東京・三鷹市を起点とし、八王子市に至る都市計画道路「東八道路」により、甲州街道での渋滞緩和が期待されるが、60年経っても未完成の状態が続いている。部分開通は進むが、全面開通にはまだ時間が掛かりそうだ。
1962年に都市計画が決定…計画から60年経過
帰省や外出などで車の利用が増える年末を迎え、気になるのが渋滞だ。
この記事の画像(11枚)大塚隆広記者:
(12月16日)午前8時半です。甲州街道の東八道路に向かう車線側だけ渋滞が発生しています。
月曜日の朝から渋滞している。ここは、都心と多摩地区をつなぐ「甲州街道」が中央自動車道の国立インターと交わる付近だ。東京都によると、この周辺では慢性的に渋滞が発生しているという。
近隣住民:
いつも混んでます。
近隣住民:
車通りは激しいですね。
この渋滞の緩和につながると期待されているのが、「東八道路」の愛称で知られる「東京八王子線」だ。三鷹市を起点とし、調布市、小金井市、府中市、国立市、日野市を経由して八王子に至る都市計画道路だ。
道幅は標準で30mから36mあり、広い4車線で車が走行しやすく、歩道も広いことから歩行者も安心して利用することができる。
しかし、この東八道路は、昭和37年(1962年)に都市計画が決定され、整備が進められてきたが、令和6年(2024年)現在、60年以上が経った今でも全面開通の見通しはたっていない。
東八道路は部分的に開通していて、JR南武線を跨ぐ約1.3kmの区間の整備が遅れている。現場では重機が動いており、道路を作るための作業が進められている。
近隣住民:
(完成まで)先は長いんじゃない?
ーー道路を造るのに時間がかかっているが?
近隣住民:
行政のやることなんてそんなもんでしょ?
近隣住民:
うちも(立ち退きで)引っ越したんです。(道に)かかるので。
(立ち退きから)11年経っているけど、まだこんな感じの状態です。
用地取得進まず…「全面開通」はまだかかる
2024年に完成した区間の工事着手前の写真と整備完了後の写真(イメージ)を比べると、元々住宅が立ち並び細い1本道だった場所に幹線道路の整備が進められてきたことが分かる。
しかし、用地の取得が計画通りに進まず、この区間の2025年度末という完成予定は遅れる見通しで、「全面開通」は見通しすら立っていない。
小池百合子都知事(12月13日):
渋滞緩和、そしてまた互いのスムーズな交通の確保などご理解いただけるように、またご協力いただけるようにお願いもしてきています。
東京都は「地権者への説明を丁寧に行い、残る土地の用地取得を進め、全面開通を目指していく」としている。渋滞緩和につながる区間の整備はあと僅かだが、「全面開通」にはまだ時間が掛かりそうだ。
(「イット!」12月19日放送より)