映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でマット・デイモン演じる労働者階級の天才が、バーにいるお高くとまった学生連中に、自分のほうがはるかに学識があることを見せつけて恥をかかせるワンシーンがある。 学生連中は天才の友達のあか抜けない愚かさをからかっていたが、しっぽを巻いて退散する羽目になる。 自分は天才ではない。だが、そのシーンの社会的な力学については多少わかる。似たような経験があるからだ。 友達は全員15か16のときに肉体労働の仕事に就いた。自分らにしてみれば、学生連中は中産階級のガキで働きもせず、「ユニ」(ユニバーシティの略)に行くしかないやつらだった。 やつらは地元には二度と帰ってこなかった。帰ってきたとしても、自分らに威張り腐るためだけに戻ってきた。やつらにしてみれば地元は、抜け出すべきクソみたいなところだった。 やつらの世界では、誰もがベラベラ延々としゃべっていた。まるで自分