第八十七回:自分だけだと思うな
今日は2023年3月9日です。ちょっと前までかなり寒かった気がするのですが、いつの間にか寒さが和らいできました。もうすぐ春ですかねぇ。コタツに入りながら、そんなことを考えています。それでは今回のコラムもゆるく行ってみましょう。超不定期連載「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムでございまぁす。このコーナーでは、各用語の説明ページでは取り上げにくいIT関連のネタをテーマに、だらだらと思いついたことを書いていきます。みなさんが「あぁ、なんか役に立ちそうな気もするけど、役に立たないかなぁ。でも、もしかしたら役に立つかも」と思える情報を発信できるように頑張ります!
はじめに
栄えある八十七回目のテーマは……ピヨピヨピヨピヨ(ぴよぴよ的ドラムロール)……じゃん!
自分だけだと思うな
です。
今回もITとは関係ないネタですが、どーんまいっ。
そろそろコラムから「IT」の文字を外した方が良い気もしますが、どーんまいっ。
お忙しい人向けに先に結論を書いておくと、今回のコラムの結論は
「自分しか知らない」「自分しかできない」「自分しかやらない」ことは、そんなに多くないと思っておいた方が良いよ
です。
最後まで読んでくださる方は、この結論を知らないことにして読み進めてください。
どこでもドアって欲しい?
私は『ドラえもん』が好きです。
小さいころは毎日のようにビデオで見ていました。
知っている人も多いでしょうが、ドラえもんには「どこでもドア」という道具が出てきます。
どこでもドアは、目的地を指定して開くと開いた先が目的地になっているドアです。
ピンと来ない人は、ざっくり「瞬間移動できる道具」だと思ってください。
私は子どものころ、どこでもドアが欲しくてたまりませんでした。
どこにでも一瞬で行けるのです。
時間ギリギリまで寝ていても、遅刻しないで登校できます。
※その当時は小学生でした。そして多分それでも布団から出るタイミングを見誤って遅刻したでしょう。
あっちもこっちも旅行し放題です。
海外にだって一瞬で行けます。
いいなー。
便利だなー。
どこでもドアがあったらなー。
子供心にそう思っていました。
ところがどっこい、大人になった今は真逆の考えです。
どこでもドアなんて絶対に作られませんよーにっ(-人-;)
結局ですね。
私が子どものときに夢想していたのは
どこでもドアを自分だけが持っている状況
だったのです。
実際には、そんな状況にはならないですよね。
誰かがどこでもドアを発明して、誰かが実用化して、誰かが普及させます。
どこでもドアが私の手元に届くころには、多くの人がどこでもドアを持っている状況になっているはずです。
そう考えると、どこでもドアは電話とかインターネットの延長線上にある便利さな気がします。
電話が生まれたことによって、声を一瞬で遠くに届けられるようになりました。
インターネットが生まれたことによって、映像を一瞬で遠くに届けられるようになりました。
どこでもドアが生まれたら、身体を一瞬で遠くに届けられるようになります。
便利には、なるのでしょうけどね。
子供心にワクワクした状況とは、かけ離れています(´・ω・`)
さらに!
私は自分のやっていることを邪魔されるのがイヤです。
だから突然かかってくる電話とかも好きではありません。
ついでに、ひとりの時間がないとダメなタイプです。
どこでもドアは「どこにでも行ける」だけでは、ありません。
「どこからでも来る」もあります。
今の世の中でさえ煩わしさを感じている私です。
どこでもドアが世の中に普及したら、げんなりしそうです。
私は「どこでもドアを自分だけが持っている状況」を想像して「どこでもドアが欲しいな~」と思っていました。
ですが、そんな状況にはならないことに気付きました。
どこでもドアを私が手にするときには、他の人も持っているはずです。
私は、どこでもドアがない世界であり続けることを願うようになりました。
そのノウハウを知っているのは、あなただけ?
最近、自分で考える(ように見える)コンピュータの発展が目覚ましいですね。
いわゆる「AI」と呼ばれているやつです。
それに伴い「文章を書くAIを使ってブログの記事を量産する方法(で稼ぐ方法)」みたいなノウハウを有料ないし無料で教える人も増えているようです。
それの良し悪しは論じません。
理由は、無駄に敵を作りたくないからです。
もとい、その人の自由だと思っているからです。
ただし、それらのノウハウに対して「知りたいです!教えてください!」みたいになっちゃう人には老婆心ながら言いたいことがあります。
それは
どこでもドアを欲しがっていた子どものころの私みたいにならないように気を付けてね
です。
「文章を書くAIを使ってブログの記事を量産する方法(で稼ぐ方法)」を例に考えてみましょう。
あなたは「文章を書くAIを使ってブログの記事を量産する方法(で稼ぐ方法)」のノウハウを手に入れました。
そのノウハウに従って、文章を書くAIを使ってブログの記事を量産します。
記事数が増えるので、Googleとかでの露出も増えて、見てくれる人が増えます。
そうすると広告を目にする人も増えます。
広告収入が増えます。
ウッハウハです。
ただし、それは「文章を書くAIを使ってブログの記事を量産する方法(で稼ぐ方法)」を実践しているのがあなただけだったらです。
実際には、そんなことにはなりません。
あなた以外の多くの人も「文章を書くAIを使ってブログの記事を量産する方法(で稼ぐ方法)」を実践するはずです。
そうなると、いろいろな人が作った「AIを使って作った記事」が大量に生まれます。
あなたが「AIを使って作った記事」を大量に持っていることは、なーんのアドバンテージにもならないわけです。
知識・技術・ノウハウは、それを所持している人が少ないほど価値が高くなります。
所持している人が増えれば増えるほど、相対的な価値は下がります。
特にノウハウは、あまりにも多くの人が所持している場合には「ノウハウ」とすら呼ばれません。
「常識」と呼ばれます。
あなたが得ようとしている知識・技術・ノウハウには、どれくらいの希少価値がありますか?
