オーナー企業にとって死活問題と言える相続。 「ここぞ」という会社へ身売りするか、10年以上かけて対策を打つか。 優良企業が永続性を失えば、日本経済は没落する。 □幸せな売却 ●ジュンク堂 「入院してもいないのに、息絶えることを想定したようなものでしょうか。会社が健全なうちに事業の持続性を確保しようと考えました」 全国に38の大型書店を展開するジュンク堂書店の工藤恭孝社長はこう胸中を明かす。2009年3月、ジュンク堂は大日本印刷に51%の株式を譲渡した。オーナー企業から大企業の連結子会社と、姿を変えたのだ。 急いで事業の安定性を確保しなければならなかったのかと言えば、そうではない。むしろ事業は順調だ。2009年1月期の売上高は422億円と前期比3%増となった。経常利益も1億5000万円を計上している。多くの書店チェーンが出版不況に泣き、業績不振に陥っている中、健闘している。 - 業績好調で税