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「揚陸艇」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 揚陸艇とは

2024-10-22

もうChatGPTだけでええやん

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2453448

1. 「中国他国戦争することを考えていない」についての誤解

事実誤認: 中国は確実に他国との戦争や衝突に備えている国です。中国軍事戦略には、国防の強化や領土保全だけでなく、台湾問題南シナ海における領有権主張など、他国との潜在的紛争に備えた行動が含まれています。近年では、海軍力や空軍力を急速に強化しており、特に米国との対立インドとの国境紛争台湾問題に関する戦略が注目されています軍事ドクトリンや装備の近代化を見ても、他国との戦争を「考えていない」というのは不正確です。

2. 「侵略される可能性に備えていない」という主張

論理的問題: 文章では、中国他国から侵略に備えていないと述べていますが、これは現実と異なります中国は長い国境線を持つ国であり、特に米国インドなどの大国との緊張が続いています。そのため、軍備は侵略に対する備えを含んでおり、特に核抑止力や大量の陸上兵力を持つことはその証左です。また、近年の海軍空軍近代化や、南シナ海での人工島建設による防衛拠点の強化は、侵略への備えとして評価されるべきです。

3. 「防空識別圏に関する対応」についての誤解

事実誤認: 中国2013年防空識別圏ADIZ)を設定しました。これは尖閣諸島を含む広範囲カバーしており、軍事的なプレゼンスを誇示するためのものです。文中では「中国防空識別圏に対して何の対応も取らなかった」とありますが、これは不正確です。中国は確かに防空識別圏に関して初期の段階で強制的対応を取らなかったものの、その後、米軍自衛隊の動きを監視し、警告を発するなどの活動を行っています。また、防空識別圏国際法上の法的拘束力があるものではなく、各国が自ら設定し、その管理に関しては自主的に行うものであるため、中国防空識別圏に対して必ずしも強制的な行動を取らなかったとしても、それをもって「備えていない」とするのは誤解です。

4. 中国軍事力に関する過小評価

論理的問題: 文中では中国軍が「ショボい」という表現が使われていますが、これは誤解を招く表現です。中国世界第2位の軍事予算を持ち、その軍事力は量・質ともに強化されています特に海軍空軍近代化が進んでおり、アメリカに次ぐ規模の軍事力を誇ります。米中シミュレーションでは、中国が苦戦するケースもありますが、その理由は単に「備えていない」からではなく、アメリカ軍事力が極めて強力であることや、米国同盟国が関与するためです。また、戦争シミュレーションは多くの仮定に基づいており、状況次第では結果が大きく異なることもあります

5. 歴史に基づく感情的議論問題

論理的問題: 「かつて本邦に侵略された過去から非難はするが、自衛隊米軍による攻撃上陸侵攻に備えていない」という主張は、過去出来事を基に中国現代軍事政策を論じるには不適切です。歴史的な侵略経験は確かに重要ですが、それをもって現代軍事戦略全面的評価するのは誤りです。現代中国は、アジアにおける自国の影響力を強化し、米国を含む他国軍事力に対抗するために軍備を拡張し続けています

6. 「中国上陸用装備を充実させる気配がない」について

事実誤認: 中国台湾侵攻を想定した軍備を整えており、上陸作戦を含む戦略計画策定しています上陸作戦には強襲揚陸艦やエアクッション揚陸艇LCAC)などの艦艇必要ですが、中国はここ数年で急速にこれらの装備を増強していますさらに、中国人民解放軍海軍(PLAN)は大規模な海軍力の近代化を進めており、特に南シナ海台湾海峡周辺での作戦能力を高めています。「上陸用装備が充実していない」というのは、現状と矛盾する見解です。

また、中国は「民間船を徴用する」というアイデア採用していますが、これは近代的な軍事戦略の一環で、民間船舶の利用を補完的な輸送手段として計画的に取り入れています。単に「呑気なこと」を言っているわけではなく、現代ハイブリッド戦争や多領域作戦の中で、物流兵員輸送多様化は非常に重要戦術的要素です。

