WBOアジア・パシフィック、東洋太平洋ライト級王座統一戦で、東洋太平洋同級王者宇津木秀(30=ワタナベ)が王座統一に成功した。WBOアジア・パシフィック同級王者保田克也(32=大橋)と2本のベルトを懸けて拳を交え、6回2分47秒、TKO勝利。統一王者となった宇津木は「保田選手に勝てて、最高にうれしい」と振り返った。
ダウンの応酬という激しい展開を制した。4回、先に宇津木が右フックでダウンを奪った。すると同じ回に右フックを浴びてダウンを喫した。5回には左ストレートをもろに受けて再びダウンを許した。しかし続く6回、一気に猛攻を仕掛けて右ストレートで2度目のダウンを奪取。立ち上がってきた保田に連打を浴びせて倒れたところでレフェリーストップとなった。
宇津木は「最初にダウンを取って気が緩んでしまった。後半にいくつもちで頭では12回までと思っていたのですが。(受けたパンチを)覚えていないし、保田選手がうまかった。保田選手から『強くなったね』と言われてうれしかった」とアマ時代から知る先輩のWBOアジア・パシフィック王者に敬意を表した。
WBO世界同級6位と世界ランキングに入っている保田を下したことで、世界ランク入りは確実となった。宇津木は「これで世界ランクも上位に入るのですが、このまではダメ。小林(尚陸)トレーナーと話して、もっとやらないといけない。まだまだ、このままでは世界にいけない。強くなって帰ってきます」と強い口調で宣言。小林トレーナーも「勝って反省できるからいい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
25年は世界への道に進むことが第1希望だが、宇津木は「どうなるかは僕次第ではない。話し合っていきたい」と慎重な姿勢。国内外に強豪がそろう激戦区の階級だけに「強い選手がいっぱいいるので、負けていられない。話があればやっていきたい」と来年を見据えていた。