……われわれはこの流れに積極的に棹(さお)さして日本の生産構造のみならず、貿易構造も、消費構造も新しく改編する意力を振るい起さねばならない。その仕事は恐らく明治の先覚者が、遅れた農業国日本をともかくアジアの先進国工業日本に改造した努力にも比すべきものであろう。いわば第二の維新ともいうべき大事業である。しかし困難さの故にその仕事を怠るならば、アジア諸国は容赦なくわが国に追いつき追いこすであろうことを忘れてはならない。(1956年 経済白書) 馬鹿げた時代になったな、と思う。そして誰しもが、ほんの少し前までこういう時代が到来することなど予想だにしなかっただろう。現代は、不幸にしてイデオロギーと企業活動への評価が結びついている時代なのである。 ネット上とその狭い枠を飛び越えた人々が、自らのイデオロギーと相反する企業を攻撃し、時として不買運動を行い、あるいはデマを流す。企業は「電凸」と呼ばれるネッ