7. 「2040年まで装備が充足しない」について

事実誤認: 装備の充足に関して「2040年までかかる」という主張は過度に楽観的・悲観的な予測に基づいています中国現在も大規模な軍拡を行っており、特に海軍空軍においては着実に能力を向上させています。既に計画されている装備の多くは、今後数年以内に配備が進むと考えられます2040年という時間枠は根拠不明であり、過剰な遅れを想定する根拠も明確ではありません。

8. 「中国核弾頭ミサイルに載せていない」について

事実誤認: 中国の核戦力に関する情報は、機密性が高く、正確な公開情報は限られています。ただし、中国は「核兵器報復のためにの使用する」という「最小限の抑止力(minimum deterrence)」政策を掲げており、その一環として核弾頭と運搬手段ミサイル)の分離を行っているとされていますしかし、これは抑止力放棄するという意味ではありません。むしろ抑止力を維持しながらも、偶発的な核使用を避けるための慎重な管理手法です。

中国戦略は、核兵器の即応配備を避けることで、緊張が高まった時の危険を最小限に抑える一方、必要場合には迅速に対応できる能力を持つというものです。この戦略は他の核保有国とは異なるが、独自合理性を持っています。「抑止力放棄している」という主張は中国核戦略を誤解しています

9. IAEA核兵器使用規定に関する誤解

事実誤認: IAEA国際原子力機関)は、核エネルギー平和利用監視する機関であり、核兵器使用に関する規定は定めていません。核兵器使用に関する国際規範としては、核兵器不拡散条約(NPT)があり、その中で核兵器使用に関する制約が議論されています中国は「先制不使用(No First Use)」の政策採用しており、これは「核兵器を先に使用しない」という宣言です。この政策のもと、中国他国から攻撃を受けた場合にの核兵器使用することを明確にしています。この政策が「不備」と捉えられるかどうかは、戦略的な見解の違いによります

10. 「中国経済の持続性」についての懸念

論理的問題: 文中で「正直それまで中国経済持ってるの?」という懸念が表明されていますが、これは現在中国経済状況に基づく明確な根拠が不足しています中国経済現在、成長の鈍化や不動産バブルリスクなど、いくつかの課題に直面していますが、軍事予算の増加や軍備の近代化がすぐに停止する兆候は見られません。経済的な持続性の議論は、軍事力の評価とは別に慎重に議論されるべきです。

全体的に見ると、この文章中国軍事力を過小評価し、誤解を招く論点がいくつか含まれています

事実論理に基づいた議論が不足しており、感情的主観的見解に基づいている部分が多いため、より客観的視点から評価する必要があります

2024-01-27

anond:20240127123431

なんか意外と規格があってなくて戦いにならないような。

ヤマトって基本星間戦争用の兵器だよね。

対してホワイトベース地球圏をチョコマカと移動するだけで何より基本モビルスーツ戦場に運搬するのが目的兵器から

なんつーか戦艦大和海兵隊の強襲揚陸艇が戦ったらどうなるか?みたいな想定でかなりミスマッチものなのかもしれない。

2024-01-08

anond:20240106165508

海上自衛隊揚陸艇について、多少の知見を得たので、興味のある方もいるかと思い書き記す。

自分はド素人、聞いた話)

 

きっか

ホバークラフト型の揚陸艇記事 https://togetter.com/li/2288534 について、下記のブコメをした。

ホバークラフトなのか〜。父が海自だったので、子供の頃、家族デー?みたいな時に揚陸艇に乗って海水浴に行った記憶がある。ホバークラフトではなくて砂浜に乗り上げてたけど離岸する時どうするのかな

離岸の方法以外にも揚陸艇について色々と知りたいことが湧いてきたので、身内の軍オタメールして聞いてみた。

返信があり、ネットに流す許可を得たので放流する。プライベート部分はぼかしたり削除しています

 

質問メール

あけましておめでとうございます

ご無沙汰しています

先日実家に行った時も会えず残念でした。

 

ところで、能登地震ニュースを見ていたらホバークラフト型の揚陸艇話題になっていました。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/2df5c5b10d2d47b0f986e3465b5f070c186d5be4

 

なるほどホバークラフト揚陸艇なら港でなくても接岸できるのでしょう。

しかし、子供の頃、自衛隊揚陸艇に乗って島まで行って遊んだ記憶があるのですが、あれはホバークラフト型ではなかったと思います

(この記事の3,4枚目みたいな小型のやつ) 

http://www.rimpeace.or.jp/jrp/umi/numazu/220917numazu.html

 

そこで疑問がわきました。

 

ホバークラフト型でない揚陸艇は、接岸できても離岸できなそうに思えるのですが、実際にはできるわけです。一体どのような仕組みで離岸するのでしょうか?

