放射性物質を取り除く処理を行った「ALPS処理水」として敷地内のタンクに貯蔵してきましたが、貯蔵タンクが増加し、敷地を大きく占有する状況の中、その処分が課題となっていました。 こうした中、4月13日に開催した廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議において、2年後を目途に、ALP
福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、外務省はインターネット上で臆測による誤った情報が出回っているとして、科学的根拠に基づいた情報発信に努めるなど、「偽情報」対策に力を入れていくことにしています。 福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐっては先月、韓国のインターネットメディアが「日本政府がIAEA=国際原子力機関に多額の政治献金を行った」と伝えているのを、外務省の「偽情報対策チーム」が見つけ「事実無根」と反論しました。 外務省は処理水の放出計画に関して、今後も臆測による誤った情報が出回ることも予想されるとして、対策に力を入れていくことにしています。 具体的にはAI=人工知能を使って情報収集を行い、事実に基づかない情報を見つけた場合には削除を求め、反論するとしています。 またアメリカ政府や韓国政府とも連携して、科学的根拠に基づいた情報
東京電力福島第一原発で発生した汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)が三月、原子力規制委員会の検査に合格した。二〇一三(平成二十五)年に供用を始めたものの、トラブルが相次ぎ、丸九年かかった。燃料の冷却や原子炉建屋への地下水流入などで生じた汚染水から放射性物質を取り除く要の設備だ。不具合は許されず、さらなる管理体制の強化と処理能力の向上を求めたい。 原発構内には今回合格した「既設ALPS」に加え、二〇一四年に稼働した改良版の「増設ALPS」と「高性能ALPS」の計三基がある。増設は二〇一七年に合格済みだが、既設と高性能は検査を受けながら試験運転として処理作業を続けてきた。 原子力規制庁によると、設備の材料、構造、性能を確認するための検査は本来、運転開始前に受けなくてはならない。ALPSは原発事故で増え続ける高濃度汚染水を減らす目的で緊急に造られたため、検査よりも稼働を優先し、試験運転とし
原発処理水 迫る海洋放出 方法は?対策は?現地を訪ねた 2023年3月7日 福島第一原発を訪ねるとすぐに目にとまるのは、巨大なタンクの数々だ。 その数1000基余り。総容量はおよそ137万トンに及ぶ。 保管されているのは、トリチウムなどの放射性物質を含む処理水だ。この水の放出開始が、ことし春から夏ごろと目前に迫っている。 東京電力は国の基準を大幅に下回るよう薄めるというが、いったいどのように放出されるのか。2月、私たちはあらためて現地を取材した。 (科学文化部記者 橋口和門) 林立するタンク 私たちが訪れたのは、タンクが建ち並ぶエリア。 タンクの高さはおよそ15メートル。1基で1000トンの水をためることができる。 敷地内には、ここ以外にも多くのタンクエリアがある。そのほとんどはすでに容量いっぱいの処理水をためていて、2023年2月時点では、総容量の96%にあたる132万トン余りにのぼって
30日午後、福井県にある関西電力の高浜原子力発電所4号機で原子炉内の核分裂の状態を示す中性子の量が急激に減少したという異常を知らせる信号が出て原子炉が自動停止しました。原子炉は正常に停止し、今のところ核燃料の冷却に問題はないということで、関西電力と原子力規制庁が原因を調べています。 原子力規制庁によりますと、30日午後3時20分ごろ、福井県高浜町にある運転中の関西電力高浜原発4号機で、原子炉内の核分裂の状態を示す中性子の量が急激に減少したという異常を知らせる信号が出て原子炉が自動停止したということです。 原子炉は正常に停止し、今のところ核燃料の冷却に問題はないということです。周辺の放射線量を計る、モニタリングポストの値にも異常は見られないということです。 関西電力と原子力規制庁が原因を調べています。 関西電力から報告を受けた福井県の発表によりますと、原子炉の周囲には運転中の中性子の量を測定
福島第一原子力発電所の事故で各地に避難した人などが、国と東京電力に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁判所は「実際の津波は想定より規模が大きく、仮に国が東京電力に必要な措置を命じていたとしても事故は避けられなかった可能性が高い」と判断し、国に責任はなかったとする判決を言い渡しました。 原発事故の国の責任について最高裁が統一的な判断を示すのは初めてで、全国各地で起こされている同様の訴訟に影響するとみられます。 判決が言い渡されたのは、原発事故のあと各地に避難した人などが国と東京電力を訴えた集団訴訟のうち、福島、群馬、千葉、愛媛の4つの訴訟です。 東京電力の賠償責任は確定していて、2審で判断が分かれた国の責任について最高裁判所が審理していました。 焦点は国の地震調査研究推進本部が、東日本大震災の9年前、2002年に公表した『長期評価』の信頼性で、これを踏まえ国が、巨大津波を予測できたか、東
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