「申し訳ありません。内定を取り消すことになりました」。大阪商業大4年、山本紘子さん(21)は今年8月17日早朝、設備機器販売会社から、携帯電話に連絡を受けた。 就職活動を終え福岡市の実家に帰省していた。寝起きの頭で何が起こったのか理解できなかった。業績悪化という取り消し理由や、10日後に会社で説明会を開くという話を淡々と説明された。「信じてたのに、なんで…」。その後は言葉が続かなかった。 4月の就職説明会。上下に変動のある経常利益表に心配そうな顔をすると、採用担当者は「波が落ちたら次は上がる。扱っている商品が多いから大丈夫」と太鼓判を押した。「4日くらい眠れない日もあるけど、やった分だけ見返りがあるよ」。別の女性担当者のやる気に満ちた姿に、将来の自分を重ねた。 「親にどう話そう…」。電話を切った後、真っ先に頭に浮かんだ。出勤前の父親に「内定取り消しになった」と打ち明けた。会社で人事担当を勤