【カイロ=大内清】エジプトのモルシー大統領が自らに絶大な権限を付与する憲法宣言を発布したことに抗議する反モルシー派のデモは各地で28日も続いた。中東の衛星テレビ局、アルジャジーラによると、27日にはデモ参加者が推定20万人を超え、モルシー政権下で最大規模に発展した。 首都カイロのタハリール広場では、治安部隊との衝突で1人が死亡し、宣言発布後の死者は3人となった。軍部が沈黙を守る一方、同国最大のイスラム原理主義組織、ムスリム同胞団を後ろ盾とするモルシー氏は宣言を撤回しない姿勢を崩さず、対立が深まっている。 「モルシーは去れ」「ムルシド(同胞団の最高指導者)支配を倒せ」。27日夜、同広場には、モルシー氏や同胞団を非難する市民が続々と集まった。デモ隊には、今回の憲法宣言は同胞団指導部の意を受けたモルシー氏が同胞団支配を確立するために行ったものだ-との疑念が渦巻く。 宣言発布後、モルシー政権からは