今更だけど、「姥捨山論争」を追っている。で、その過程で読んだid:sivadさんのエントリについて、ちょっと思うところがあったので、軽く書いておきたい。 「責任」というのは自然における因果を示す概念ではなく、人間・社会がそれらを元に「設定」する人工的な関係なのです。人や社会が生きていくための「ルール」であって、自然法則ではない。 (……) つまりはどういう生き方、どういう社会を是とするかで「責任」の設定は変わって来る。またそれは「ルール」に過ぎないので、実際の問題解決には別に実際の科学的因果関係を検討することが必要となる、というわけです。 http://d.hatena.ne.jp/sivad/20070417#p1 いつもながら、sivadさんの説明は明快でわかりやすい。はてブなどを見ていても、この説明に強く賛同している人が多いようだ。sivadさんの指摘を敷衍するならば、結局のところ「
★バルテュス+セミール・ゼキ『芸術と脳科学の対話——バルテュスとゼキによる本質的なものの探求』(桑田光平訳、青土社、2007/05、ISBN:4791763394) Balthus + Semir Zeki, Quête de l'essentiel (Les Belles Lettres/Archimbaud, 1995) なんともかみ合わない対話があったものだ。というよりも、二人の人物が向かい合いながらてんで勝手にしゃべっているのではないかと思うくらい、この二人の会話はすれ違い、誤解しあい、ぶつかりあっている。「この二人」とは、画家のバルテュス(Balthus [バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ], 1908-2001)と脳科学者のセミール・ゼキ(Semir Zeki)のこと。 邦訳の書名にあるように、本書は画家と脳科学者による「芸術と脳科学の対話」の試みである。ゼキは、近年「
【追記】2007年01月10日:07を追加。 【追記】2007年01月08日:06を追加。 【追記】2007年01月07日:05と「美術」の項目(書目のみ)を追加。01のコメントを加筆訂正。 【追記】2007年01月05日:04を追加。 2006年中に目を通した書物のなかから、印象に残ったものをご紹介します(これらの書物にかたちを与え、世に送り出し、一読者の手元に届くまでのすべての過程にかかわるすべての関係者に感謝の意をこめて)。 まずはジャンルを気にせずとりわけ印象に残った10冊について、短いコメントつきでご紹介(順不同)。 ★01:三中信宏『系統樹思考の世界——すべてはツリーとともに』(講談社現代新書1849、講談社、2006/07、ISBN:4061498495) 限られた知覚能力と記憶力をもつ人間が、どうしたら複雑きわまりない(とは人間の立場から見てのことだが)世界やそこで生々流転
Edward,E.J., Amsterdamska,O., Lynch,M.,Wajcman,J., eds., 2007, The Handbook of Science and Technology Studies, M.I.T.Press. STSの基本アイデアからはじまり、各論(実践への視点、政治と公的なもの、制度と経済、新しいテクノサイエンス)へと至る、要覧(総頁数で1065頁)。 どうでもいいことですが、奥付の発行年が2008年となってました。 The Handbook of Science and Technology Studies (The MIT Press) 作者: Edward J. Hackett,Olga Amsterdamska,Michael E. Lynch,Judy Wajcman,Sergio Sismondo,Stephen Turner,Charl
Coulter,J. & Sharrock,W, 2007, Brain, Mind, and Human Behavior in Contemporary Cognitive Science, The Edwin Mellen Press. Foreword: Dr. P. M. S. Hacker Introduction Chapter 1: Neural Metaphysics Chapter 2: Materialist Conceptions of MInd: A Reappraisal Chapter 3: Neural Causation and Freedon of Action Chapter 4: Consciousness: The Last Mystery? Chapter 5: Memory: Explaining Capacities versus Expla
Sober, E., ed., 2006, Conceptual Issues in Evolutionary Biology, 3rd ed., The MIT Press. 題名の通り、進化生物学をめぐる概念的諸問題を論じた論文のアンソロジー。第3版は、あらたに「進化過程における女性」、「進化心理学」、「進化理論における法則」、「人種」の項目が加えられている。ちなみに「人種」の項目には、K. A. アッピアの人種否定論と、それとは対照的な、R. O. アンドレーセンが新たに提示するクレードによる人種概念についての論文が、ならんで収められていた。 さっそく編者による序文を読んでみたが、初学者にはとてもわかりやすいもので驚く。 Conceptual Issues in Evolutionary Biology (A Bradford Book) 作者: Elliott Sober出版社/メ