岸の反対側(海中)にあるスクリューを逆回転すれば離岸方向に動けるのでしょうか?

 

②接岸・離岸が可能ならば、特段ホバークラフトである必要はなく、また実際に非ホバークラフト型の揚陸艇存在するのに、能登地震支援ではなぜホバークラフト型が使われたのでしょうか?

ホバークラフト型は底に柔らかい素材を使用しているのではないか瓦礫が散乱していそうな海岸では柔らかい部分の破損がありそうでデメリットではないでしょうか?

 

素人仮説(②について)

 1)ホバークラフトも使われたが非ホバークラフト型も使われた。報道サイドで技術的新奇性がキャッチーなため取り上げられた?

 2)ホバークラフトアメリカから購入したようなので、そこをアピールしたい?

 3)実は非ホバークラフト型は自分で離岸できずハシケが必要で小回りがきかない?

 4)海底が遠浅で非ホバークラフト型は岸からかなり遠くまでしか進入できない?

 5)地震海岸線が変わるほど隆起しているようなので、海底の様子がわからないため海底地形に左右されないホバークラフト選択した?

 

…などと、素人考えながらあれこれ仮説を立てて検索してみたのですが、はっきりとわかりませんでした。

 

そこで、きみの興味対象分野に近接してるかと思い、お伺いした次第です。

わかる範囲で構いませんので、お手すきの時にでもご教示いただければ幸いです。

 

回答メール

メールありがとうございます

以下回答します。

 

1. 海岸のし上げ型の揚陸艇は、スクリュー逆転で後進力を得るのとともに、接岸前に艦尾から錨を打っておいて、それを巻き上げることで離岸します。

 

2. 海岸のし上げ型の揚陸艇は、けっこう波打ち際から離れたところまでしか岸に寄せられず、そこで艦首扉を開くと、水深がまだ兵隊の背丈ほどもあることもありますホバークラフトなら確実に海岸兵隊を揚陸できます車両を揚陸させる際にはもっと水深が問題になります。今回は土木重機の揚陸が任務でしたので、のし上げ型では困難を覚えたでしょう。

 また、のし上げ型の揚陸作戦時に問題となる障害物は、水面下の突起物などの方が深刻です。見えない上に揚陸艇の船底に刺さるからです。戦時には敵が爆薬付きで設置している障害物もあります

 ホバーなら、多少残骸が浮遊していても、見えていれば避けることは可能で、ホバークラフトゴムスカートはなければ上陸できないということもない消耗品ですから、海底状況が不明海岸に揚陸する場合は、ホバークラフトの方が安全です。

 

2a. 実は現在海上自衛隊は、のし上げ型の揚陸艇をあまり保有していません。特に我々隊員家族を遊覧航海で無人島まで運んでくれた3000tクラスの大型揚陸艦は皆無です。

 現在海上自衛隊の(乏しい)揚陸戦力の主力は、海岸に接岸できない大型の、輸送ヘリ搭載揚陸母艦と、母艦に搭載するホバークラフト型の揚陸艇なのです。これは、現代海上自衛隊が、島嶼戦よりも、外洋作戦・敵潜水艦掃討・敵本土ミサイル攻撃志向していることによります

 

3. 仮説123は特にそういうことはありません。ホバー揚陸艇1994年に導入されていますので、特に新奇性はないと思います2006年映画日本沈没」(草なぎ君が出たひどいやつの方)にも出演してますね。

 45は考慮されたと思います

 

海自揚陸艦はこれしかいない。

https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/lst/osumi/

 

こういう揚陸ができるのは非常に限られた恵まれ海岸のみ。

https://www.youtube.com/watch?v=GmrfJhUPW7A 

 

