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瞑想の神経科学 「無の境地」をもたらす脳の変化
自分の心身で生じている感覚や感情,思考にありのままに気づいている状態「マインドフルネス」を実現する瞑想に,全世界で何百万人もの人々が取り組んでいる。メンタルヘルスのためだけではない。心身が健やかで満たされた状態(ウェルビ … 続きを読む
カテゴリ 2024年12月号, 編集部のピックアップ, 記事
睡眠工学 悪夢を解消し, 記憶を強化する
夜遅く,ソニア(仮名)は1人で知らない町にいて,家に帰る道を探していた。地図に示されていたのは森を抜ける道で,暗い中ぽつんぽつんとランタンがともっている。不吉な予感がしたが,他の人も通っていたのでその道に入った。足早に進 … 続きを読む
恐怖を共感するニューロン “感情の伝染” が起こるしくみ
遊園地のジェットコースターやお化け屋敷の順番を待つ間,「自分は平気」と思っていたのに,列が進んで他人の悲鳴や「怖い」という声を間近で耳にした途端,急に心臓がバクバクしてくる。そんな経験をしたことがある人は少なくないはずだ … 続きを読む
境界性パーソナリティ障害に潜むトラウマ
私がアン(仮名)に会ったのはドイツ南西部の中規模都市マンハイムにある中央精神衛生研究所(ドイツ名の略称でZI)だった。施設は格子状に区切られた同市中心部の数ブロックにまたがる。アンはここで「複雑性PTSD(心的外傷後スト … 続きを読む
反抗期の脳とうまく向き合うには
10代は重要な時期だ。ここで悪しき習慣を覚えるとなかなか抜け出せない。だが,“ 上から目線”のアドバイスは逆効果になりかねない。 青年期特有の難しさは,この時期の脳の発達の仕方で説明できる。判断や推論などに関わる脳領域が … 続きを読む
イルカは本当に右利きなのか
利き手など動作には左右の非対称があり,脳の機能も左右の半球で違う。こうした「側性化」は動物でも調べられてきたが,動物の姿勢が直立か水平かによって,回転の向きを右左と表現することに混乱が生じる。著者たちが厳密な定義と記述法 … 続きを読む
人間関係を把握する脳内マップ
動物がある場所から別の場所に移動する際,どうやって最短ルートを思いつくのだろう? ラットから人間まで,さまざまな動物は脳内に地図を持ち,環境についての脳内モデルによって最適ルートを探索している。 脳内地図によって表してい … 続きを読む
もうトリ頭とは言わせない 解き明かされた鳥の脳の秘密
鳥のなかには道具を使うカラスや鏡に映った自分を認識できるカササギ,簡単な足し算ができるオウムなどがおり,因果関係の推定や,計画立案,社会認知,想像力などが認められる。鳥は脳が小さく知力に劣るとされてきたので,これらは驚き … 続きを読む
機械は意識を持ちうるか
人工知能(AI)の技術が大きく進展し,人間と同レベルの知能を備えた機械の実現が近づいてきた。だが,現在よりも格段に高度なAIが実現したとして,それらが意識を持つかどうかは,依然としてわからないだろう。脳を最も精巧にシミュ … 続きを読む
神経回路網はどのように知性を生み出すのか
脳から意識がどのように生まれるのか? この疑問から生まれた新たな学問分野「ネットワーク神経科学」では,読み書きや計算,簡単な動作といった行動を可能にしている脳領域間の結合を,グラフ理論という数学の手法を使ってモデル化する … 続きを読む
特集:脳のコネクトーム
脳という“物質”から知性や意識がどのように生まれるのか? 個別のニューロンや脳領域の活動をかなり詳しく調べられるようになった現在も,大きな謎だ。この謎の解明に挑むべく,「ネットワーク神経科学」という新たな学問分野が生まれ … 続きを読む
第3の腕を手に入れる
女性が両手で白い箱を持って,何かの作業をしている。そこへ左からプラスチックボトルが差し出された。すると黒いシャツを着たロボットの腕がすっと手を上げ,ボトルをつかんだ──。京都府にある国際電気通信基礎技術研究所(ATR)主 … 続きを読む
データで見る脳の違い
人間は桁外れだ。現生人類の脳は,祖先筋にあたる最初期のホミニン(ヒト科動物)や現生の類人猿の脳の約3倍の大きさだ。ヒトの脳とチンパンジーなど近縁の霊長類の脳を詳しく比較した結果,ヒトでは特に言語や抽象的思考など高次の認知 … 続きを読む