「TLS暗号設定ガイドライン」は、TLSサーバの構築者や運営者が適切なセキュリティを考慮した暗号設定ができるようにするためのガイドラインです。「様々な利用上の判断材料も加味した合理的な根拠」を重視して、TLS通信での実現すべき安全性と必要となる相互接続性とのトレードオフを考慮した3つの設定基準(「高セキュリティ型」「推奨セキュリティ型」「セキュリティ例外型」)を設けており、各々の設定基準に対応して、TLSサーバで設定すべき具体的な要求設定(「遵守項目」と「推奨項目」)を決めております。 本ガイドラインは安全なウェブサイトの作り方とともに適切な暗号設定をする資料の一つとしてお使いいただけます。 なお、本ガイドラインは、暗号技術評価プロジェクトCRYPTRECで作成されました。 「TLS暗号設定ガイドライン」の内容 1章と2章は、本ガイドラインの目的やSSL/TLSについての技術的な基礎知識を
【変更履歴 2018年2月15日】当初の記事タイトルは「いまなぜHTTPS化なのか? 技術者が知っておきたいSEOよりずっと大切なこと ― TLSの歴史と技術背景」でしたが、現行のものに変更しました。現在GoogleではWebサイトのHTTPS対応と検索結果の関係を強調しておらず、本記事の趣旨の一つにも本来は独立した問題であるSEOとHTTPS化を関連付けるという根強い誤解を解くことがありますが、当初のタイトルではかえってSEOとHTTPSを関連付けて読まれるおそれがあり、また同様の指摘もいただいたことから変更いたしました。 HTTPとHTTPSは、共にTCP通信上で動作します。したがって、いずれもTCPハンドシェイクで通信を開始します。 HTTP通信の場合には、このTCPハンドシェイク直後に、HTTPリクエストとレスポンスのやり取りが始まります。このHTTPのやり取りは平文通信であり、途
Webブラウザーを始めインターネットのあらゆる場面で使われる暗号化技術「TLS」が変わろうとしている。TLS 1.3では、暗号化通信の高速化や暗号鍵の逐次更新によるセキュア化を図る。ユーザーにとってはメリットだが、TLSの通信を解析するセキュリティ機器の負荷が上がる諸刃の剣だ。 策定中のTLS 1.3は、2017年7月3日にドラフト仕様のバージョン21が標準化団体IETFによって公開された。既にMozilla FirefoxやGoogle ChromeといったWebブラウザーや広く使われるTLSライブラリ「OpenSSL」などがドラフト仕様の実装を始めている。商用でも、2017年7月31日にイクシアコミュニケーションズが発表した「Active SSL」など、対応製品が出始めている。 TLSは、以前は「SSL」という名称で知られた暗号化プロトコル。TCP/IPのネットワーク階層ではトランスポ
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