これくらいが普通。降ろしてみたらもっと深かった例もある。

https://www.youtube.com/watch?v=AgZMGhqlTUE

 

上陸海岸障害物。

https://bunkermuseumantwerpen.be/en/strandversperringen/

 

以上

 

補足

回答へのお礼電話で聞いたところ、「のし上げ型」とは別に正式用語ではないとのこと。また、本人は海上自衛隊がメイン分野ではなく、「もっと詳しい人がちゃんとしたものを何か書いてるかもしれないよ」と言っていた。

 

蛇足(私の感想

ええっ、乏しいの?揚陸艇自体が少ないんだ?!

へぇ〜、ホバースカートって消耗品なんだ〜!

子供の頃揚陸艇で行った海岸は条件いいとこだったんだな〜!

電話確認したら小型の揚陸艇にも乗ったが大型のにも乗ったはずとのこと。デカい方は記憶にないな…)

2024-01-06

anond:20240106203710

もしかして空挺でもして適当に地面に降りれば成功だと思ってる? 重機持ち込んだりヘリなり揚陸艇が展開する場所がろくにない地形だって地図たことなかった?

敵地上陸だって上陸地点の選定は重要戦略なんだけどバカ戦争しちゃいけないんだよ?

海自揚陸艇が出てくるのが遅いなどのトンチキな批判出てきても

地形や被災状況、海空の気象データから揚陸地点候補の絞り込みのようなかんたんにできる情報処理くらいやってから喋っていただきたい

道路の復旧や開拓されていくルートにも意図目的、進捗から理想現実ギャップもある程度読み取れるはずなのではないか

資料に書いてある事が頭に入ってない人間が出る幕はないし、そういう人間他者を惑わせると死人が増えたり救援が遅れる

2023-01-07

米軍ジャルジャル後藤

ノルマンディ上陸作戦揚陸艇ーーー。

米兵A「うう……グスッ…ウゥ…」ガクブル

米兵B「ジーサス…」

ジャルジャル後藤「……。」

ザブーン……

米兵C「ブォエッ!!」ビチャア

ジャルジャル後藤「……。」

カコーン…

ピーーーーーーーッ!!突撃ーーー!!

米兵「うああああああああ!!」ダダダダ

独軍「撃てぇ!」ズババババ

後藤「うえぇ?!上陸やんもぉ〜」

米兵「まんまああああああ!!うぶっ…」

  「神よ守りたまえ神よ守り給え」

  「うえええええーーーん(泣)」

後藤あかん膝折れた膝折れた」

米兵「おいお前、何隠れてるんだ!さっさと立ち上がって行け」

後藤「最悪やぁころされるころされる!」

米兵「お前の墓場は『ここ』なんだよ!」

後藤「最悪やああ涙出てきた」

米兵「…あ?」

ジャルジャル後藤「あめっちゃ涙出てきた」

米兵「おい!」

後藤「泣く泣く泣く泣く!!!!」

後藤「泣く!!泣く!!泣いてまう、泣いてまうーーー!!!!」

(そんなときは…?)

後藤「そんなときは〜?……」

後藤(……!!)遠い記憶

立ち上がり、ドイツ軍陣地へと単騎特攻する後藤

後藤「涙腺コルクできゅ」

後藤「これでぇ泣けまへーん」

米兵ママアアアアアアアア!!」グッシャア

「涙腺コルクできゅ」

「これでぇ泣けまへーん」

米兵「腕が…腕が…」グッタリ

「涙腺コルクできゅ」

「これでぇ泣けまへーん」

米兵「死にたくない……涙」

グレネードを〜?グレネードを〜?」しゅぽん

グレネードを尻穴(ここ)にキュ」

「んゥここではありまへーん」

独軍「アイツを撃て!爆弾を隠し持っていたぞ!」

独軍機関銃故障しました!」

独軍「何でもいい、撃て!アイツは危険だ!」

ズドーン

後藤「…!!…うぐふぅ」(被弾

「涙腺コルクできゅ」

「これでぇ泣けまへーん」

独軍「何だアイツは…!!死なないぞ?!」

「涙腺コルクできゅ」

「これでぇ泣けまへーん」

独軍「うあああ!逃げろにげろぉ!」

後藤「ふーーっ…」

ケツピンを抜く後藤

「涙腺コルクできゅ」

「これでぇ泣けまへーん」

………ボンッ!!

