水産総合研究センター(横浜市)は8日、人工授精で生まれたニホンウナギを成長させ、次代の幼生を産ませる「完全養殖」に世界で初めて成功したと発表した。これまでは天然の稚魚(シラスウナギ)からの養殖に頼っていた。安定供給への第一歩という。 センターは2002年に、人工授精の卵から稚魚まで育てることに成功。今回、稚魚を全長45〜70センチ程度まで成長させ、ホルモンを繰り返し投与して成熟させて人工授精し、3月26日に数匹から計約25万粒の受精卵を得た。このうち10万粒以上が孵化(ふか)し、4月2日からエサを食べ出したという。 養殖では成魚のほとんどがオスになってしまうが、稚魚の段階で個体にホルモンを投与し、メス化することにも成功。孵化直後の幼生の死亡率が高かったが、エサを工夫するなどして成長させたという。 ニホンウナギは「かば焼き」などで人気だ。しかし、生態は謎に包まれており、養殖は河口付近で