自然を上手く生活の中に取り入れ暮らしてきたのが、日本人ではないだろうか? 四季を感じる庭園や盆栽などが代表例の1つだ。 木々だけでなく、水もその対象だ。 庭園に見る竹の音がコンと響く鹿威し(ししおどし)は良く知られている。 元来、鳥獣を追い払う農具であったが、後に風流を愉しむための装置として、今なお、親しまれている。 出典: flickr:Ryosuke Hosoi 水琴窟(すいぎんくつ)をご存じだろうか? 「水琴窟」は、水の音を愉しむための、日本独特の装置である。 日本庭園文化における最高技法の1つとされ、その不思議な音色に多くの人が魅了される。 今回は、知っておきたい音の文化「水琴窟」の魅力をお伝えしたい。 水琴窟とは? 「水琴窟」は、地中に埋めた甕(かめ)に、水滴が落ちる際の“音の響き”を楽しむ音響装置である。 その反響音が、“琴”の音色に似ていることから「水琴窟」と呼ばれている。