2022-03-23

anond:20220323092041

俺が勉強したのは軍事ではなく国際政治なんで、必要なのは応能である、ということは判る。

通常抑止力構成するのは即応能力だけだ、という研究が有名だからな。

どうも打撃力だの継戦力だのの差異が、抑止力に上手く働かいてないのが、事例からわかるそうだ。

 

読んだところ、増田は○○するのは軍事的あるいはコスト的に無理、だから△△にする、って話をしていると思うんだけど。

日本必要なのは何かで言えば、それは抑止力で、つまり応能力なんだから

△△で即応能力が増えるのかよ、って話をすべきだと思う。

 

要するに、戦闘機がすぐに発進できる体制をつくって、領空侵犯機にすっとんでいったり、中国軍隊が来たらまず守りより何よりも上海爆撃するぜって公言してたり、そういうのが大事だと思うんだが。

それには空母があったほうがいいんじゃないんか。揚陸艇大丈夫

いやほんと軍事っていうか、ミリタリー系のことは知らないんだよね

2021-08-01

COVIDからフロリダに愛をこめて

ニューヨークからフロリダへとヒッチハイクの旅はトラックを経由した。光り輝くフロリダオレンジ太陽が私の帽子を貫く。木漏れ日に目を細めるとトラック運転手は荷台へ向かって大声を張り上げた。

「おまえさん、こんななにもない場所へどうしたんだい!」

私のうまく起こせない上体はトラックの端にある紐で結ばれている。少し前運転手バスケットコートカメラから見るボールみたいに目を大きくした。私の身体は動かず、車椅子に支えられていたからだ。あんたそんなのでどうして遠出しようってんだ、と運転手は感嘆の声を上げた。それが二時間ほど前のことだ。

私は運転手家族集会があることを伝え、その用事バーベキューであることを教えた。それからフロリダ州の看板が見えたので、コントラストを強く投射する景色を風に流しながら、私の名前を伝える。そうかい、メグっていうのかい、と運転手は陽気に答えた。林立するビルを縫って突き抜ける青が歯科医に飛び込んでくる。フロリダオレンジの国じゃない。避暑地だ。だからバーベキューには都合がいいのだ。多分そうだし、そういうことにしよう。うちの家族に振り回されたことは忘れて。<溶け出しそうな>夏の頃が思い出されたとしても。そういえばあの日もこんな風に感想した風が髪の毛をさらっていったものだ。サングラスが反射する光のその先に目的地があった。





「どうしてそんな事を言うの」

電話の向こう側でケンがなにかの言い訳をしている。言い訳の仕方はまるで父そっくりだ。もうそんなところばかりだ。わたしときたらそんなケンに向かっていつもは冷静なのだけど、彼が父のように逃げ続けるさまを見ていると、どうしても声を張り上げてしまう。ケンはそんな時に決まって「メグはママそっくりだよ」と吐き捨てるようにいう。全く美味しくないチリソースアスファルトにぶちまけるようにだ。理由はこうだ。本当はここで開催される予定だったバーベキュー大会が、父の会社の都合で大きな話になり、他企業を巻き込んだバーベキュー大会に発展したらしい。それも開催地は何故か日本。私はケンに、肉よりも寿司日本でなぜバーベキューなのかと問い詰めたが、頭に血が上っているのかケン日本だって神戸牛があるし、開催地としてアメリカとは違った面白さが出せるんだといい始めた。違う、そういうことじゃない。少なくとも久しぶりの家族バーベキューが行われ、とってもプライベートものだって聞いていたのに、どうしてそれがお父さんの会社と関わっているのか聴きたいのだ。しかケンはこれは日本米国の絆を結ぶためのものなのだ、と主張してやまない。ALS-CoVζ+が未だ収まっていない時期になぜそんなに話を大きくしてしまうのだろうか。そんなことはどうだっていい。それよりも、家族の一致団結できる機会が失われた事実が私にとってショックだった。素晴らしい日差しの下でトロピカルフルーツソーダの飲みながら、サンオイル日焼けをしている人達もいるのに。





