1冊単位で製本、48時間以内に配達 KADOKAWA
KADOKAWAは31日、1冊単位で製本・販売する「プリント・オン・デマンド(POD)」を活用し、注文から48時間以内に書籍を届けるサービスを2020年以降に始めると発表した。20年に稼働する埼玉県所沢市の複合拠点にデジタル印刷機を導入し、書籍を注文者の自宅などに直接届ける。ほかの出版社にも参加を呼びかける。
KADOKAWAは複合拠点「ところざわサクラタウン」を2月にも着工する。延べ床面積は約8万4000平方メートルで、印刷工場やオフィスのほか、図書館と美術館、カフェを組み合わせた「ロックミュージアム」などを整備。同社の投資額は約400億円となる。
印刷工場では注文を受けるたびに製本し、自宅や書店に配送する。会見した松原真樹社長は「タイムリーに出版ニーズに応え、確実に届ける」と述べた。日本では約4割の本が売れ残り、出版社に返品される。松原社長は「返品率の削減に効果がある」と強調した。
本社を所沢市に移す方針も明らかにした。東京都千代田区にある本社の一部の社員が移る。ロックミュージアムは地上5階建て。アニメ専門の美術館や約12万冊の本をそろえる図書館、カフェなどを併設する。
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