2010年06月10日00:37 カテゴリ本経済 日本の税をどう見直すか 菅首相のいう「第三の道」は非論理的でわかりにくいが、増税して福祉に使うということらしい。これはWSJもKan-sianと評しているように、ケインズ的な福祉国家の焼き直しである。政治家がきびしい現実を直視しないのは日本に限ったことではないが、本書の示す日本の財政の現状は、首相の振りまく「増税で成長する」という幻想を打ち砕くだろう。 最近、国債の需給が悪化して金利が上がるリスクがよく話題になる。バラマキ財政を支持する人々は「円建てで発行していれば問題ない」などというが、本質的な問題は国債の相場ではなく、片山=池田本でも論じたように世代間の負担の不公平である。 「無駄を省いてから」といって増税を先送りすると、税率はいま引き上げるより高くしなければならず、若い世代の超過負担が大きくなり、将来の増税の不安が消費を減退させる。本