「やあケン。今回は会社から大会趣旨が発表されてね。ぜひ神戸牛アンガス牛の対抗戦をという事になったんだ」

「それで、勝った方には?」

「純金製のメダルが贈呈されるだけだよ」

「だけ?」というケンの声がスマートフォン不協和音とともに響いた。父のノキア製は日本ではマイナーだと聞かされて、その音質に少しだけ疑いを持ち始めたばかりだ。父はケン懸念事項がバーベキューの開催予定地のことばかりだと思っていたが、どうやらそのノキアで聞く限りそうではないらしいことが理解された。ケンは明らかに家族集会が壊されたことを怒っており、主催は誰だと問い詰めてきたのだ。父はやむなくドビュッシー会長という人物だと述べたが、俺はクラシック名曲よりも古いラップが好きなんだと皮肉交じりに父の言葉を投げ捨てた。まるでそれじゃあ、ダディはまたしても「お山」の大将「だ」ろうとまでいう。ダディーはクールじゃないとまで言い放った。それは一体何のジョークだいというと、日本版の4chのセリフさ、と返すばかりだった。ゼータ株はあの頃の僕たちのキャンプを奪ったが、父は僕たちから家族の有り様を奪おうとしているのではないか、そんな懸念ケンの頭をもたげた。そのくせゼータ株は活発に人々を結びつけようとしていやがる。ニューヨークからメグを追いかけるケンハンドルを回しながらそうつぶやいた。





ケンがメグと合流して数時間後、隔離完了して未感染者のみが利用できるビーチで突然人が溶けた。その液体は灰色と真っ黒な血をビーチに滴らせ、バーベキューの肉のようにビーチの砂を汚した。それとは関係なく海鳥は通り過ぎ、メグは声にならない声とともにジーザスという単語ピンク色のリップを塗った唇から漏らした。到着したばかりのケンは目の前で人々が弾けて溶けてゆくさまを見て、エボラか何かかと目を疑い、それが数年前に起こった悪夢の再来であることを知覚した。フロリダ州に緊急事態宣言が敷かれ、州知事政府圧力によって州ごと隔離されたことを発表した。通信網は途絶え、父との国際連絡も取れなくなったメグとケンは、暴徒鎮圧用のゴム弾を装備したSWATたちに誘導されて収容施設へと向かった。発電の電源はかろうじて発電機型のバッテリーとして供給され、被災地には水が運び込まれた。しかしそのどれもが決死覚悟で運ばれてくるものであり、運転手は全身防護用の白い服を着て入念な消毒を経た後にフロリダへと入り、そして出てゆく際にも消毒を行わなければならなかった。ひとまずイントラネットとして暫定的に繋がれた外との通信によりニュースだけを見ることができた。

そうして避難所での生活が進む中、ウィルス隔離された人々の間に奇妙な一体感が生まれようとしていた。それはヒステリックな怒りであったり、それを鎮めようとするものであったり、また話し合いによって解決しようとする者達や、殴り合ったあとで肩を組み合うレッドネックたちなどによってだ。彼等はお互いをファミリーと呼び合い、外にいる連中をウォーキング・デッドだと笑いとばした。正気が保てない人々は、普段忌み嫌っている低所得層レッドネックたちの話をよく聞いた。富裕層たちは臨時学校を開いて塾を作り、黒人たちは放課後と称して子どもたちにバスケットボールを教えた。そうして閉鎖空間は小さな社会になった。ケンもメグもよく話し合った。とりわけ、ゼータ株のことについてだ。彼等は先日の家族のことを思い出して悲憤慷慨し、やがてウィルスによって僕たちの絆が深また奇妙さと、ウィルスによって人々がばらばらになった悲劇を語り合った。

