パナソニックHD、自動車部品会社売却へ 米ファンドに
パナソニックホールディングス(HD)は17日、自動車部品を手掛けるパナソニックオートモーティブシステムズの売却に関し米投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントのグループ会社と基本合意したと発表した。パナソニックHDがパナソニックオートの株式の50〜80%をアポロが投資助言をするファンドに売却する。
パナソニックHDは電気自動車(EV)向け電池などを成長領域に位置づけ、重点的に投資する方針を示している。成長領域以外の事業の見直しを進めており、今回の決定はその一環になる。
売却によりパナソニックオートはパナソニックHDの完全子会社から持ち分法適用会社になる見通し。2024年3月末までの正式契約締結を目指す。パナソニックHDが売却する株式数をこれから決めるため売却額は未定だが、数千億円とみられる。
パナソニックオートは自動車のコックピットシステムや電子部品、車載充電器事業などを手掛ける。2022年度の売上高は1兆2975億円、営業利益は162億円だった。グループ従業員数は約3万人。27年度に売上高営業利益率を5%(22年度は1.2%)にする目標を掲げているが、車載充電器事業の赤字などで近年は収益力が低下している。
自動車業界は電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる技術への対応など変革を求められている。新技術に対応し、競争力を高めるためには多額の研究開発費が必要になる。パナソニックHDはパナソニックオートが単独で投資資金をまかなうのは難しいと判断し、ファンドと連携することを決めた。
パナソニックHDは17日、パナソニックオートの売却後も「グループの一員として社名やブランドは残す」とコメントした。
パナソニックHDの楠見雄規社長は5月のグループ戦略説明会で、23年度は「事業ポートフォリオの見直しを視野に入れた経営を進める」と述べ、グループ事業の売却の可能性を示唆していた。
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