◆イスラム国(IS)との最前線に立つクルド戦士 クルド地域を取材すると、「日本ではクルド人のこと知っているの?」とよく聞かれる。そういうこともあって、カメラバッグには「クルドの星」の表紙をいつも入れていて、「こういうマンガがあるんだよ」と教えてあげたりする。するとクルド人たちはみんな驚く。「はるか遠くの日本人が自分たちのことを描いてくれたなんて」。 「クルドの星」の作者、安彦良和先生と、ある編集者の紹介で、ご自宅でお会いしたのはもう20年ほど前のことになる。先生はその時の話を「クルドの星」文庫版のあとがきに書いてくださって、とても恥ずかしかった。それ以来、毎年先生からいただく年賀状には、いつも国際情勢のことや戦火の人びとへの思いなど、自筆の丁寧なメッセージが添えられてあって、その応援にずっと励まされてきた。 「クルドの星」を手にするクルド部隊・人民防衛隊(YPG)の若い戦士(19)。安彦良