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2022-05-06

表現規制派の方々に知ってもらいたい、「昭和天皇コラージュ事件

表現規制の話を見ていると、「私たち規制を求めていない」「不快であると言っているだけ」「批判をしているのは広告であって作品ではない」「加害行為を誘発する作品批判されて当たり前」などなど見かけるわけだけど、

そんな人に、ぜひ「昭和天皇コラージュ事件」を知って、考えてほしい。

事件概要

富山県立近代美術館企画展で招待された富山出身芸術家である大浦信行氏の作品にまつわる事件である

この作品は「遠近を抱えて」というタイトル昭和天皇写真女性ヌード写真などを合成した作品であり、企画展終了後に美術館に所蔵・図録掲載することになった。

ところが、一部県議不快感を表明し、街宣右翼抗議活動をした。反対派のある人物県知事への暴行未遂事件を起こした。

事態を重く見た美術館肖像権への懸念などを理由作品個人に売却、図録は焼却処分することになった。

これに対して大浦信行氏は表現の自由に対して、市民知る権利侵害されたとして訴訟を起こした。

原告側は、「作品他人権利侵害したわけではないのだから部外者の行動を理由作品の展示を不許可とするのは不当である。」と訴えた。

被告である県・美術館大浦氏に作品を作るなとも、作品を公開するな、とも言っていない。そして作品を「廃棄」したわけでもない。(図録は処分したが)よって問題ないと主張した。

第一審では原告の主張が一部認められたが、原告被告双方ともに控訴した第二審では「公開すると管理上の問題が発生する可能性があるから」という理由被告美術館側の全面勝訴、上告も棄却された。

法曹界では、「表現の自由」の意義を軽視した不当な判決内容である、という評価一般的である

 

あなたはこの事件にどんな感想を持ちますか?

 

その後

この大浦信行氏、あいちトリエンナーレでも作品を発表している。その名も「遠近を抱えて PartII」

そう、あの昭和天皇肖像を燃やした灰を足で踏む映像作品である。まさにあの写真こそ「遠近を抱えて」である

大浦信行氏によれば、昭和天皇肖像を燃やしたのは自分ではなくて美術館だ、ということだ。(繰り返すが作品は燃やされておらず、焼却処分されたのは図録だが)

クリエイターから見れば、作品が燃やされたわけでもなくても、作品の魅力を伝える手段たる図録から排除されることもまた、作品を燃やされることと同等だという事であろう。

  • なんで法クラの方々にたわわに擁護的な意見が多いかといえば、 この事件が重要判例として批判的に叩きこまれているからです。

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