帰省や外出などで車の利用が増える年末を迎え、気になるのが渋滞。
月曜日の朝から渋滞していたのは、都心と多摩地区をつなぐ甲州街道が中央自動車道の国立インターチェンジと交わる付近。
東京都によると、この周辺では慢性的に渋滞が発生しているといいます。
近隣住民は「いつも混んでます」「車通りは激しいですね」と話します。
この渋滞の緩和につながると期待されているある道路があります。
それは“東八道路”の愛称で知られる東京八王子線です。
三鷹市を起点とし、調布・小金井・府中・国立・日野市を経由して八王子に至る都市計画道路です。
道幅は標準で、30メートルから36メートルあり、広い4車線で車が走行しやすく、歩道も広いことから、歩行者も安心して利用することができます。
しかしこの東八道路、昭和37年(1962年)に都市計画決定され整備が進められてきましたが、60年以上がたった今でも全面開通の見通しは立っていません。
一体なぜなのか、そして、いつ完成するのか、現場を取材しました。
東八道路は部分的に開通していて、JR南武線をまたぐ約1.3kmの区間の整備が遅れています。
現場では重機が動いていて、道路を造るための作業が進められています。
現場周辺の住民に取材すると「(完成まで)先は長いんじゃない?(Q.道路を造るのに時間がかかっているが?)行政のやることなんてそんなもんでしょ?」「うちも(立ち退きで)引っ越したんです、(道に)かかるので。(立ち退きから)11年たっているけど、まだこんな感じ」と話しました。
我々が取材した、2024年に完成した区間の整備前と整備後を比べてみると、もともと住宅が立ち並び、細い一本道だった場所に幹線道路の整備が進められてきました。
しかし、用地の取得が計画通りに進んでいないため、この区間の2025年度末という完成予定は遅れる見通しで、全面開通は見通しすら立っていません。
東京都の小池百合子知事は「渋滞緩和、そしてまた互いのスムーズな交通の確保など、ご理解いただけるように、また、ご協力いただけるようにお願いもしてきている」と述べました。
東京都は、「地権者への説明を丁寧に行い、残る土地の用地取得を進め、全面開通を目指していく」としています。
渋滞緩和につながる区間の整備はあとわずかですが、全面開通にはまだ時間がかかりそうです。