楽天「急がない便」、セール期間中の導入検討…「即日」「最短」回避でポイント付与
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楽天グループは2024年にも、インターネット通販「楽天市場」で購入した商品の配達で、トラック運転手の不足が深刻化する「物流2024年問題」に配慮した対応を始める。セール期間中に配達日を通常より遅らせた利用者に、一定の楽天ポイントを付与する「急がない便(仮称)」の導入を検討する。集中する配達を分散させ、現場の負担軽減を図る狙いがある。(小野卓哉)
配達分散し現場負担を軽減
急がない便では、セール期間中に「即日」「最短」での配達を求めない利用者にポイントを付与する方向で検討している。付与するポイント数などは今後検討する。
楽天は22年、配達の希望日を指定しなかった利用者にポイントを付与する実証実験を行った。その際、希望日を指定しなかった利用者の数は、通常の3・5倍に増えたという。
コロナ禍では、外出を控える生活が長引いて「巣ごもり需要」が高まり、ネット通販の利用が急増した。コロナ禍後もネット通販業界は成長が続いており、各社は他社との差別化やサービス向上策として配達の早さを競ってきた。
ただ、ネット通販の利用が広がる一方、利用者の間では配達業者の負担の増加も意識されている。民間調査機関、MMD研究所が23年に5000人を対象に行った調査では、ネット通販で自宅への配達を利用したことのある4211人のうち、急がない人向けの選択肢を「利用したい」と答えた人は87・1%に上った。
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