【赤田康和】作家や出版社の一部に敵視されている状況を解消したいと、紙の本を裁断・スキャンして電子書籍化する「自炊」の代行業大手ブックスキャン(本社・東京)は、データ流出防止などを代行業者に義務づける業界ルールをつくる方針を固めた。同業3社と15日、ルールの検討をする業界団体の準備会も設立する。 データ管理を徹底し、「本が売れなくなる」という作家ら著作権者の批判を解消する狙い。(1)届けられた紙の本をスキャン後に溶解処分(2)電子化したファイルを代行業者が使い回さない(3)納品後にネット上に流されないようユーザー情報をファイルに埋め込む、ことなどを代行業者に義務づけることを検討する。 代行業者は現在30~40社という。来月中にも業界団体「日本蔵書電子化事業者協会(仮称)」をつくって賛同を呼びかけ、統一ルール策定をめざす。著作権者の団体に自炊代行を正式に容認してもらえるよう、対価の支払いも検討