第1次世界大戦の終盤から世界的に流行した、死に至る病「スペインかぜ」は、旧日本海軍の軍艦においても感染が広がりました。閉鎖された空間での感染爆発がいかに恐ろしいものであるか、その教訓をいまに伝えています。 第1次世界大戦のさなか人類に襲い掛かった「スペインかぜ」 新型コロナウイルスが猛威を振るう2020年4月末現在、長崎に停泊していたイタリア船籍のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」において、乗員のあいだでクラスター(集団感染)が発生しています。イギリス船籍のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」における乗客乗員のあいだでのクラスター発生も記憶に新しいところです。 拡大画像 進水後、航行試験中の防護巡洋艦「矢矧」。武装などがまだない状態(画像:アメリカ海軍)。 いまから100年以上前の第1次世界大戦中にも、旧日本海軍の軍艦、初代「矢矧(やはぎ)」で同様の事例が見られました。スペインかぜ(スペ