宇宙の謎を解明しようと昨年建設が終了した「大型ハドロン衝突型加速器 ( Large Hadron Collider / LHC ) 」だが、稼働開始直後の事故で停止した。その後今年11月20日に稼働を再開し、11月23日朝に時計方向と反時計方向の両方から、同時に陽子ビームを入射。軌道を修正しながら衝突が起こるよう調整していた最中に、偶然に衝突が起こった。 途方もない航海の後半の始まり 「大ニュースだ。物理学の新しい時代の幕開けだ。前例のないほど複雑で高性能な機能を持つ加速器と実験装置を世界が協力して20年前に製作し始めた。そうしてようやくここまでたどりついた」とLHCの四つの大型実験装置の一つ、アトラス ( Atlas ) のリーダー、ファビオラ・ジアノッチ氏。「これは自然の秘密を解明する途方もない航海の後半の始まりを告げるもの」とシーエムエス ( CMS ) のリーダー、ジム・バーディ氏