ロッテからポスティングシステムでMLB移籍を目指した佐々木朗希投手(23)が、ドジャースで新たなスタートを切る。

 20球団が名乗りを上げた大争奪戦は大本命に落ち着いたが、周囲は相変わらず騒がしい。移籍市場の目玉の一人だった大物をまたしてもドジャースにさらわれ、球団はすっかり「悪の帝国」のレッテルも貼られている。

 ナ・リーグ西地区のライバルで、昨年の地区シリーズでも激闘を繰り広げたパドレスも佐々木との面談に臨みながら脱落…。2度目の交渉に参加したマニー・マチャド内野手(32)は、1日(日本時間2日)に開かれたファンイベントで「彼はすでにどこに行くか決めていたと思う」と発言。かねてささやかれた〝密約〟による出来レースと言わんばかりに皮肉った。

 これに対して、米スポーツ専門誌「スポーツイラストレイテッド」は4日(同5日)、「まったく自己認識が欠けている」と一刀両断。「佐々木がドジャースを選んだことにマチャドが腹を立てるのは当然だ。彼(佐々木)との確立された関係や、ロースターにいるスター選手の多さが誘惑することは、当初から明らかだった」とフォローしつつも、「マチャドが(パドレスの)オーナーシップの問題がサンディエゴからフリーエージェントを遠ざけていると考えていないとしたら、それは甘い希望的観測か、まったくの無知のどちらかだろう」と断じた。

 パドレスは経営権を巡る争いで訴訟に発展。ナイーブな契約を扱う時期に勃発したお家騒動は、補強にも暗い影を落とした。同誌が一例に挙げたのは今オフにパドレスからFAとなり、ブレーブスに3年4200万ドル(約65億5400万円)で移籍したプロファーだ。プロファーは退団理由について「パドレスのオーナーシップには問題がある」と語り、上層部のゴタゴタが決定打だったと認めている。

 同誌は「将来があまりにも不透明なチームのために誰がプレーしたいと思うだろうか?」と辛らつで、矛先を経営陣ではなく佐々木に向けることはお門違いだとした。

 さまざまな感情が渦巻く中、佐々木は夢舞台でどんなプレーを見せるのか。