先日、東京都江戸川区の競艇場で60代の男性が暴行を受け、搬送先の病院で死亡する事件が起きた。容疑者の男は、被害者と肩がぶつかったことから口論になり、凶行に及んだという。その稚拙な犯行動機もさることながら、さらに驚かされたのは、容疑者が76歳の高齢者だったことだ。 一般的に、人間は齢を重ねると、さまざまな経験によって精神的にゆとりが生まれ、多少の雑事には動じなくなるといわれる。しかし、近年はこの事件のように、高齢者による衝動的な暴行や傷害、殺人の件数が急上昇している。 今夏、その裏付けとなるデータが警視庁によって発表された。それによると、今年上半期は高齢者の刑法犯の数が1989年以降初めて未成年者を上回った。今や、犯罪に手を染めるのは「キレやすい10代」ではなく、「キレやすい高齢者」というわけだ。 急増中の「キレやすい高齢者=暴走老人」は、どういった事情で生まれてしまうのだろうか。以下は、今