雑誌に連載された、少なからず愛着を感じている作品が終わりを迎えるということ、それは幸せなことなのだろうか。発売日になると続きを読みたいと思い、手に取る。その瞬間の喜び。そして読み終えたあとの、次の号が発売されるまでの、期待に満ちた時間。そうしたものが、突然、失われるのだ。 物語にはかならず結末がある。しかし、少なからざる作品があるべき結末が描かれる前に作者や編集者、出版社など送り手の事情により、結末を迎えることなく突然の中断を余儀なくされる。 そう考えれば、最終回を手にすることを喜ぶべきなのだろう。しかし受け手は、「もっと!」というシンプルな欲望においてその瞬間引き裂かれる。 8年間にわたりテンションを落とすことなく、森恒二という、名も知らなかった作者により、隔週発売のヤングアニマルという地味な雑誌で182回にわたって書き継がれてきた「ホーリーランド」が、今週発売号でついに完結した。 巻頭