その頃からメグの夢枕には、なくなった叔父の姿が映るようになった。叔父家族の異事で何かをいいかけていたが、そのたびに消えてしまう。そんな夜が繰り返された後のある朝、フロリダ海岸にある変化が起こった。その変化はイントラネットTVに映し出されると、やがて通信の全てが回復した。日本企業ソフトバンク提供する緊急ブロードバンド回線につながったメグたちのスマートフォンは、あるものものしい人物たちを映し出した。それは水陸両用車両のようにも見え、中から防護服をつけた人が降りてくるのが見えた。車両には見慣れない文字が書かれており、不意にケンがそれを見て叫んだ。まるでパーティーが始まったかのような喜びようだった。見なよ、あれは"セルフディフェンスフォース"だぜ! ケンの指差す画像の向こうにあったもの。それは自衛隊揚陸艇であった。第十七小隊、フタマルマルこれより状況開始。という声とともに彼等は海岸に落ちた血や散らかった廃棄物、まるでタイフーンにやられた風に映るカビの生えた建築物撤去し始めた。そんな作業が一週間もつづくと避難場所衛星問題はすっかり快適になり、自衛隊の面々と記念写真すら取れるまでに改善した。ケンはその時彼等にどうして来たのが十七小隊なんだいと問いかけたが、ある隊員は、十七小隊は俺達のメダルみたいなもんさ。と笑って返すのみだった。ケンはそれを聞いて、じゃあ俺たちはあんたたちに助けられたから十六小隊でいいさ、と破顔した(筆者注:2021/08/01)。





日本にいる無責任な父は流石に心配な顔をして息子たちを迎えた。ただし父は両名が無事であることを確認すると1、バーベキュー大会玉石混交パトルロワイヤルでありジャパニーズヤキニクとチンギスハーン、バーベキューの三つ巴の戦いだったと熱く語り始めた。勝敗の決し方があまり不透明競技だが、メグにとってそんな話はもはやどうでも良かった。怪しげなバー審査員のことにも興味がなかった。父がミヤゲに持って帰ったネギマをケンは頬張っていたが、メグはどうしたって騙されることはなかった。クールビューティーと目される荒川静香イナバウアーが見たかったというわけの分からい答弁を無視して、メグは今回の隔離事件顛末を事細かに語った。父はそんな事知ってるさと遮ろうとするが、メグは人差し指を父の唇に当てると子供を諭すように父と目を合わせた。彼女は、「それで今回の事件でとっても頼もしいステディな人ができたのよ。自衛隊員の人なの」、という。父は喋りかけていた口を閉じると、目を白黒させた。あのフロリダオレンジの目を見開いたトラック運転手のようにである

しかしやはり父は普通人間と少し違った。それなら早く紹介しなさい。次のバーベキュー大会があるんだ、と彼を巻き込もうとし始めたのだ。メグは両手を上げて首を横に振ると、やはりちょっと前の出来事を少しだけ回想しながらジーザス、と小声でつぶやいた。

ケンはそんな様子を見て、口の中のネギをすっかり胃袋の中に押し込めながら、こいつにケチャップをかけると日本人とも仲良くできるかもね、と一人で口角を上げた。ゼータ株が運んだ全ての問題は、まるでその性質のように全てを溶かして人々をつなぎ、父子は空港で呆れながら仲良く語り合った。避難所メンバーメール着信がなり響いてメグがその知らせに目配せする。

ちょっぴり滅茶苦茶なナリタに醤油匂いが少しだけ香った。


※別作者です。おしまい

2018-10-06

生涯子無しが増えるとタカ派徴兵制への支持が増えるような弊害があるのでは?

本人が徴兵対象外の年齢で子供も孫もいない(望めない)なら、若者兵隊に取られて死んでも他人事の痛みでしかない。

腑抜けゆとり軍隊に入れて叩き直せ! 中韓なにするものぞ! 暴支膺懲! 竹島ヘリ空母と強襲揚陸艇派遣して実力で奪還せよ!」みたいな政治家面白半分で投票するかもしれない。

あ、ゆとりはもう三十代だったか

日本のような生涯子無し(および予備軍)率の高さかつ民主制という例って過去歴史にある?

子無し率だけ見れば江戸時代も大概だったらしいけど、そういう人たちが部屋住みやオジロクで投票権も発言権も無かった時代からまり参考にならない。

 
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