今国会の焦点である「働き方改革」だが、その本質を誤解している人が少なくないと、「働き方改革コンサルタント」の新田龍氏は指摘する。「働き方改革」の本来の目的、企業への導入時のポイント、私たちに与える影響とはーー 「労働時間の上限規制」は大きな進歩 1月22日、第196回国会において安倍総理の施政方針演説が行われ、「働き方改革」に関しても言及があった。 「我が国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破ります。史上初めて、労働界、経済界の合意の下に、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働の限度を設けます」 文章にするとわずか2行程度のこの方針が実現に至るまでに、実は長年にわたる数多くの紆余曲折と労使間の攻防が存在していた。 「労働時間の上限規制」という、諸外国では当たり前に存在している基本的な決まり事が、なぜ日本ではこれほどまでに実現が困難なのか、大いにもどかしさを感じていた身としては実