日本ハムの松本剛外野手(29)が沖縄・名護キャンプ初日の紅白戦から安打を放つなど順調な調整を続けている。11年目の昨季は序盤から安打を量産。夏場に左ヒザの骨折で離脱するも、最終的に打率3割4分7厘で初タイトルとなる首位打者に輝いた。さらなる飛躍を期待される今季は、どんな気持ちで臨むのか。新庄監督2年目のチームの雰囲気なども含め、心境を聞いた。

 ――昨季は初タイトルを手にした。ゆとりを持ってキャンプに臨めている感じがする

 松本剛 気持ちにゆとりがあるとか楽という感じはないですが、自分のことを考えながらやれるというのは少なからずありますね。昨年の今頃は(定位置確保に)必死でしたから。ただ、昨年結果を出した分、自分のやるべきことをやって今季は結果を残さないといけないというプレッシャーはありますよ。

 ――今年の新庄監督は厳しさを前面に打ち出している

 松本剛 昨年とは明らかに違います。それはみんな感じています。メディアの方々も報じていますが、結果を出さなければ(二軍に)落とすとおっしゃられていますし、逆に結果を出せば使うということも。だから選手は、みんな結果を求めてやっているなとはキャンプ初日から感じました。

 ――そのキャンプ初日にいきなり紅白戦。緊迫感はあった?

 松本剛 そうじゃなきゃ、みんなあんなに打てない。キャンプ初日に紅白戦なら普通、ロースコアのイメージです。投手もその気持ちで来ていたのでしょう。でも新庄さんもおっしゃってましたけど、野手の仕上がりは本当に早かった。それはやはり野手の気持ちの部分の表れだったんじゃないかと思います。

 ――オフから「昨季と同じように打てるのか」との不安からバットを振り続けていたと話していた。今も不安はある?

 松本剛 ありますね。その不安は今後も消えないんじゃないですか(苦笑)。3年ぐらい打率3割を打ったら消えるんでしょうけど。僕はまだその経験がないですから。

 ――昨季は打率3割4分7厘。周囲の期待も高まる。今季の目標は打率3割5分ぐらい?

 松本剛 期待していただくのはうれしいですけど、3割5分は…ね。やっぱり3割が目標です。シーズンを通して3割打つのがいかに甘くないかというのは僕自身が一番わかっているので。正直(昨年の)最初の頃はシーズンで2割5分打つことの難しさだって感じていましたから(笑い)。

 ――まずは打率3割が目標

 松本剛 そうですね。昨年は出来過ぎだと思っているので、まずは3割を打ちたい。3割5分とかに一切こだわりはないです。野球人である限り打率3割という壁は永遠のテーマですし、3割打てると周囲に思われたら絶対にずっと使われる。僕はそうなりたいですし、もともと(好不調の)波の少ない選手を目指している部分もあるので。

 ――近藤がソフトバンクにFA移籍し、余計に期待される

 松本剛 期待されるのはうれしいです。でも100打席立つぐらいまでは何とも言えませんね。その辺りまで、まずはしっかり結果を残していけるように頑張っていきたいです。