安易に飛びつく前に、ちょっと考えてみてください。
「所持している人が多い知識・技術・ノウハウには価値がない」とは言いません。
他の人が当たり前に持っているのに自分が持っていなければ遅れを取ります。
たとえ多くの人が知っていたとしても、自分が知らない知識・技術・ノウハウを吸収することには意味があります。
とはいえ、期待し過ぎはいけません。
それを知っているのは、あなただけではありません。
それをやれるのは、あなただけではありません。
そして、それをやるのは、あなただけではありません。
みんなが、あなたと同じことをやります。
それでも稼げると思いますか?
あなただけかもしれないけど、あなただけじゃない
私は、何か新しいことに取り組むときは
1.自分しか知らないことは多くない
2.自分しかできないことは多くない
3.自分しかやらないことは多くない
と考えるように意識しています。
そうすることで多面的な物の見方ができるからです。
あとは危機感が芽生えるので真剣に取り組むようにもなります。
「お金の稼ぎ方」を例に挙げて説明しますね。
「お金の稼ぎ方」を例に挙げるのは、お金が好きな人が多い(だろう)からです。
私が知っていることを知っている人は他にもいます。
「お金の稼ぎ方ピヨピヨマル秘テクニック」を知っている人は私以外にもいるはずです。
それでは「お金の稼ぎ方ピヨピヨマル秘テクニック」を知っている私以外の人は、どうして実際にやらないのでしょうか?
あるいは、私が知らないだけでコッソリやっているのでしょうか?
私ができることをできる人は他にもいます。
「お金の稼ぎ方ピヨピヨマル秘テクニック」を実践できる人は私以外にもいるはずです。
それでは「お金の稼ぎ方ピヨピヨマル秘テクニック」を実践できる私以外の人は、どうして実際にやらないのでしょうか?
あるいは、私が知らないだけでコッソリやっているのでしょうか?
私がやることをやる人は他にもいます。
「お金の稼ぎ方ピヨピヨマル秘テクニック」をやる人は私以外にもいるはずです。
それでは「お金の稼ぎ方ピヨピヨマル秘テクニック」をやっている人を、どうして私は知らないのでしょうか?
みんな飽きて止めた?
大変で諦めた?
目立つとマズいからコッソリやっている?
誰が言ったか分からない有名な名言(迷言?)に
「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ
というのがあります。
誰が言ったんだっけ?
四次元殺法コンビ(--?
あなたが思い付いた素晴らしいアイディアは誰かがすでに思い付いています。
あなたができることは他の誰かもできます。
そして、あなたがやるようなことは他の誰かもやります。
もしくは、すでにやっています。
物事は、その前提で考えてください。
あなたは特別な人間ですが、世界には80億人以上の人がいます。
誰か1人くらいは、あなたと同じようなやつがいるっしょ。
仮に、あなたが世界で初めて思い付いたアイディアで、あなたの卓越した技術によってのみ実現できるもので、それにチャレンジする人があなただけだったとしても、そのように考えることは無駄にはなりません。
あなたがやろうとしていることが素晴らしいものであれば、絶対に後追いが出てきます。
そいつらを蹴散らすときに役立ちます。
すでに自分以外の人が同じことをやる事態を想定済みだからです。
「自分だけ!」と思って油断するよりも「自分以外にもいるはず!」と警戒して備えた方が怪我をしなくて済みますよ。
まとめ
今回は
自分だけだと思うな
というテーマで好き勝手に語ってみました。
今回のコラムで言いたいことは
「自分しか知らない」「自分しかできない」「自分しかやらない」ことは、そんなに多くないと思っておいた方が良いよ
です。
「稼げる方法」に飛びつくのは良いですが、他の人が同じことをやっていた場合でも稼げますか?
あなた以外の人があなたと同じことをしても破綻しませんか?
あなたしか「知らない」「できない」「やらない」ことは多くありません。
その前提で考えておきましょう。
その方が多面的な物の見方ができます。
ライバルが出てきたときも蹴落としやすくなります。
「自分は特別だ!」と思うことも大事ですけどね。
それだけだと足をすくわれやすくなります。
「自分は特別だ!( ̄^ ̄)」と「自分は特別じゃない!(´-ω-`)」を同居させて、世知辛い世の中を華麗に渡っていきましょう。
思いつきで始めて惰性で続けている「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるITコラムですが、いかがでしたでしょうか。また何かネタがあったら、ちまちまと更新していきます。コンゴトモヨロシク。