War and Peace and War: The Rise and Fall of Empires (English Edition) 作者:Turchin, PeterPlumeAmazon 第7章までで第1部:帝国創成編(Imperiogenesis)が終わり,ここから第2部:帝国病編(Imperiopathosis)になる 第2部 帝国病:帝国の崩壊 第2部では繁栄を極めた帝国や強国がどのように崩壊に向かうのかが詳しく説かれる.第1部ではアサビーヤのブラックホールのような団結心の崩壊だけが描かれたが,第2部では,経済的要因,デモグラフィック要因,社会階層要因なども考察されていく. 最初の第8章で取り上げられるのは14世紀のフランスだ. 第8章 運命の車輪の逆側:栄光の13世紀から絶望の14世紀へ その1 第8章の冒頭は13世紀初頭にパリを訪れた年代記編者バゾーシュの引用から始まっ
この記事は、英語版の Firefox Portable を日本語化する手順を説明するためのものでしたが、現在では、以下のアドレスから日本語版もダウンロードできます。 http://portableapps.com/apps/internet/firefox_portable/localization 以下、古い情報 USBメモリ上から起動することができるブラウザ Firefox Portable 2.0 のインストール方法を解説します。この記事を編集している2006年12月9日の時点では、Firefox Portable は英語版しか提供されていないようなので、日本語化の方法についても説明します。 尚、この記事では Firefox 2.0 について説明します。 Firefox 1.5.0.7 については次の記事をご覧ください。 【Firefox Portable 1.5.0.7 の日本語化
レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 最近ちょっと思うのは、ブランドというものを作ろうとするにあたっては、 顧客に対するスタンスを明確にしなければならないなということだ。 (中略)明確にした上では、当然ながら、お客さんを「断る」こともありうる。 むしろ明確になればなるほど、それと異なるお客さんを断らなくてはならない。 (中略)「誰なら断ってもいいか」ということを 先にはっきりと決めておくことが、ブランドの観点からも重要だと思う。 その手の明確な「諦め力」「割り切り力」は、車輪の片輪だ。 広告β:ブランドを作るために割り切るということより引用 家庭医学のこと アメリカで家庭医学を学んだ先生と働かせていただいたことがある。 家庭医学は一般内科のプロ中のプロ。何でも診るし、どんな
人類の格差を考察した『銃・病原菌・鉄』の著者に聞く(上) 2005年7月13日 コメント: トラックバック (0) Jason Silverman 2005年07月13日 ある文化が他の文化を征服できたのはなぜなのか? なぜ、ある地域には生きていくのもやっとという人もいるのに、他の地域に住む人は物入れからあふれるほどの豊富な品々を抱えているのか? 遺伝的な要因からか? 労働観の違いが原因なのか? それとも、単に運がいいだけなのか? あるいは、地理的条件が成否を決めたのかもしれない――ジャレド・ダイアモンド氏は著書『銃・病原菌・鉄――1万3000年にわたる人類史の謎』[邦訳草思社刊]の中でそう結論づけている。このほど、ピューリッツァー賞も受賞したこの著作がテレビ番組化され、全米公共テレビ放送網(PBS)で3回シリーズとして放映されることになった。 ダイアモンド氏の理論は、以下のようなものだ―
Be careful what you GoogleAnother young Muslim is punished for downloading extremist material THOSE who fall foul of the law because of their internet-surfing habits are often assumed to be sheepish-looking middle-aged men. On December 6th a different sort of criminal was in the dock for downloading illicit material. Samina Malik, a slight 23-year-old in a headscarf, last month became the first Mu
おとついまで普通にメールしてたのに,ちょっと反応が悪いなってことはわかってたけど何でなのかはよくわからなかった。昨日,夕方くらいにそういうメールが来た。すごく簡単なメールだった。もうやってけない気がする,ごめん,さよなら。そんだけ。あっさりしすぎてて何かの冗談かと思うくらいだ。今日直接会いに行ったらちょっと嫌そうな顔してでもいつもみたいに僕の部屋には来てくれて,そんではっきりと彼女の口から言われた。一緒にやっていけない気がするって。僕のせいとかじゃなくてただ単に一緒にはやっていけない気がする,私はがんばれない,がんばれる気がしないって。 彼女とはもう三年くらい付き合ってて,たまに喧嘩したりもしたけど仲いいねって他の人からも言われるくらいずっと仲が良かった。倦怠期とか言うのもなにそれって彼女が笑ってたくらいで,一緒にいるのが当たり前みたいで安心できてなにも怖がることなんかなかった。もしかした
1. 私の資料室 みんなの資料広場HAPPYCAMPUS レポート売買サイト ここまで来てるんやね 過去ログ〔レポート課題の出し方(2005-09-10)〕にリンクしても読む人があまりいないから、何度でも同じことを書こうかと思う。 コピペレポート対策の3ステップ とても簡単です。 教官のロゴ入りなど「特殊なレポート用紙」を配布する 「手書き」を必須とする レポートの「行数を指定」する 学生が楽して何も身につかないことを恐れているわけだから、「特殊なレポート用紙」でフォーマットを指定、「手書き」の手間をかけさせ、「行数を指定」し要約や水増しを不可避とすればよい。 「紙をなくした」場合は研究室へ取りにくるよう指示。「プリンタ出力」は零点にする、障害ゆえに手書きが困難な学生は必ず事前に申し出なさい、と言明。「指定行数違反」は1行につき20点ずつ減点する、と説明。ちゃんと下書きして、文字数・行数を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く