国内唯一のトロリーバス消滅へ 立山黒部貫光、EV転換
山岳観光路「立山黒部アルペンルート」を運営する立山黒部貫光(富山市)は31日、架線から受電して走るトロリーバスを電気自動車(EV)バスに切り替える方針を明らかにした。2025年にも実施する。同社の切り替えにより、トロリーバスは国内から姿を消す。
同日記者会見した見角要社長が表明した。トロリーバスはアルペンルートの「立山トンネル」を約10分かけて走行している。「導入から30年近くたち、部品をそろえることができなくなっている」と話し、次の手段は「EVバスしかないと思い、検討している」と述べた。18年まで同じアルペンルートの関電トンネルでも走っていたが、19年にEVバスに替わった。
同日発表した23年3月期の連結決算は、売上高が前の期比73%増の34億円、最終損益が5億6700万円の赤字(前の期は7億7400万円の赤字)だった。利用者数は48万人で、90万人に近い水準だった20年3月期の半分強にとどまる。
24年3月期は「欧米にも販路を拡大したい」(見角社長)と話し、海外からの集客を台湾などアジアからさらに広げる考えを示した。今シーズンの営業を開始した4月15日から5月28日までの利用者数は22万7200人と前年同期比で95%増。海外団体客が7万600人と3割を占めている。
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