憧れの志村けんさん(故人)に1歩、近づいた。日本相撲協会は27日、福岡市内で来年1月の初場所(東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、羽出山(はつやま、25=玉ノ井)の新十両昇進を決めた。その後、福岡・須恵町の部屋で会見。東京・東村山市出身の羽出山は「志村さんは東村山の英雄。憧れの人。部屋に入る前に(東村山市にある志村さんの)銅像にあいさつして、部屋には『だいじょうぶだぁ まんじゅう』を手みやげで持っていきました。東村山といえば志村さん、その次にハツヤマ、と言われるようになりたい」と、笑顔で話した。
実際に会ったことはないものの“志村愛”あふれるエピソードは止まらなかった。志村さんといえば「東村山音頭1丁目 ワァーォ! ワァーォ!」などのギャグで、ブレークのきっかけをつかんだが「僕、出身が1丁目なんです」と、ノリノリで明かした。
今も東村山市に住む志村さんの実兄とは親交があり「東村山といえば志村けんさんの名前が1番に出てくるので、僕の相撲界での1つの夢として、志村けんさんの化粧まわしで土俵入りしたいですね。それをかなえるなら幕内かなと思っています。志村さんのお兄さんとはツテがあるので、幕内に上がることができたら」と、化粧まわし作製のお願いを、直談判したい意向を示した。デザインは志村さんを代表するキャラクター「バカ殿」か、代表的なギャグ「アイーン」のポーズをしているもの、どちらがいいか問われると「うーん…」と熟考。「それは僕では決められないですね」と、自称ファンを通り越して、マニアともいえる“ガチ勢”ぶりを隠せなくなっていた。
そんな羽出山は新十両として迎える初場所に向けて「2桁白星が目標。師匠(元大関栃東の玉ノ井親方)は、十両を3場所で通過。3場所目には優勝もしたので、それに近しい成績を目指したい」と、まじめに答えた。玉ノ井部屋の力士は、しこ名に「東」を入れることが多いが「この名前を広く知ってもらいたい。子どものころは、だいたい『はでやま』とか『はねでやま』と言われていたので」と、本名で十両土俵にも上がり続ける予定。「羽出山」の名字は「家族と親戚しか知らない」といい、全国でも20人程度しかいないともいわれる珍名だ。ただ志村愛&地元愛の強さ、さらには「東」を入れる部屋の伝統もあり、思い切って「東村山」に改名する日は…。羽出山愛も負けず劣らず強いだけに、さすがになさそうだ。